第5話 新たなる敵: 木村美香と切り裂きジャック

 明智真一と千葉は、疫病神と死神を追い詰めたものの、彼らの仲間がまだ町に潜んでいることを知っていた。久喜駅で一息ついた彼らのもとに、一色から新たな情報がもたらされた。


「町に新たな脅威が現れたようだ」

 一色が言った。

「その名は木村美香。彼女はかつて無期刑を言い渡された犯罪者であり、タリウムを使った毒殺事件で知られている」

 皮膚、気道からも良く吸収される。毒性は、評価を行った機関により様々な数値が存在している。

 単体タリウム

ヒトの中毒量は、最小中毒量 5714 µg/kg(男性)    酢酸タリウム

 ヒト致死量は、最小致死量 12 mg/kg

 硫酸タリウム、酢酸タリウム及び硝酸タリウムは毒物及び劇物取締法で劇物に指定されている。

 単体は常温では銀白色の軟らかい金属として存在し、六方最密充填構造(αタリウム)が最安定であるが、約230 ℃以上では体心立方構造(βタリウム)が最安定となる。比重11.85、融点302.5 ℃、沸点1473 ℃。13族の元素であるがイオンは1価 (Tl+) が安定である。


 水と反応して強塩基の水酸化タリウムを作り、体内に入るとカリウムイオンと置き換わることで毒性を示すなど、化学的挙動は他の第13族元素よりもカリウムに近い。このため、金属タリウムは石油中で保管する必要がある。

「木村美香…」

 明智は考え込むように言った。

「彼女が疫病神と繋がりがあるのか?」

「それだけではない」

 一色は続けた。

「彼女の背後には、切り裂きジャックと呼ばれる恐ろしい存在がいると言われている。彼らは新たな計画を進めているらしい」

 千葉は眉をひそめた。「切り裂きジャック…伝説の連続殺人鬼が現代に蘇ったのか?」

「そうだ。そして、彼らは古の書店で手に入れた魔法の力を使おうとしている」

 一色は真剣な表情で言った。

「彼らを阻止しなければならない」


 明智たちは、木村美香の居場所を突き止めるために調査を始めた。手がかりを追って、彼らは鞍馬の山中にある古い寺院にたどり着いた。寺院の中には、奇怪な魔法陣が描かれ、周囲には薬品の匂いが漂っていた。

「ここで何かが行われている…」

 明智は警戒しながら言った。


 突然、暗闇からハマトラファッションの木村美香が現れた。白石まるみにどことなく似ていた。

 ハマトラは、1970年代後半から1980年代前半にかけて、横浜・元町界隈で流行したトラディショナル・スタイルのファッション。『横浜トラディショナル』を略して『ハマトラ』と呼ぶ。横浜・元町界隈に集う女子大生たちの独特のコーディネートを指し、主に女子学生やその年齢層の若い女性に好まれた。当時は『コンサバ』という言い方はしなかったが、コンサバティブ・ファッションの系譜に属する。

 彼女は冷たい笑みを浮かべ、「貴様らが私を追ってくるとは思わなかった」と囁いた。

「木村美香、ここで何を企んでいる?」

 千葉が鋭く問うた。

「私の計画は、貴様らの理解を超えている」

 木村は冷たく言い放った。

「だが、お前たちはここで終わりだ」

 その時、彼女の背後から切り裂きジャックが姿を現した。彼の手には鋭い刃が光っていた。

「さあ、お前たちの命はここまでだ」

 切り裂きジャックが不気味に笑った。


 明智たちは即座に身構えた。木村美香と切り裂きジャックの連携攻撃が始まり、彼らは必死に防戦した。戦いが激しさを増す中、突然、寺院の奥から光が差し込み、一人の男が現れた。彼は長いローブを纏い、手には魔法の杖を持っていた。

