40話、レッサースライム五百匹の報酬


昨日の続き、残り百匹ほどのレッサースライムをテイムしにいく。

ロスがいれば、午前には終わるだろう。


「今日もよろしくね」


「がんばいます!」


惜しい、もうちょっとで言えた。




ヴァルさんが迎えに来てくれて、王都を出て、草原へ。

さっそくテイムをはじめて、昨日と同じようにツノウサギやレッサースネークも寄ってきて、ヴァルさんに頼って、なんやかんやで昼前に百匹のテイムが終わった。これで、全部で合計五百と十二匹のテイムだ。


「前回よりは掛かったが、やはり早く済むな」


「さすがウチのロスですね」


「ロス、やくにたちましたか」


「うんうん、ありがとねぇ」


「えへ……」


少しだけはやいがお弁当を食べてしまい、それから家に戻り着替え、王城に向かう事にする。





「セバス、数えて報酬を用意しなさい!」


いつも通り聖女様にレッサースライムを引渡し、いつも通り二人きりに。

今日の紅茶、なんだかいつもと違うな……


「今日は私がいれてみたのよ。どうかしら?」


「なかなか美味しいですよ」


「ま、さすがにプロには敵わないわね。ちなみにクッキーも私が焼いたの」


「えっ! ……そう言われてみるとプレミア感が」


「なによそれ、気持ち悪いわね! ……で、スキルはどうだったの? 教えてちょうだい」


聖女様はいつものように、ワクワク顔で待っている。

今回は…… まあ、今までのレッサースライムの報酬と比べれば良いスキルだが。


「今回はですね…… 『水分吸収』というスキルを戴きました」


「水分吸収…… どんなスキルなの?」


「たとえば、このように」


私はテーブルに置かれていた水差しを、ロングのスカートに傾ける。

当然、中身がスカートにかかる。


「これに手を当てると…… ほら」


「わ、乾いた。便利じゃない!?」


「便利ではあります。戦闘にはつかえる気がしませんけどね」


「雨の日でも洗濯物の心配しなくていいじゃない!」


それはそう、なんだけど…… まあ、便利なだけではなくて。


「これ使うと、吸った水分は胃にたまるみたいで。コップ一杯分ならいいんですけど」


「……生乾きの水分を胃にいれるの、物凄く嫌ね!」


それはそうなんだよね。水をこぼした時にしかつかえないかもしれない。微妙だ……

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