第14話

フィーは自分の席に着くと、隣に座っている女の子に微笑む。微笑まれた女の子は顔を真っ赤にしてフィーをじっと見つめていた。

ジュリアはと言うと、最初緊張した面持ちで座っていたが、前の席に座っていた小さな女の子が、抱えているクマのぬいぐるみの腕を振りながらジュリアに声をかけた。ジュリアもそれに笑顔で答えていた。


「いただきます。」

「「いただきます!」」

院長の挨拶で私達は一斉に食べ始めた。

今日のお昼ご飯はカレーだった。

子供達が食べやすいように甘口で野菜もしっかり煮込んでいておいしかった。お肉もケチケチせず、きちんと入っていた。


やっぱり成長にお肉はかかせないわよね~。良かったわ。きちんと入っていて。私は食事の質に安堵する。


子供達は大きく口をあけ、勢いよくカレーを頬張っていく。

カレーを口にすると皆の顔に笑顔が広がっていった。

和気あいあいと食べている雰囲気を見るに、子供達の仲も皆良さそうだった。

大きないがみ合いもない明るい孤児院で良かったと思う。


私は目の前に座っているテオちゃんくらいの男の子に話しかける。

「ここのご飯はおいしい?沢山食べれてる?」

「うん!いっつもおいしいよ!でも、ピーマンはおいしくないから好きじゃない。」

「そうなの?あなたはピーマンが嫌いなのね。」

「だって苦いもん!」

「アルはお子ちゃまだもんね!」

私の隣に座っている男の子と同じくらいの年の女の子が、私が話しかけた男の子をからかった。

「ぼく、子供じゃないもん!」

「子供よ!だっていつまでたっても食べられないじゃない!私はもう食べられるようになったわ!」

女の子はドヤっとした表情をし、得意げに言った。


ふふ、ませた子ね~。どこの世界もやっぱりいるのね~。微笑ましいわぁ~。私の目には、このませた子もまた子供らしく見え愛らしかった。


私が最初に話しかけた、アルと呼ばれた男の子はぷうっと頬を膨らませて拗ねてみせ

る。


あら、可愛いわね~。そのほっぺをプッて押してあげたいわぁ~。

子供達の可愛らしいやりとりに私は完全に癒されていた。


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