4話、料理人


「ここからは、私、ラズリがご案内させていただきます!」


二人目のメイドさん、ラズリ。

姉妹かな? すごく似てる。身長もほぼ同じ。

けど、ラズリのほうが胸が大きい。はちきれそう。


「こちらが食堂になります! アマツカ様のお食事のタイミングとずらして、我々メイドと料理人もこちらで食事をさせていただきます、そちらはご了承ください!」


どうせならみんなで食べたいな。


「みんなで一緒に食べたりとかできないかな」


「アマツカ様が宜しければ、そうさせていただきます! そのほうが休憩時間長く取れて嬉しいんですよね〜!」


うーん、かわいい。やっぱりメイドはいいなぁ。

かわいいメイドさんが二人。こっちの世界に来れて良かったかも。


「こちらが調理場でございます! 一応女人禁制、とは言ってますが、私もたまにお菓子作りにつかっております!」


キッチンは、これまためっちゃ綺麗だった。

清潔すぎるくらい清潔。足を踏み入れるのが怖くなるほどに。


「こちらがこの館の料理人、ドさんです!」


ラズリの紹介で、男の人が一歩前に出る。

背は低め、だが筋肉がすごい。


「ドワーフのド・ガンだ。調理場を担当している。よろしくな、嬢ちゃん」


「あ、よろしくお願いします」


「さっそくだが、そろそろ完成する。席についておくといい。ラズリ、ラピスも呼んでこい。みんなで食うんだろ?」


「了解です!」




料理が並べられる。

あまり重くないものが多い。

魚料理に、ちいさなピザのような料理。

さすがに、米とか醤油系のものはないのだろうか。前世ではお米はあんまり好きじゃなかったけど、もう食べられないかもと思うと無性に恋しくなるなあ。


「召し上がれ」


ドさんも席につき、みんなで食べ始める。

私はいただきますをしてから、まずはちいさなピザを食べてみる。


「美味しい……」


「ですよね! 私、これすきなんです!」


「仕込みが面倒だが、調理は簡単だからな。その日の昼までに食べたいと言ってくれれば、夜には出せる」


「私はこちらの揚げ物のほうが好みですね」


魚の揚げ物も食べてみる。


「わ、ほくほく…… すごい美味しい。全然パサついてない」


「俺がつくったんだ、当たり前だろう」


さすが料理人。こんなにいい思いして、ほんとにいいのかなぁ。




ご飯も食べ、部屋で寛いでいる。

こんな家に住まわせてもらえて、本当に聖女様様だなあ。


と、ゴロゴロしていると、ラピスが部屋にやってきた。


「失礼します。王城より、伝言でございます」


「あ、はいっ」


「『明日、朝、城に来るように』とのことです」


お、さっそくお仕事かな。

そうとなれば、今日は早く寝ちゃおう。おやすみなさい。

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