第78話 二人で探索
一晩中包まれていたので名残惜しいが、志帆と分離してダイニングに向かう。
朝食を済ませ今日の同行者の真理と打ち合わせをする。
沙季と同じ忍者衣装を作ってもらったので、楽しみにしてて!と楽しそうだな。
真理のスキル構成は確かに忍者だな。
ポイントもあるので投擲術を取ってもらえばレベル上げも楽になるな。
忍者デートが良いと言うので考えてみよう。
何?忍者デートって?忍ぶ者のデート?
隠れながら探索でもすれば、そんな感じになるのか?
二人で都内の様子でも調べに行こうかな。
俺も忍者衣装に着替えて真理の準備が終るのを待つ。
暫くすると着替えた真理がやってきた。
似合ってるね!と言うと嬉しそうにしている。
実際、美人な真理は何を着ても似合うのだが、忍者衣装も着こなすとは流石だな。
真理に忍者のオススメスキルを伝えると、少し考えて投擲術と身体操作を取ったそうだ。
他のもレベルが上がったら取っていくそうだ。
自衛隊離脱組の拠点から都内に向かって進んで行く。
近くに危険なグループとかいたら把握しておきたいからな。
歩きながら進んでいると、たまにモンスターが襲ってくる。
真理が新たに取った投擲術を試しながら倒していくが、投擲術強すぎだな。
モンスターも脳を破壊されると死ぬからな。
隠密で気付かれる前にクナイを投げれば、大抵は頭に突き刺さる。
もっとレベルの高いモンスターだと、もしかしたらクナイが刺さらなかったりするのかもしれないが、この辺のモンスターには問題なく刺さっている。
基本、真理にモンスターは任せているので、レベルも上がっているな。
スキルは動体視力向上を取ったそうで、動きにぎこちなさが無くなってきている。
二時間ほどモンスターを狩りながら進んできたが、周りのビルの中に生存者の反応があるな。
念のため二人にステルスをかけ直して様子を見に行ってみる。
あまりお近づきになりたくない感じの男が十人位いるだろうか?
どこそこのグループを襲おうだの、女のいるところが良いだのと話している。
話の内容からしても、かかわり合いたくない集団だな。
真理も嫌そうな顔をしている。
どうするかな?ほっとくと誰かが犠牲になるかもしれないが、直接敵対してもいない人間を殺すのか?
真理と念話で相談してみるが、決めかねているな。
取り敢えず外に出ようと伝えて、誰もいないビルの屋上で話し合ってみる。
真理もやはり悪さをしそうだからと、殺してしまうのは違う気がするけど…でも…と悩んでいる。
そうなんだよな。
ほっとけば誰かを襲うのはたぶん間違いない。
でも生きるために必要でもあるんだよな。
物資は限られているから奪い合わなくては生きていけない。
性欲だって、見方を変えれば生存本能でもあるわけで、こんな世界では綺麗事だけでは成り立たなくもある。
元の世界では完全な悪なのだが、今ではどうなのだろうか?俺も人様の物資を沢山頂戴して生きているからな。
本来なら窃盗だよな。
盗られた側からすれば、悪だと判断されても仕方のない事をしている。
そんな俺達があいつらを悪だと言って裁くのか?俺達に敵対して攻撃してきたのなら迷わず殺すだろう。
その覚悟は出来ている。
後で後悔するかもしれないが、今は無理だな。
真理と話し合い、もう少し進んでみることにする。
取り敢えず、あの集団は放置した。
その後も小規模なグループはいくつもあったが、程度の違いはあるが誰もが物資の奪い合いを行って生きているようだ。
いくら都内とはいえ、なま物は腐ってしまっているので、食べ物は残り少ないのだろう。
生き残りが多い分、消費されてしまった食料も多いのだろう。
残り少ない物資を奪い合うしか、入手出来ない段階になってしまっている。
モンスターすらレベル上げの為に取り合いになっているのだから凄い状況だと思う。
都内に入ってからは殆どモンスターを見かけていない。
レベル上げと、もしかしたら食料として狩られてしまっているみたいだな。
更に進むと皇居に到着した。
ここには結構な数の生存者がいるな。
政府のお偉いさんは海上に避難したと聞いたが、皇族はここに残っているのか?
あまり興味はないので、後で余裕があったら調べてみよう。
それより周りにある大使館にも、それなりの生存者がいるみたいだな。
海外の情報も知りたいので、少しお邪魔してみよう。
先ずは有名な所からだな。
侵入してみたが何を言ってるのか分からない。
当たり前だが日本語を話していないのだ。
困った時のスキル頼みで、言語理解を取得する。
分かる!分かるぞ!
喜んでいる場合ではないな。
情報収集しなくては。
都合の良いことに母国の現状を報告してくれているな。
不思議と簡単に知れた情報では、海外でも同じように動物の凶暴化が起こっており、どの国でも壊滅的な状況になっている様だな。
ひどい国では一切の連絡が取れなくなってしまっているとこもあるようだ。
アマゾンやサバンナがある国では、そこから溢れてくるモンスターに対処出来ずにかなりの犠牲者が出ていたそうだ。
今は連絡が取れないらしく、今後どうするかと話し合っていた。
どうするも何も、この国から出る事も出来ずにいるらしいが。
都内は一部しか見ていないが、ヤバい状況なのは確認できたな。
だが北部からの避難民は何処に行ったのだろうか?
数万とか数十万とかの人が避難してきていた筈だが?
もっと南に避難しているのだろうか?
見てないエリアの都内にいるのか?
綾子達のいた病院からの避難者も無事でいるのだろうか?
真っ当な考えの出来る良い人達だったので、無事でいてくれると良いのだが。
それなりに情報も集まったので、目についた一昔前の電波塔にて昼食をとることにした。
展望デッキには、誰も居なかったので二人でのんびりと弁当を食べる。
真理は料理を出来なくはないらしいが、自信があまりないらしく、料理組に弁当を作ってもらったそうだ。
手作り弁当を用意できなかったので、せめて食べさせてあげるね!と箸で一つずつ食べさせてくれる。
美人な真理に食べさせてもらう弁当はとても美味しくて、幸せな時間を過ごさせてもらった。
食事が終り、二人で寄り添って休んでいると
「外でするの興奮するんでしょ?
外から見えなくしてくれるなら…
良いよ?」
マジですか?俺の性癖が暴露されている件は置いておくとして、そんなお誘いを断る事などある筈もなく、ステルスを二人に掛けてじっくりと楽しませて頂きました!
忍者な真理はとても綺麗で可愛かったです!
二人で楽しんだ後は、電波塔のお土産屋さんで色々と回収してから拠点に戻ってきた。
夕食を食べながら、真理と二人で報告をして、二人で結論を出せなかった事を皆にも相談してみる。
過激な意見もあれば、寛容な意見もあったが、最終的には関わらないのが一番との意見で落ち着いた。
関わりが出来てしまった時には状況も変わっているだろうから、その時に考えようというナイスなアイデアだな。
その後は皆とまったりと過ごし、今は真理と二人でベッドに横になっている。
デートってやっぱり大切だよね。
一日一緒に行動しただけで真理の事が一段と愛おしくなっている。
真理も同じ気持ちなのか、お互いに想いを相手に伝えるため激しく求め合いました!
こんな激しい夜も大変良かったです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます