第87話 いつもの暮らし

今ではモンスター進化の状況を把握するため、南側にも探索隊を派遣している。


新たに5部隊を作り、拠点より南側を探索してもらっている。


そのうち部隊を増やして、南の海を渡った先も探索する予定だ。


あと自衛隊で盗み聞きしたのだが、海に避難していた政府のお偉いさんとの連絡が取れなくなっているそうだ。

海のモンスターも進化していれば、魔法で沈められたのかもしれないな。


そんな所にいたのでは救援も出せないので仕方のないことである。


他には女性陣から頼まれた透視を阻むアクセサリーを開発中だったりする。


他のメンバーのスキル一覧に透視のスキルはないそうなので必要ないのでは?と言ったら、俺みたいのがいるかもしれないのに私達の裸を見られても良いの?と責められてしまった。


良くないので頑張って作成中だ。

どうすれば良いのかは全然思い付かないが。


それが解決できないと拠点周辺に人を呼ぶなど出来ないと言うので頑張ってみている。


呼ぶ候補として自衛隊の離脱組や女性のみグループなど、人格的に比較的まともなグループを考えていて、個人的に少し接触もしてみている。


主に彼ら彼女らに不足している食料を少しだけ支援している状況だ。


無償提供は今後、頼られ過ぎても困るので行わず離脱組からは野菜を、女性グループからは情報を対価としてもらっている。


どちらも特に必要ないのだが、あくまでも対等な取引としての体裁をとっている。


新鮮な肉などを提供しているため、どうやって用意しているのか聞かれるが、そこは謎の商人としてミステリアスを気取ってみている。


次元空間の牧場はモンスターの生命力の高さもあり、増える一方なので問題ない。

鶏も雄を連れてきてから増える一方だ。


いまだに牛乳の生産には至っていないのが残念なところだが、どうにか出来そうな案はあるので、その内実行しようと思う。


女性陣のレベル上げは、子供達以外は全員が20まで上がっている。

それ以降はやはり上がりづらく、ほとんど上がっていない状況だ。


レベル20越えのモンスターを相手にしないと、経験値的に厳しいのかもしれない。


もう少しモンスターが育ってきたら、皆のレベル上げを進めていこう。


この後は他のグループに食料の配達に向かうかな。

念のため皆に出掛けると声を掛けて、離脱組の拠点に転移した。


こちらに気が付いた見張りがすぐに駆け寄ってきた。


「高遠さん!良く来てくれました!

隊長が高遠さんが来たらすぐに通すようにと言っていたので、着いてきてもらっても良いですか?」


問題ないですよ、と伝え見張りの一人について建物に入っていく。


案内されたのは、応接室かな?ソファが置かれてゆっくりと話の出来る空間になっている。


少し待つと部屋に近付いてくる気配があるな。

隊長の到着のようだ。


ノックして入ってきたのは屈強な体格をした青年だ。

見た目はだがな。


こいつは恐ろしいことにレベルが25もある。

うちのメンバーのレベルが停滞している事を考えると、どれだけのモンスターを倒したのだろうか?化物の様なやつである。


ちなみにステータスはこんな感じだ。


名前 田中一郎

性別 男性

年齢 52

レベル 25

解放ツリー 支援樹・強化樹

スキルポイント 0

HP 1360/1360

MP 1250/1250

攻撃力 176+60%

耐久力 172+60%

俊敏性 192+60%

魔法力 170

精神力 193

魅力 65

スキル:銃術・身体強化・気配感知・危機感知・アイテムボックス・剛力・体術・動体視力強化・マップ・索敵・短刀術・防御膜


軽く挨拶を交わし、頼まれていた物資を取り出していく。


今回は牛と豚の肉をそれなりに用意してきた。

大きくなったモンスターからは大量の肉が取れるので、これはそれぞれ二体分ずつになる。


「ありがたい!これだけあれば、暫くは食っていけそうだ。

ありがとう!感謝する!」


この辺りにいるモンスターは犬や猫、他には狸やカラスなどあまり食べたくないものが多いらしく、肉の確保に苦労していたそうでとても喜ばれる。


代わりに畑で育てたのだと言う野菜を少しもらって、今回の取引は終了だな。


色々と聞きたそうな隊長をスルーして、帰り際に女性陣が作ってくれたクッキーを、遠巻きに見ていた子供達に渡しておいた。


前回もあげたので期待していたのだろう。

ありがとう!と、とても喜んでくれた。


次に女性だけのグループの拠点にやってくると、ちょうど襲撃を受けている最中の様だ。


20人程の男達が拠点に向けて攻撃をしていた。

邪魔なので数人を殴り飛ばすと、慌てて逃げ出したので放置だな。


中から様子を伺っていた女性が俺に気付き声を掛けてくれる。


「高遠さん!ありがとうございました。

最近しつこくちょっかい掛けられて困っていたんです。

助かりました!」


大変ですね、と答えて肉を持ってきたことを伝えると、中に通してくれる。


ここでは多くの女性が生活している部屋に通されて、少し居心地が悪い。

全員がこちらを見てくるので視線が痛いのだ。


リーダーの女性にさっさと肉を渡し、近隣の情報を教えてもらって帰ることにする。


やけに引きとどめられたが、用事があるので、と言って早急に退去する。


彼女らも別に男が嫌いなわけではないようで、身の危険を感じるので急いだわけだ。


うちの女性陣に俺の魅力はヤバいんだと、耳にタコが出来るほど言い聞かせられているのでそういうことなのだろう。


こんど時間があるときにね!

次は朝から来ようと思います!

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