第86話 モンスターの進化
二人で探索するようになってマップは大分埋まってきた。
本州は全て終わり、海を渡った先を残すだけだ。
マップ埋めが進むにつれて、生存者の確認も出来てきている。
大きな集まりは、やはり各地の自衛隊の基地となっていたが、それ以外にも各地に生存者のグループは多くあった。
自衛隊の避難所は以前の離脱者を出した所と同じく、どこも崩壊寸前って感じだった。
少ない自衛隊隊員が、多くの避難民の生活を支えきれなくなってきていた。
回収出来る物資は無くなり、生産しなくてはいけない現状になり、避難民が足枷となってしまっているのだ。
その後は、各基地毎に対応が変わってきていて、大きく分けると、避難民にステータス獲得を推奨するかしないかの二つに別れた。
その二つでも、上手くいった所といかなかった所に分ける事ができ、ステータス獲得を推奨して上手くいった所は、安全性がまし、モンスター肉の確保や、畑の拡張などと食料の確保も順調にいっている。
しかしステータス獲得を推奨して崩壊した所もある。
力を得た避難民の一部が欲望を暴走させる事が多くなり、それを自衛隊が抑えきれなくなってしまった所だ。
逆にステータス獲得を推奨しなかった所で上手くいっている?のは、自衛隊が力で避難民に労働を強いた所だな。
ここの避難民は生き残れてはいるが、ただの労働力として扱われている。
ステータス獲得を推奨せずに失敗したのは言うまでもなく、食料不足に陥っている最中だな。
避難民が耐えられず暴動を起こせば粛清され、人数も減ってしまっている。
その他にも警察署や病院に集まっていたり、ただの雑居ビルに集まっていたりと様々だが、なかなか面白い集団も見かけた。
女性だけで作られたグループで、近隣のグループを回って、希望する女性をどんどんと吸収していた。
吸収されるグループからは反対も勿論でるのだが、本人が希望すれば力業で連れ出していたな。
グループメンバーの内、20名がレベル10を越えており、集団で攻められたら抵抗できないようだ。
このグループは生活に関しても考えていて、拠点には畑も作り安定して暮らせていたな。
ただ女性だけではそこで終ってしまうのだが、将来をどう考えているのかは確認していないので分からない。
それ以外にも多くのグループが、各々の考えで生活をしているのだが、生存者よりもモンスターの変化が、今後の俺達の生活にも関わってくる問題になりそうだった。
レベル20を越えるとモンスターも魔法を使ったりと進化していくのだが、それが各地で頻繁に見られるようになってきた。
今のところは山奥から出てこないので良いのだが、いずれ縄張り争いに負けた個体などが山を追われて降りて来たりもするだろう。
そうなった時、人間の覚醒者がどこまで対応出来るだろうか?
うちみたいに防壁のある拠点なんて無いのだから、安心して眠る事も出来なくなるだろう。
また大きさも更に成長していて、ライオンの群れのボスなんかは象の様に大きくなっていた。
そんな大きさのライオンが、火を吹きながら襲ってきたら恐怖でしかないだろう。
他にも岩石を飛ばしてくる熊や、水を操る大蛇などゲームの世界のモンスターの様になってきている。
うちのきーちゃんとくーちゃんも大きくなり、羽を広げれば1mくらいあるかもしれない。
モンスターが現れだして、まだ一年も経っていないのに、ここまで成長してしまった。
このレベルのモンスターが、どんどんと増えてくると想定して、俺達も生活をしていかないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます