2話、私のおうち


「聖女である私の、大切な専属テイマーなんだからね? 丁重に扱いなさい!」


「は、ではテイマー殿、あなたには王都に家を用意します。そこで、聖女様からの指示をお待ちください。家の管理は、聖女様の予算から出させていただきます。生活費は、一先ずは当面の分を渡しますが、それ以上は、聖女様との取引にて用立ててください」


お、おお!

仕事だけでなく、住むところも手に入った。聖女様万歳。


というわけで、住居に案内してもらう。

私は城から近くも遠くもないくらいの距離にある、私の主観では大きな、周りの家と比較すると小さな家をいただくこととなったようだ。

ちなみに聖女様は王城に住むという。大変そう。


「家にはメイドを二人、料理人を一人つけております。門番は、王国騎士団の任期を全うした優秀な者が勤めます。聖女様からの遣いには女性を遣わせます。なにか、ご質問は?」


ここまで案内してくれたおじさんが説明してくれる。

メイドに、料理人。門番までついた家…… もしかすると、ていうか絶対、聖女予算ってとんでもない額なのでは。

これは聖女様からの給料も期待できるな……!


「では、私はここまでで。家の中の事は、住み込みのメイドに聞いてください。では」


おじさん帰っちゃった。

仕方ないので、家に入る。

門番さんにお辞儀して、門をあけてもらい、玄関まで歩く。

……ノックしたらいいのか。

コンコン、と。

すぐに、メイドさんが一人出てきてくれた。


「テイマーの、アマツカ様でございますね? お待ちしておりました」


もうすでに話は通ってるみたい。早いなあ。


「アマツカ・マオです。今日からここに住むことになりました。よろしくお願いします」


「私はこの館のメイドを任されております、ラピスと申します。本日はお疲れでございましょうから、まずはアマツカ様の自室への案内、その後、お風呂場で体を清めさせてもらい、それからお食事に致しましょう。よろしいですか?」


お、お風呂! お風呂あるんだ。嬉しい……


「うん、それでお願いします」


「では、ご案内いたします」


ラピスに着いていき、館へと足を踏み入れる。

玄関で靴を脱ぐ。これもありがたいな……

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