第13話
「では、子供たちの様子を見たいのだけど、会わせてくれる?」
私はパンっと手を叩き、話題を変える。
「はい。もちろんでございます。今からちょうど昼ごはんの時間です。もしよろしければ子供達と一緒にどうですか?」
「そうね、丁度いいわ。一緒にご飯を食べると、子供達とも早く打ち解けられるものね。」
私は、にっこり笑った。
院長は声こそ上げなかったが、大きく目を開いて驚いた後、にっこり笑顔を返し一言添えた。
「王女様は変わられましたね。」
そうでしょそうでしょ~!私の血と汗と涙の特訓の成果よぉ~。
私は自分の努力に手応えを感じた。
「皆さん、今日は素敵なお客様が来てくれています!ヴィオレッタ王女様とテオンハルト王子様です。」
院長が子供達に私達を紹介する。
「こんにちはー!」
子供達は目を眩しいくらいに輝かせ、元気よく笑顔で挨拶をしてくれた。
ここにいる子供達は、一番下が二歳で一番上が十四歳。十五歳で成人となるこの国では、子供達は十五歳になると孤児院から出て行き、自分の力で生活をしないといけない。
表情を見るに、ここでの生活は快適そうだった。どの子供も肌艶もいいし明るく生き生きとしている。
若いっていいわね~。穢れがないわ。澄んだ瞳を前に前世の自分が一生懸命働いて、世の中にもまれてきた大人だとしみじみ実感する。
「こんにちは。今日は皆さんと会えて嬉しいわ。一緒に沢山話して遊んで、日頃皆がここでどのように過ごしているのか、教えて欲しいと思うの。仲良くしてくれると嬉しいわ。」
いざ!特訓の成果を見せる時!
私はここぞとばかりに、ニコッと子供達に笑顔を見せる。
子供達はキャっと顔を綻ばせながらも、どこか憧憬に似た熱いまなざしを私に向けてくれた。
ふっふっふっ決まったわねぇ~。勝負ありよぉ~。私は内心ほくそ笑んだ。
「初めまして、皆さんと会えて嬉しいです。今日はよろしくお願いします。」
次にテオちゃんが無難に挨拶をした。
年頃の女の子達が頬を染めてテオちゃんを見ている。
無自覚に女の子達を虜にするなんて、恐ろしい子ねぇ~。さすがテオちゃんよぉ~。
私とテオちゃんは挨拶を終わらし、それぞれ準備された席に座る。
ずっと私達の後ろで控えてくれていた、フィーとジュリアもそれぞれの席に座った。
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