愚か者の末路

 妻が大変だと病院から連絡があった!私の予定と違う、私の予定では、私が毒を飲んだ妻を発見して、私が救急車を呼ぶハズだったのに!!でも、まぁ大丈夫だろう!! そんな事よりもショックな事があった、愛しいあの娘が私の事を「キモい」といっているの聞いたからだ。

 ショックな気持ちを引きずりながら病院へ向かう、妻の事を考えながら… 病院に着いて先生に言われた 「危険な状態だけどなんとか持ちこたえています!」 何故か私はホっとした、そして先生は続けて私に言った「警察の方があなたのご自宅で待たせてもらっているとの事です。」

 ……私は言われて取りあえず家に帰った!

 私と妻との家には警察だという小柄な女性が待っていた。

「……どうも、とんだ事で!」

「!、はぁ、貴方が警察の方?」

「はい、そうです、」手帳を見せて「あたし、名前を小石田ギン警部といいます」

「……どうして、また自宅で待つなんて非常識なマネを?」

「ハイ!貴方の奥さんが毒を飲まれた!ハイ、その状況がとても不可解で、どうしても貴方に自宅で伺う必要があったので」

「不可解とは?」

「はぁ、まぁ…奥さんですがその…」

「妻は最近、イライラして、とても不安定でした、朝、大喧嘩して…」仕舞ってある離婚届を取り出して「コレを突きつけられました。」

「フム、貴方は病院で奥さんの様態を聞いて、自分で毒を飲んだ!と思ったワケですね!」

「自分で毒を飲んだとしたら、おかしな所が」

「どんな?」

「まず、とても豪華なおつまみが用意してありました!」

「だから?」

「手を付けてなかったんですよ!?」

「……」

「それも、一人で食べる量じゃない!グラスも二つあった、奥さん以外に誰かいたのかな?」

「……警部さんの考えを全部聞かせて下さい」

「……じゃあ言うね!更におかしいのは奥さんピザも注文していて、届けられる前に毒を飲んでます!奥さんを発見して救急車をよんでくれたのはピザ屋の店員でした。」

「……」

「そして、決定的に妙なのは、毒はグラスではなくボトルに入っていた事」

 私は目を閉じて聞いていた!「……だから?」

「ハッキリ言いますね!ウィスキーに毒を入れたのは貴方だ!」

「決定的な証拠はありませんが、毒を入れた!となれば、貴方しかいないから!」

「……」

「何があったのか!分かりませんが奥さんは貴方と高級なウィスキーを飲んで、話がしたかったのだと思います」

「……」

「そんな奥さんの気持ちも解らないで貴方という人は…愚か者だよ貴方は!貴方のことを心の底から想ってくれた人を!馬鹿者」

 確かにそうだ!私を叱る人をちゃんと見てやろう目を開けた、小石田警部は消えていた。

 呆然としていたら電話が掛かってきた

「残念ですが、奥さんが亡くなりました」

私はなんてことをしてしまったのだと大笑いをした、そして私はキッチンへ行き、包丁で手首を切って、命尽きるまで妻に謝り続けた。

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