第13話
俺が雇った2人だが、お
とりあえず、店舗の掃除を2人でするように指示して置く。
それとドロシーにはミンミに計算を教えるようにも伝えた。ドロシーには、かなり嫌な顔をされたが成功報酬を出すと言ったら態度が一変した。逆にミンミは泣きそうな顔になっていたが、頑張って欲しい。
俺は今、冒険者ギルドに来ている。冒険者の中にも計算が出来る人がいるかもしれないのでギルドで訊いてみる事にしたのだ。
「え~っ。計算が出来る冒険者なんていませんよぉ。私ならいつでも
「・・・いや、ギルドの仕事が有るでしょ?」
「大丈夫よぉ♡永久就職なら大歓迎だから♡」
この受付のお姉さんなら計算も接客も完璧だろう。帳簿の改ざんもしないだろう。そのくらいの良識は有ると信じている。ただし俺まで喰われてしまいそうで怖い。
はぁ・・・どうしたら良いんだろうな。
俺が肩を落として店に戻ると、ドロシーが話しかけて来た。
「店長、看板はどうするんですか?」
看板? 必要か?? 必要なのか・・・ 考えて無かった。
「看板を作ってくれる人に心当たりはあるか? ドロシーから頼んでおいてくれ。金は後で俺が払うから」
「それと、ジェムがありません。店内のランプは4カ所なので、毎日2つは必要になります」
「わかった。それは俺の方で用意するよ」
いつまでも店員の事だけを考えている訳にもいかない。今、出来る事をしよう。
★
ジェムを集める為に、森にホーンラビットを狩りに来た。
ホーンラビットを10匹ほど倒した所で、レッサーウルフに出会った。
レッサーウルフと言えば、これだ。
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レッサーウルフ 雄 Lv.5
体力 11/12 魔力 3/3
筋力 15 知力 7 素早さ 10
能力 遠吠えで仲間を呼ぶ
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ワザと遠吠えをさせて仲間を呼ばせたらどうなるのか、試してみたくなったのだ。
森の中をホーンラビットを探して歩くよりも効率よくジェムを集めれるかもしれない!
レッサーウルフを生かさず殺さずの状態でコツコツいたぶると、
「ワオォォーーー」
吠えた。
1分ほどで10匹のレッサーウルフに囲まれてしまった。
10匹のうち5匹を倒して、残り5匹をいたぶる。
「「「「「ワオォォーーー」」」」」
次は50匹に囲まれた。
いったい何処から現れたのだろうか? この近くにこんなに沢山住んでいたのだろうか?
俺はレッサーウルフを倒したり吠えさせたりを繰り返すうちに、段々と楽しくなってきた。まるでワンコ蕎麦状態だ。
「いや~。良い汗かいたー」
レッサーウルフを3時間狩り続けた。100匹までは数えていたが、何匹倒したのか自分でもわからない。
辺りを見渡すと真っ暗だった。無我夢中で暴れていたので気付かなかったが、もう日が沈んだあとのようだ。
「もうドロシーとミンミは帰っただろうなぁ」
今日1日で掃除は終わっただろうか?
店舗の2階は3部屋あるから、1つは俺の寝床にしようかな。宿代もかからないから一石二鳥だ。
「キャーー!」
悲鳴のような声が聞えた。声がした方へ向かうと、森の外の草原に子供が2人見えた。子供を追うように1匹のゴブリンが走り回っているようだ。
子供を見捨てて帰ったら、寝覚めが悪そうだな・・・
俺はゴブリンの後方からサッと首を撥ね、子供達に声をかけた。
「こんな時間に子供だけでいたら危険だぞ」
「「ゥエェェーーン」」
俺の言い方が悪かったのか? 2人して泣き出してしまった。
こんな時間に子供だけでいるって事は身寄りが無いストリートチルドレンだろうか? それならギルドが
泣いていては話しが出来ないので、収納魔法からチョコメロンパンを取り出して2人に食わせた。
涙を流しながらパンにカブリ付く姿は可愛らしいな。だが、俺はロリコンでは無い。
どうしてコイツらは街の中でウンチ集めしてないんだ? そっちの方が臭いけど安全だろ?
明日、商業ギルドに行って事情を訊いてみるか。
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