名前

家に帰って調べてみた。

航空写真ではそこはぼかしがかかった。不思議。



「今日も授業つまんなかったなー」

俺もこいつに賛同。最近授業はつまらない。というか、学校自体面白くない。

「また明日な!」

あいつは部活があるからここでお別れだ。

いやー俺もなにか入ればよかったかなー。おもしろそうな部活がなかったんで俺は部活には入らなかった。スポーツが苦手とか芸術に興味がないとかそんなんじゃない。ただ何となく、「違うな」と思って帰宅部になった。


まだバスは来ない


「どうも」

急に現れたもんだから胸がドキッとした。

「どうも、あの……」

「この間はありがとう」

僕が話そうと思ったのに、遮られてしまった。

「いえいえちゃんと家に着いたようで良かったよ」

彼女は返事をするかのように少し微笑んだ。

「」

「“おこがましい”のは承知の上なのだけれど」

話そうてしても、また遮られてしまった

「また一緒にバスに乗って欲しいのです」

「もちろん、構いませんよ」

「ありがとうございます」

「あの、僕まだ名前を知らなくて……」

「そうでしたっけ、舞白です。烏頭尾舞白うとおましろです」

やっぱり。お金持ちだ。もっとすごいぞ。舞白さんはご令嬢。適当にテレビでも観てりゃ勝手に耳に入ってくるような、そういうトコのお嬢様。

炉黎いろりといいます、よろしくね」

「うん」

さっきよりも、返事の笑顔が“よく”みえた。

舞白さんが僕の顔をみているから、僕も舞白さんの顔がよくみえるんだ。

バスが来たようだ。バスが来たのか。

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