第51話 お出かけ
目が覚める。
両隣には穂香と彩香が眠っている。
変な事はしていないぞ?一緒に寝ただけだ。
昨日、一人で眠ろうとした時に、二人が部屋にやってきた。
「和美お姉ちゃんが、今日ならお兄ちゃんと一緒に寝れるって…一緒に寝てもいい?」
子供達と一緒に寝たことはなかったな。
やっぱり寂しいのだろう。
「大丈夫だよ。
今日は一緒に寝よう」
「やった!」
子供達と普段の生活や、やってみたい事などを話しながら眠りについた。
そんな感じで昨日は眠り、今の状況だ。
二人とも我儘も言わず、毎日を過ごしているが、我慢させ過ぎだよな。
たまには子供らしく、我儘も聞いてあげたいな。
よし!今日は一日、子供達と遊ぶ事にしよう。
子供達を起こして言う。
「今日は俺と、外に遊びに行こう!」
寝起きでキョトンとしていたが、言ってる事を理解したのか
「おそと、いく!」
「遊びに?行きたいです!」
二人とも元気に応じてくれた。
何処に行くの?や、なにするの?など聞いてくる二人を宥めながら、食堂に移動する。
食堂に入ると、朝食を終えた女性達がくつろいでいる。
俺達に気付き、おはようと挨拶をしてくれる。
俺達も挨拶を返し、テーブルに座る。
由香里が子供達に、なに食べたい?と聞いてくれている。
用意してくれる様だ。
彩香が「ジャムのパン!」と答えている。
穂香が「私が取って来ます」と言っているが、由香里が大丈夫よ、と笑顔で言って食堂を出ていった。
由香里が持って来てくれたパンを、子供達が美味しそうに食べている。
パンは女性陣が作った自家製だ。
ホームベーカリーで簡単に出来るらしい。
俺も由香里に勧められて、一緒にご馳走になっている。
美味しいな。
今度、俺も作ってアイテムボックスに保存しておこう。
皆が集まって、それぞれが今日はなにする?と話し出す。
俺は子供達と遊びに行くと伝えておく。
皆も遊びに行くのに興味がある様で、何処に行くのか聞いてくる。
いや、そんなに期待された目をされても、大した案があるわけでもない。
「いちご狩りに行こうと思ってるけど、皆も行く?」
聞いてみると、みんな行きたいとの事で、全員で向かうことになった。
探索の途中に、いちご狩りの看板とビニールハウスを発見していたので言ってみたが、食べられるのあるかな?
大事になり、少し不安になってきた。
女性陣が子供達を連れて、準備に向かったので先に確認に向かう。
記憶を頼りに転移して、10分程探してみる。
ビニールハウスを無事に発見し、中を確認する。
収穫時期をずらして栽培していたのか、食べ頃のいちごが成っているハウスも、何個かあるようだな。
安心して戻り、皆の準備が終わるのを待つ。
俺はクリーンをかけて着替えたので終わっている。
30分程で皆の準備も終わり、食堂に集まった。
転移で行くの?皆でくっつける?との質問には答えず、皆を連れて庭に移動する。
「高所恐怖症の人いる?」
いないようだな。
密かに計画して、練習していた成果を見せる時がきた!
アイテムボックスからゴンドラを取り出す。
これはライオンを探しながらマップ埋めをしていた時に、雪山で発見したロープウェイのゴンドラだ。
ロープにぶら下がる部分の鉄は切り取って、ゴンドラのみを持ってきた。
扉を開けて全員を中に乗せる。
ここからが練習の成果だ。
物を浮かすのは浮遊で出来たが、触れていないものに飛行が使えなかった。
二人くらいなら手を繋いで飛べたが、全員で移動する場合は無理がある。
転移で移動すれば良いのだが、ただ目的地に到着では面白味にかける。
移動も含めて楽しまなくては!
扉を閉めてゴンドラを浮かせる。
空のモンスター対策でゴンドラに強化をかけ、さらに魔力で覆う。
ここで飛行を使うと、ゴンドラは前に進みだした。
子供達は大喜びだし、大人達も感心して景色を眺めている。
俺のスキルの万能性に感謝だな。
ちなみに他の人のスキルに、浮遊も飛行も無いそうだ。
折角なので動物観察もして行こう。
子供とお出掛けと言えば、動物園は定番だしな。
大体の居場所は確認済みなので、マップを頼りに飛んでいく。
一時間程、景色を楽しみながら進むと
「キリンさんだ!」
と彩香の楽しそうな声がする。
「あっちに大きな象さんもいるよ!」
他のメンバーも、一段と大きくなった動物に驚きながらも楽しそうだ。
その後もマップと索敵を頼りに、色々な動物を見て回った。
襲ってくる空のモンスターは、魔法の使える未来と和美に攻撃させて狩っていく。
逃げられそうなら、その前に俺が魔法で撃ち落としていく。
昼食の時間には河原に降りて、バーベキューをして楽しんだ。
その後も、空からの観光を楽しみ、おやつの時間に、いちご狩り農園に到着する。
皆に練乳入りの皿を配り、いちご狩りを楽しむ。
俺は収穫時期になっていないハウスから、土ごと苗を回収していく。
拠点でも作れたら子供達も喜ぶだろう。
倉庫にあった肥料や何かの種等もいただく。
皆はまだ楽しそうに食べてるな。
また今度、違う果物狩りに行ってみよう。
今回みたいに、動物に荒らされてない所があればいいが。
周りが薄暗くなるまで、いちご狩りを楽しみ、ゴンドラで夜空を楽しみながら拠点に帰った。
夕食を食べた後、子供達は疲れたのか、ソファで寝てしまったので部屋まで運んだ。
食堂のソファに戻り休んでいると、和美と友美がやって来て、友美のステータス獲得を手伝って欲しいと頼んでくる。
快諾して、明日からやりましょう、と言うと喜んでくれた。
特に和美が喜んだ?
まぁ子供達をレベルアップさせたかったので、一緒にやっていこう。
その後、それぞれ部屋に戻り、今は部屋で志帆と話をしている。
「友美さんは婦人科で看護の経験もあるそうですよ」
「そうなんだ?なら皆は何かあっても安心だな」
「元々、病気は魔法で治せそうなのであまり心配はしてませんが、出産の時はお世話になると思います」
「そ、そうだな!出産の時に安心だな」
「私に証明してくれるんですよね?」
「これで安心して証明出来るな!」
覚悟を決めて励みました!
それはもう、最後の瞬間まで全力で!
それはもう、最高に良かったです!!
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