「この戦いを終わらせるために来た」

 男は静かに言った。

「誰だ、お前は?」

 木村美香が驚いた表情で尋ねた。

「私は魔法使い、鞍馬だ」

 男は静かに答えた。


 魔法使いはその力を振るい、木村美香と切り裂きジャックの攻撃を防ぎ、逆に彼らを追い詰めていった。明智たちはその間に体制を整え、再び戦いに加わった。

「ここで終わらせるぞ!」

 明智が叫び、全力で戦い続けた。

 

 魔法使いの力と明智たちの協力により、木村美香と切り裂きジャックはついに打ち倒された。彼らの企みは完全に阻止され、町に再び平和が戻った。

「これで一段落だ」

 千葉が息をつきながら言った。

「だが、まだ全てが終わったわけではない」

 魔法使いは静かに言った。

「闇の力は常にどこかで動いている。我々は常に警戒を怠らず、町の平和を守らねばならない」

 明智たちはその言葉に頷き、新たな脅威に立ち向かう覚悟を新たにした。彼らの冒険はまだ続く。


 今日で1980年も終わりだ。明智はコタツでぬくぬくしながら紅白歌合戦を見ていた。


 1980年代アイドルブームが到来し、松田聖子、田原俊彦、岩崎良美、河合奈保子、三原順子、柏原よしえらが相次いでデビューした。

 イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の欧米での人気がこの年日本にも飛び火。テクノポップブームが巻き起こる。


主な楽曲

ヒカシュー、P-MODEL、プラスチックスのテクノポップブームが巻き起こる。

もんた&ブラザーズ 『ダンシング・オールナイト』『赤いアンブレラ』

クリスタルキング 『大都会』『蜃気楼』

久保田早紀 『異邦人』

海援隊 『贈る言葉』

甲斐バンド 『ビューティフル・エネルギー』『漂泊者(アウトロー)』

長渕剛 『順子』

ロス・インディオス&シルビア 『別れても好きな人』

オフコース 『さよなら』『Yes-No』

シャネルズ 『ランナウェイ』『トゥナイト』

田原俊彦 『哀愁でいと』『ハッとして!Good』

松田聖子 『裸足の季節』『青い珊瑚礁』『風は秋色/Eighteen』

谷村新司 『昴』

竹内まりや 『不思議なピーチパイ』

ジューシィ・フルーツ 『ジェニーはご機嫌ななめ』

アリス 『秋止符』『それぞれの秋』『狂った果実』

五十嵐浩晃 『ペガサスの朝』

五輪真弓 『恋人よ』

八神純子 『パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜』『Mr.ブルー 〜私の地球〜』

さだまさし 『道化師のソネット』『防人の詩』

山口百恵 『さよならの向う側』『ロックンロール・ウィドウ』『謝肉祭』『一恵』

沢田研二 『TOKIO』『恋のバッド・チューニング』

財津和夫 『Wake Up』

八代亜紀 『雨の慕情』

小林幸子 『とまり木』『ふたりはひとり』

都はるみ 『大阪しぐれ』

石野真子 『春ラ!ラ!ラ!』『ハートで勝負』

渡辺真知子 『唇よ、熱く君を語れ』

RCサクセション 『雨上がりの夜空に』『スローバラード』

岩崎良美 『赤と黒』『涼風』『あなた色のマノン』

三原順子 『セクシー・ナイト』

多岐川裕美 『酸っぱい経験』

中村晃子 『恋の綱わたり』

斉藤哲夫 『いまのキミはピカピカに光って』

山下久美子『バスルームから愛をこめて』

南佳孝『モンロー・ウォーク』

松山千春 『恋』『人生の空から』

西城秀樹 『悲しき友情』『愛の園 (AI NO SONO)』『俺たちの時代』

高田みづえ 『私はピアノ』

美空ひばり 『おまえに惚れた』

北島三郎 『風雪ながれ旅』

サザンオールスターズ 『いなせなロコモーション』

庄野真代 『Hey Lady 優しくなれるかい』

山下達郎 『RIDE ON TIME』

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