instant karma

第20話 芦ノ牧温泉の夜

　4月2日

　避難訓練の約束に「戻らない」を追加（標語は「押さない、駆けない、喋らない、戻らない」で「おかしも」となる）。

　三和銀行と東海銀行、東洋信託銀行の3行が経営統合して金融持株会社UFJホールディングスが発足。

　会津は江戸時代には会津藩の城下町として盛え、現在でも鶴ヶ城や白虎隊など、歴史上の事物が観光資源として有名である。その他にもこづゆなどの文化的な特色、赤べこなどに代表される伝統工芸などにより、数多くの観光客を集める。

　会津若松市の在る会津盆地は、盆地床が「あいづだいら (会津平)」とも呼ばれ、他に喜多方や坂下などがある。また、会津盆地から北の飯豊山地を越えると山形県の米沢（米沢盆地）、東は猪苗代を経て奥羽山脈を越えると中通り地方の郡山 (郡山盆地)、西には野沢などを経て越後山脈を越えると新潟県下越地方の新潟市（越後平野）が位置しており、各地とは磐越自動車道や国道、JR磐越西線などによって結ばれ、観光を通じてそれぞれの都市との交流も活発である。会津盆地の南には会津高原と呼ばれる山間地が広がっており、尾瀬などの観光地が点在している。市域の西側を阿賀川が流れているほか、市の東側は猪苗代湖に面している。内陸であるが奥羽山脈以西に位置しているため、水系も日本海側であり、冬には豪雪地となる。

　会津若松市は、福島県西部一帯を占める会津地方の中心都市で、市街地は会津盆地の南東部に位置する。市域全体では、市街地の南に広がる広大な山地も市域に含まれ、最南端は芦ノ牧温泉などのある大戸岳周辺まで市域に収める。東側は猪苗代湖の約3割が市域に含まれ、猪苗代町や郡山市と接する。北、西は喜多方市など、会津盆地内の市町村と隣接する。

　東西に国道49号、磐越自動車道、JR磐越西線が通っており、南北も国道121号などの道路、会津鉄道会津線などによって周辺地域と結ばれている。これらの会津地方の東西を結ぶ道路と南北を結ぶ道路は会津若松市で交差しており、鉄道でもJR磐越西線、只見線、会津鉄道会津線が集まる会津地方の交通の要衝になっている。

　市域の北部、西部、中心部周辺は会津盆地の南東部にあたり、市街地、商業地、住宅地などのほか、水田が広がる。また、市の南部から北部に阿賀川が流れており、市域東部、南部からは湯川、溷川（不動川）、古川などが流れる。市の東部は猪苗代湖に面しているほか、市の南部には山地が広がる。

　鶴ヶ城での激しい戦闘を終えた明智真一と瑠衣は、会津の山奥にある芦ノ牧温泉へと向かった。二人は疲労困憊しており、次の行動を計画する前に少しの休息が必要だった。

　温泉宿に到着した二人は、伝統的な和風の部屋に案内された。障子越しに見る庭の景色は、美しく手入れされており、心地よい静けさが広がっていた。真一は窓辺に立ち、深呼吸をした。

「ここで少しの間、休めるといいな」

　真一は微笑みながら瑠衣に言った。

「そうね、少しリラックスしましょう」

　瑠衣は浴衣に着替え、温泉に向かう準備をした。

　温泉の湯気が立ち込める中、二人は肩まで湯に浸かり、心身ともに癒されていくのを感じた。湯の温かさが疲れた体に心地よく染み渡る。

「ここまで来るのに、色々なことがあったね」

　瑠衣は湯に浮かびながら言った。

「そうだな。でも、これからももっと困難な道が待っているだろう」

　真一は目を閉じ、静かに答えた。

「でも、二人なら乗り越えられる。私はそう信じているよ」

　瑠衣は真一の手を取り、力強く握りしめた。

　温泉から上がった二人は、部屋で次の行動を計画し始めた。真一は鶴ヶ城で得た情報を整理し、今後の手がかりを探る。

「宇津木の口座を抑えるには、もっと具体的な情報が必要だな」

　真一は地図を広げながら言った。

「それと、ルフトハンザの動きも調べる必要があるわね」

　瑠衣は資料を見ながら答えた。

「そうだ。明日、ここを出たら直ぐに動き出そう」　　真一は決意を新たにし、次の計画を練った。

　その夜、二人は芦ノ牧温泉の夜景を楽しんだ。星空の下、温泉街の灯りが美しく輝き、二人の心を癒していた。

「ここに来てよかった。本当に」

　瑠衣は真一に寄り添いながらつぶやいた。

「そうだな。たまにはこういう時間も必要だ」

　真一は微笑み、瑠衣の肩を抱き寄せた。

　翌朝、二人は再び戦いの地へと向かう決意を胸に、芦ノ牧温泉を後にした。彼らの旅はまだ続く。新たな冒険と危険が待ち受けているのだ。

「行こう、瑠衣。次の手がかりを掴むために」　　　　真一は力強く前を見据えた。

「うん、一緒に行こう」

　瑠衣も同じく前を見据え、二人の影は再び新たな戦いの地へと消えていった。