第19話 鶴ヶ城の謎

 明智真一と瑠衣は、会津の山中での敵を討つための準備を整え、夜明けと共に出発した。彼らの目的地は、歴史的な鶴ヶ城だった。鶴ヶ城は、長宗我部の残党が潜んでいるとされる場所の一つであり、重要な手がかりが隠されている可能性があった。


 鶴ヶ城への道中、真一と瑠衣は地元の村人から情報を集めた。その中で、『宇津木』という名の人物が重要な鍵を握っていることが分かった。宇津木は、長宗我部の財産を管理している銀行家であり、その銀行口座には莫大な財産が隠されているという噂だった。


「宇津木を見つけることが、次の手がかりになりそうだ」

 真一は地図を広げ、考え込んだ。

「鶴ヶ城のどこかに隠れている可能性が高いわね」 瑠衣は鶴ヶ城の絵葉書を見つめながら言った。

 鶴ヶ城に到着した二人は、城内を慎重に探索し始めた。突然、城の奥から銃声が響き渡った。敵のザコキャラたちが、ライフルを手に二人を襲撃してきたのだ。

「気を付けろ、瑠衣!」

 真一は銃を抜き、反撃を開始した。

「大丈夫、真一!」

 瑠衣も即座に身を低くし、応戦した。

 激しい銃撃戦の中で、二人は巧みに敵を倒しながら前進した。ついに、宇津木の潜む部屋へと辿り着いた。

 部屋の中には、ライフルを持った神保悟志じんぼさとし似の宇津木が待ち構えていた。真一と瑠衣は銃を向け合い、緊張感が高まった。

「宇津木、もう逃げられないぞ」

 真一は冷静に言った。

「君たちには関係ないことだ!長宗我部の財産は、我々のものだ!」

 宇津木は激しく叫んだ。

「その財産をどうするつもりだ?」

 瑠衣は鋭い視線で問い詰めた。

 宇津木は一瞬ためらったが、真一と瑠衣の強い決意に圧倒され、ついに観念した。

「分かった…全てを話そう」


 宇津木は、長宗我部の財産がルフトハンザの秘密銀行口座に隠されていることを明かした。その口座には、多額の財産が眠っており、それを利用して更なる陰謀を企てようとしていたのだ。

「これで、全てのピースが揃った」

 真一は手帳にメモを取りながら言った。

「でも、まだ終わりじゃない。これからどうするの?」

 瑠衣は不安げに尋ねた。

「まずは、この情報を警察に渡して対策を練る。その後で、ルフトハンザの銀行口座を抑えに行く」

 真一は決意を新たにした。


 鶴ヶ城での戦いを終えた二人は、会津を後にし、次の目的地へと向かった。彼らの旅はまだ続く。正義のために戦い抜くその決意は、どこまでも揺るぎないものだった。

「行こう、瑠衣。この先にも、まだ多くの闇が待っている」

 真一は瑠衣の手を握り、前を見据えた。

「うん、一緒に戦おう」

 瑠衣も力強く頷き、二人の影は再び新たな戦いの地へと消えていった。

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