26話、異変
メタルゲルスライムをテイムした翌日。
今日もノーマルスライムをテイムする。のこり七十匹だ。
昨日は十分で一匹くらいのペースだったので、今日明日くらいで百匹のテイムは終わるだろう。
森で数時間歩き回るのは大丈夫なのかと思ったけど、意外に大丈夫だった。足も痛くないし、体力も尽きていない。こっちの世界に来てから、体がとても好調だなあ。
朝ごはんを食べたくらいの時間に、ヴァルさんが家に迎えに来てくれた。昨日、はやめに出たいと言っておいたのだ。丁度いい時間に来てくれた。
「準備はいいのか?」
「ええ、いつでもいけますよ」
ロスと行ってらっしゃいのぎゅーをして、外へ。
人の通りが多い。みんな、仕事へ向かうのだろうか。
門前もちょっと混んでいるなあ。多くの冒険者たちが外へ向かっている。
「朝イチで依頼書が張り出されるからな。割りのいい依頼が欲しければ朝イチで取り合いをするしかないんだ」
そこから競走なんだなあ。冒険者も大変だ。
めちゃくちゃ急いでいるわけでもないので、すこしだけのんびりと門前の混雑の解消を待つ。
門番さんといつも通り挨拶を交わして、王都の外、森の方へ向かう。
「あれ、なんだか結構湿ってますね」
草がツヤツヤしてるし、地面がうっすらぬかるんでいる。
「昨日の深夜、ほんの短時間だが雨が降っていたのでな。王都のほうはすぐに乾いていたが、自然はさすがに湿り気が残っている。足元に気をつけるように」
ころんで泥だらけになりたくないからね、気をつけよう。
森に入ってからも気をつけないとなあ。
森に入る。
さて、ノーマルスライムを探そう。
探そう。
……探そう。
あれ?
「居なくないですか?」
「ふむ…… おかしいな。魔物一匹みつからない」
ノーマルスライムどころか、ツノウサギすらみつからない。
さすがに雨のせいではないだろうけど、なにか異変でも起こっているのかな。
「強い魔力を感じる。これのせいか……?」
ヴァルさんはなにかに気付いたようだが、私はなんのことやら。
ノーマルスライム、どこに隠れてるんだろうねえ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます