16話、休日


ロスを拾った翌日、今日は休みの日だ。

一日働いて一日休み。とても素晴らしい労働環境だ。いや、にしても給料は多すぎるんだけど。

昨日のノーマルスライム十匹の報酬も、金貨一枚だった。

実労働時間を考えると…… 時給何十万とか。やばい。闇バイトだ。


今日は、ロスの分の服やら生活雑貨を買いに行く。ラピスがついてきてくれる。


「ひとまず、服を揃えましょう。角を隠せる帽子と、腰の羽を隠せる服。あとは……」


「あかるい、だめ、です」


「じゃ、日傘もかな?」


「かしこまりました」


日光ダメだったんだ。昨日はそれも込みで倒れてたのかな。あ、サングラスとかもないのかな。見てみよう。


「じゃ、いこうか」


「二人とも、逸れず着いてきてくださいね」


「ロス、手繋ごうか」


「はい、おねえさま」


ふふ、可愛い妹ができたみたい。




可愛い服を、新品で一着、中古で三着買った。

帽子を二個、靴を一足、日傘をひとつも買った。サングラスは無かった。いっぱい買ったな。悔いはない。


「めちゃくちゃ似合ってる! かわいい!」


「お似合いでございます」


「ふふん……」


ドヤ顔した? ドヤ顔した! 可愛すぎる。


可愛い服は試着のまま着てもらい、可愛いが爆発したまま帰路へ。

道行く人が振り向く可愛さだ。私の妹だ、羨ましいだろう。




家についた。部屋は余ってるがまだ片付け切れていないので、ひとまず私と同じ部屋にいる。


「どうかな、やっていけそう?」


月並みな質問だけど……


「おねえさま、やさしい。すき」


はい好きいただきました! よかった、怖がられたりとかしてないかと不安で……


「そだ、晩御飯はなにがいい? ロスが来てくれた記念で、リクエストしちゃおう」


ドさんもロスにメロメロだったからね。


「おにく! たべたい、です!」


「お、じゃあステーキにしようかな」


「すてーき!」


今夜はすてーき確定だ。さっそく、ドさんに言ってこよう。

部屋を出て、階下へ。


「ドさん、ロスからリクエストです!」


「おお、おお。ロスや、言ってみろ。俺がなんでもつくってやろう」


「おじさま、ロス、すてーきたべたい、です」


「ステーキだな! よし、今から下ごしらえをはじめよう! 夜は楽しみにしておくんだな!」


お、めちゃくちゃ張り切ってる…… まあ、うん、晩御飯が楽しみだなあ。

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