39話、一時帰宅


のこり百匹ほど、というところで、今日のところは引き上げることになった。


「すまない、どうしても外せない用事があってな」


ヴァルさんの用事が夜にあるそうなので、日が沈むより前に帰る。

ロスもちょっと眠そうだし、丁度いい。


「残りは明日ですね」


「ああ、すまないな」


「いえいえ」


というわけで撤退。王都へ戻る。




レッサースライム二百匹は、ひとまずヴァルさんに預け、聖女様に渡しておいてもらう事にした。

残りの百匹は自分で届けよう。会いたいし。


家に戻り、ロスを昼寝させる。

その間に、厨房のドさんにホットケーキをリクエストしておき、先に風呂に入ることにした。


風呂でのんびりした後、ロスが起きてから晩御飯。

今日はグラタンのようなものだ。この国は酪農も盛んで、チーズもよくつくられているらしい。チーズが沢山食べられるのは嬉しいな。


「ちーず。ぎうにう……」


「ぎゅ、う、にゅ、う」


「ぎゆ……ぎう……ぎゅう」


ロスへの共通語の教育もしっかりする。飲み込みがはやくて助かるが、魔族の言葉より発語がしづらいようだ。私としてはかわいくて助かる。

晩御飯を食べ終え、少し休憩してデザートタイム。

今日はリクエスト通り、ホットケーキだ。しかも生クリームがたっぷり乗ったやつ。


「あまー! 美味しいねえ」


「おいしいです! おじいさま、ありがとう」


「なんのなんの。なんでもつくってやるからのう!」


ドさんもロスにはデレデレだ。


食べたあとは、私は寝支度を、ロスは後回しにしていたお風呂に連れられる。

風呂上がりにも使ったが、聖女様から送られた化粧水と乳液をもう一度塗る。お肌がもちもちだ。自然と口角があがってしまう。

この化粧水と乳液は、ラピスとラズリにも使ってもらっている。

二人ともとても嬉しそうに使ってくれている。元々綺麗だけど、さらに綺麗になった気がする。


ロスがお風呂からあがったので、二人で寝る用意をする。

私と同じように、髪を乾かし、保湿をし、お湯を少し飲んで、それから布団へ。


「おやすみ、ロス」


「おやすみなさい、おねえさま」


明日も良い日になるといいな。

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