38話、次の依頼


「レッサースライムを三百匹、連れてきなさい!」


「かしこまりました!」


いつものごとく、聖女様からの依頼を受ける。

しかし、レッサースライムは小さいとはいえ、三百……いや、全部で五百匹も、どうしてるんだろう。

うっすらとわかってはいるが、うん。まあ気にしないでおこう。





レッサースライムのテイムということは、ロスを連れていくべきだということ。

ヴァルさんを連れ一度家に戻り、自分の準備と、ロスの準備をする。

かわいい服に、かわいいお帽子。準備は万端だ。


「いけるかな?」


「いけます!」


よし、じゃあ、いつもの草原に出発だ。




いつも通り、王都を抜け、草原へ。

外ではちょっと浮いてみたりした。風に攫われるなんてこともなく、結構楽に移動できた。便利だなやっぱり。


「しかし、街では使えんな」


「そうなんですよねえ。悪霊と間違えられそうです」


「ごーすと、です?」


「そうそう、ゴーストとかレイスとか?」


「レイスはもっと大きいぞ」


「そうなんですね。じゃゴーストか」


ふよふよと浮きながら進む。魔力やらを消費するのかと思ったが、いまのところそんな気配はない。ずっと浮いていられそうだ。


いつもの草原に到着。……もうすでにレッサースライムが集まってきている。


「ツノウサギだけでなく、レッサースネークまで集まってきたのか。こいつらは小さいから戦闘しづらいんだ」


たしかに、振り下ろしきるか薙ぎ払うかしかなはそう。とはいえ、ヴァルさんは簡単に倒していっているが。


次から次へと魔物が寄ってくる。

渓谷に向かった時は、まわりに騎士がいたとはいえそんなに集まっては来なかったのだが……


「もしかすると、弱い魔物のほうが集まりやすいのかな」


「ありえるな」


そもそも草原に魔物が多すぎるっていうのもあるだろうけど。弱いけど多すぎ。もう百匹テイムしたんだけど!


「がんばれ、おねえさま」


「ありがとね。帰ったら甘いもの食べたいなあ」


「ほっとけーき!」


よし、帰ったらすぐにつくってもらおう。

のこりも早く終わらせるぞ。

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