17話、次の仕事


「レッサースライムを百匹以上、とれるだけとってきなさい!」


「かしこまりました!」


今回の依頼は、初回の十倍は大変な依頼だ。なんせ十だったのが百なのだから。

とはいえ、前回レッサースライムをテイムしたときは、十二匹をテイムするのに半時間もかからなかった。

ちなみに私のペットにした分の二匹は、綺麗な水で土と泥を抜いた後、お風呂と厨房で飼われている。

厨房では、肥料にもまわせないような端材の処理係を。風呂では、水垢や抜けた毛などの処理係をしてくれている。

本当になんでも食べるのでありがたい。




というわけで、王都の外へ向かう。

今回もヴァルさんを護衛に、そして道中で家によってロスも連れていく。

ロスは今日は着いて来たがってたからね。城には入れられないけど、外なら連れていける。


「おねえさま、いっしょ、うれしい」


「私もロスと一緒なのうれしいよ」


「う、これが尊いというやつか」


ヴァルは悶えてる。萌えを知ったか。


王都から外へ出る扉は三つある。

正門、西門、東門だ。正門は王城から真っ直ぐの道の先、一番混んでる門だ。外からの人はここからしかはいれない。

私たちが今いるのは東門。ここは住民と冒険者専用の門だ。門番に証明書を見せないと通行できない。


「今日もご苦労さん」


「ああ、ありがとう」


ヴァルはどこにいっても誰かに挨拶をされる。

顔が広く、慕われている騎士様だ。


「ロス、あまり離れないようにね。なにかあったらヴァルさんに従って」


「ヴァルにいさま」


「命にかえてもお守り致します」


気合い入ってんなオイ。私の妹だってことは忘れるなよ??

ま、ヴァルさんがいれば安心だ。


前回と同じく、草原でレッサースライムを探す。

この辺りの草は低いものがほとんどで、視界はいい。レッサースライムは小さいが、見つけやすいほうだ。


「さっそく一匹。じゃなくて三匹か。順調ね」


「こっちにもいるぞ」


おお、前回より順調に集まりそう。

一日で集めろとは言われていないが、仕事は早いなら早い方がいい。沢山みつかると助かるな。


「ん、こっちにも…… おい、おかしいぞ」


「どうしたんですか?」


ヴァルが怪訝な顔をしている。

なんだろう。


「多すぎる。レッサースライムだから問題はないが…… 付近のレッサースライムがここに集まってきているようだ。 ……まさか、ロス」


ロスがなにか…… あ、もしかして?

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