3話、お風呂場


「こちらが、アマツカ様の私室となります」


「わあ……」


広い。本棚、テーブル、椅子、ソファ、ベッド、色々置かれているが、まだまだ余裕がある。

広いお部屋、欲しかったんだよね。憧れてた。


「一日一度、我々が入り、掃除をさせていただきます。掃除が必要無い場合は、扉にこの札を貼っていただければ、侵入いたしません」


壊れやすいものとか出してるときは、札を貼っておけばいいのか。


「では、お荷物の整理が終わりましたら…… ああ、お荷物、お持ちではなかったですね」


そう、こっちに転移した時になにか持ってきたのかと思ったんだけどね。

転移じゃなくて転生? だから、スマホも傘もなにも持ってない。

服だけは何故かこの世界基準でそこそこいい物を着させて貰ってたんだけど。


「では、いかが致しましょうか。すぐにお風呂場にご案内いたしましょうか?」


「あ、お願いします!」


おふろ、はいりたい。

お風呂も広かったらいいなあ。足が伸ばせるくらい!





「こちらがお風呂場でございます。湯を貯めるのに時間がかかりますので、お早めに入浴なさりたい場合は事前にメイドにお知らせください」


広い。

湯船は、十人くらい入れそうな広さ。風呂場というか銭湯?

脱衣所も広かったし、体洗うところも……


「では、お身体清めさせていただきますね」


わっ!

ラピスに椅子に座らされ、頭からお湯をかけられる。熱くはない。はあ、いい湯。

髪を梳かれ、シャンプーのようなもので洗われる。

気持ちいい。頭洗うの上手すぎる。

シャンプーを流して、水気を軽くきってから、次はリンスのようなものを…… そんなのもちゃんとあるんだ。この世界、街並みはいわゆる中世ヨーロッパ風だったけど、色んなところが私の居た現代っぽい。


「では、次はお体を」


「か、体は! 自分で、洗います」


「左様でございますか。では、控えておりますので、何かあればすぐにお声掛けください」


女性とはいえ、体を洗わせるわけにはいかない。

いや、そもそも頭も自分で洗えば良かったか? 頭くらいならいいやと思ってしまったけど。


大丈夫、なにもバレてない。ドキドキも、興奮も、なにもバレてない……はず!

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