23話、スライムオタク
「あ、あのですね、イグニス様……」
「なんだい?」
「私、スライムのテイムはできますが…… スライムに詳しいわけでも、特別好きなわけでもなくてですね……」
言っちゃった。
これは私も経験あるけど、相手が自分の好きな物に興味を持っていると思ってテンション上げて話しかけた後に、相手からそれはそんなに……って言われた時はめちゃくちゃしょんぼりする。でもなあなあで話を聞かれても後で盛り上がってなかったのを思い出すともっとしょんぼりする。どちらかというとすぐ言う方がマシ……なはず。
「あ…… そうなのか。すまない、早とちりのようだ……」
あ、ああ…… ほら、しょんぼり。イケメンがしょんぼりしてる。かわいそうに……
「で、でも、興味はあるんですよ。なにせテイマーですからね、スライムの事、詳しく知っておくべきだと思いませんか?」
「そ…… それはそうだね! 相手を知り己を知れば百戦危うからず、昔の聖女様の教えにもあるからね!」
「というわけでですね、至らぬ私に、よければ是非ともお話を聞かせていただきたく……!」
「ふふ、いいよ、いくらでも話そうではないか!」
よ、よかった。王族をしょんぼりさせた罪は払拭された。はず。
ものすごく長い時間、話を聞いていた気がする。
スライムの生態、生息地、強さ、食べるもの、スライムを食べる魔物、レアなスライム、それに出会う方法、いろいろとおはなしされた。
なかなか勉強になったが…… 落ち着いていて早口では無いとはいえ、熱量のある語りは体力がもっていかれるなあ。
「もうこんな時間か…… まだまだ話したかったが、私も執務の時間だ。長く引き止めてすまないね。また会えたら、沢山話そう」
「ええ、ありがとうございました! またいずれお会いいたしましょうね」
数時間でとても仲良くなれたような気がする。身分が高すぎるからどうかとは思うが、話しやすくて楽しかった。また会いたいな。
さておき、スライムの事についてはそこそこ学べた。
今日はもう帰って、いろいろ済ませて明日に備えよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます