第16話 地獄では?
次の日の夜
「ルナの最低目標は無属性魔法を俺と同レベル近くまで引き上げること。そして、最低限自衛ができる強さを持つことになる。死ぬほどきついが、頑張れよ。」
「分かりました。それで、何をするんですか?」
「俺との組手と柔軟トレーニング、最後に魔力放出だ。」
「意外に普通ですね。」
「いや、組手は最低でも30分はノンストップでやるし、疲れてもテミスのヒールで回復させられる。そして、柔軟は体を限界まで伸ばすため、くそ痛い。これも、疲れてやめようとしたら、テミスのヒールをじわじわかけ続けるため30分ほどやり続けるぞ。ラストは簡単だ。魔力を知覚し、外に放出するだけだ。そうすることで、魔力が増える。ある程度、増えると無属性魔法を使える時間が伸びる。これから魔力放出を毎日して気絶することとなると思う。」
「それって、私にとってかなりきつくないですか?」
「きついだろう。」
「もう少し、軽めにしてもらっても?」
「だめだ。2年前の俺よりかは、はるかに易しいからな。」
「ちなみに、どんな生活をしてたんですか?」
「森の中で一人。その時の俺はルナと大して変わらんレベルだった。そんな中、怪我をしても、テミスのヒールがなかったからそのままだったし、魔力放出して気絶するときはビクビクしながらだった。飯も自分で調達してたな。」
「.....................分かりました。練習内容は変えなくていいです。ちなみに、テミスって誰ですか?」
「俺だな。」
「あなたの名前はエルでは?」
「そうだが、正確に言うと俺の中の別の人格の名前だな。」
「.........うん?別の人格があるんですか?」きょとん
「あるな。4つあるな。」
「.....................もういいです。ちなみに、なんて呼べばいいですか?」
「そうだな、呼びたい名で呼べばいい。」
「それでは、エル様とお呼びしますね」ニコ
「さて、始めるぞ。俺からは攻撃しないからどんどんその木剣で打ち込んで来い。」
「エル様の分はないんですか?」
「必要がないからだ。」
「怪我をしても知りませんからね。」
「安心しろ。かすり傷一つもつけられん。」
「もう‼それでは行きます!」
やはり、スローモーションに見えるほど遅いと感じる。
「えい!やあ!とう!」
「次への動作が遅いな。」
30分後...
「はぁ、はぁ、かすり傷、一つ、つけられなかったです。」
「達人と素人のレベルで差があるんだから、絶対にできねえよ。」
「柔軟へいくぞ。」
「待って、ください。」
「そんなんだと、日が昇るぞ。動くことはそんなにないからほら、やるぞ。」
「分かりました。いた、痛いです。」
「頑張れ」
「いたたたた。」
30分後...
「魔力放出して終わりだ。」
「はい。...............うっ」
ルナが倒れそうなところを支える。
さてと、俺も日課をやりますか。
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