24話、次の仕事


「ノーマルスライムを百匹、連れてきなさい!」


「かしこまりました!」


休みを挟んで、今日もまたおしごとの日だ。

今日の依頼はノーマルスライム百匹。

ノーマルスライムは抱えるくらいのサイズなので、今回はさすがに数日にわけて連れてくる事になるだろう。


今回も、護衛としてヴァルさんが付く。

いつも通り準備して、いつも通り外へ。

草原を抜けて、森へ入る。ちなみに今日はロスはお留守番だ。


「ノーマルスライム以外は私が処理する。あまり離れないように」


「わかりました。頼りにしてます!」


たまに出るツノウサギやカマイタチなどはヴァルさんにまかせ、私はスライムに集中する。


前回より、ノーマルスライムを見つけるのが上手くなった気がする。

大きな切り株の横、岩の横、窪みの中。遮蔽になっているところにノーマルスライムはいる。


「順調だな」


「ですねえ。スライムってやっぱり沢山いるんですね」


「レッサーとノーマルは、本当に多い。属性付きなんかは、まだ常識的な数なのだが」


ファイアスライムとか、アーススライムとか。そういうのは、魔力の多い土地に湧くそうだ。魔力の多い土地は危険なので、王都近くにはほぼ無い。

そういえば、能力コピーとかいうスキルも持っていたよね。レッサースライムとノーマルスライムでは能力コピーが発動出来なかったんだけど、属性付きならもしかすると……


「アマツカ殿、ちょっとこちらに」


考え事でぼーっとしていると、ヴァルさんに手招きされた。

なんだろう。声を抑えていたから、一応こっそりと向かう。


「あれをみてくれ」


ヴァルさんが指指した方をみる。

……あれは、魔物の死骸?

それと……もにょもにょしてるなにか。


「す、スライム?」


「そう、あれは…… メタルゲルスライム。ものすごく珍しいスライムだ。もうこちらに気付いているから、これ以上近づくと逃げるだろう。……テイムできるか?」


テイム、この距離で…… できるかな。

よし、やってみよう。やるしかない。


「て、テイム! ……できた! やった!」


「おお、よかった。メタルスライムより珍しいぞ、メタルゲルスライムは」


ふふ、嬉しい。

これも聖女様に自慢しちゃお。

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