第46話 新たな生存者
目か覚めて隣を見ると、可愛い狐さんが。
ホント可愛いな。
前回の狐さんが忘れられず、今回も頼んでしまった。
由香里は元から若々しく、可愛い感じの女性ではあったが、最近では他のメンバーと年齢差を全く感じない。
ステータスを獲得してレベルアップしていくと、最盛期の身体に近付きながら強化されてくみたいだな。
俺も鏡を見て驚いたな。
たぶん20代前半位まで若返っている。
その上、筋肉質で引き締まった身体になっており、ナルシストではないが、自分の身体に見とれてしまったりした。
憧れはあっても、筋トレは辛くて続かなかったからな。
魅力値も上がって、さらに美しく可愛くなった由香里を抱き締める。
由香里も目が覚めたのか、抱き締め返してくれる。
ずっとこのままでいたい。
名残惜しいが、クリーンをかけて一人食堂へ向かった。
由香里は着替えに部屋に戻った。
食堂に着くと、お気に入りの狐さんはどうだった?と聞かれた。
なぜ知ってるし!昨日要望して着替えてもらったのに。
なんか恥ずかしい、学生のころ母親に初めて性癖がばれた時の気分だ。
食事をしながら起きていたメンバーに、今日は探索に行くから、何かあったら亜季の念話で知らせてくれと伝えておく。
まずは拠点周りを調べてみようと、屋上へ出てみて驚く。
暫く拠点周りを見てなかったが、もう面影がなくなっていた。
山を見てみれば、異常に大きな木が数本、突き出ている。
モンスター化した植物が増えているな。
日本で一番大きな木って、どこにあるんだろう。
それがモンスター化してたら、凄いことになってそうだな。
そんな事を考えながら、襲ってくるカラスを殴り付ける。
足元に落ちたカラスを見てみる。
三倍くらいか?二倍か?
モンスターを色々と倒してきて分かったが、モンスター化すると身体が2~3倍ほど大きくなり、力や強度が上がるみたいだ。
始めは驚きもあり、5倍は大きくなってると思ったが、実際は3倍あるかどうかってところだ。
それでも、身体が大型化しない人類から見れば脅威である。
人類は大型化しないよな?やだよ?
植物も徐々にモンスター化してるので心配だが、今のところ兆候はない。
道端の雑草も変わりなく見える。
森の変化に驚きはしたが、拠点がすぐに危険というわけではないので、ライオンを探しに行こう。
探索済みエリアの端までは、転移で一瞬だ。
上空から見渡して、また驚く。
所々にある巨大な木もそうだが、キリンだ。
デカイ!20m?ハッキリとは分からないがそのくらいか?
その奥には、象のモンスター。
その辺の家よりデカイだろ!あんなのに襲われたら、人類は抵抗出来るのか?自衛隊が戦車とか出せば倒せる?誰か試してみてくれ。
試しに銃を普通に撃ってみる。
傷すら付かない。
魔力を最小で撃ってみる。
ちょっと傷がついた?硬すぎる!
俺が本気で攻撃すればワンパンだが、うちのメンバー全員で挑んでも勝てないだろう。
俺が動きを止めて、一方的に攻撃させればもしかしたら?いや皆の魔力が足りないな。
拠点の周りに高い壁を作ろう。
こいつらが体当たりしても壊れない、頑丈なやつを。
銃の的にされて怒っている象は、ハンマーで退場頂いた。
硬い奴にハンマーは効果的だな、簡単に頭が弾けるからな。
そのまま探索を続けると、ついに目標のモンスターを発見した。
ライオンのモンスターは群れで行動していて、大きさは小型のバスくらいか?
力も強化されているだろうし、人類には脅威だな。
象には忘れてたが鑑定してみる。
レベルは15で攻撃力183とヤバい数値だ。
群れの端で一体でいる雄と戦ってみる。
殴りかかってきた腕を掴んで止める。
思ったより軽いな。
噛みついてきた頭を押さえてみても、片手で問題ないか。
ちょっとガッカリしながら、そのまま頭を地面に叩きつける。
弱いな、アイテムボックスに収納して飛び立つ。
見かけ倒しってやつか?ボスではないだろうが、成体の雄であのくらいか。
象の方が楽しめたかもな。
そんな事を考えて、マップを埋めながら南下していく。
結構進んだな。
建物の看板には、餃子で有名な町の名前が書かれている。
食べたかったな。
どこかに冷凍設備が生きてて、保存されてないかな。
っ!!マップに人間のマークがある!
念のため隠密を再度かけてから、近付いて行く。
五人の男性達だな。
年齢は20代後半くらいか?
一応、鑑定で見てみる。
驚いたな、全員がステータスを持っている。
全員、30代後半でレベルアップで若返ってるんだな。
レベルは5~8でツリーは、全員が支援樹だった。
スキルは身体強化・剛力・俊足を持っていて、二人はアイテムボックス持ち、他には索敵や気配感知、マップを持っている者もいる。
索敵や気配感知持ちがいるのか。
亜季にも気付かれなかったから大丈夫だと思うが、念のためスキルを追加しておこう。
気配遮断と隠蔽を取得した。
これで気付かれにくいだろうし、今後、鑑定持ちへの対策にもなるだろう。
声が聞こえる所まで近付いて、情報を集める。
大した事は話してなかったが、何処かのコミュニティの物資調達班らしい。
食料が心許なく、今回は新たな店舗を探索に来たみたいだな。
満足いく収穫があったみたいで、会話が弾んでいる。
拠点に戻るらしいので、付いていってみることにした。
彼らの拠点は俊足を使いながら移動して、2時間程の場所にあった。
結構大きな病院だな。
見張りをしているらしき男4人に声をかけ、中に入っていく。
どんなスキル持ちがいるか分からないので、光魔法と時空魔法を合成して創った、ステルス(自己命名)の魔法を発動させる。
スキルを使ったマップには、30人程の反応が表示されている。
結構いるな、一番多く集まっている部屋に入っていく。
そこに見知った顔を見付けた。
以前、検査でお世話になった女医の、城津先生だ。
地元の病院にいた筈だが、何でここに?何にしても生きていて良かったな。
少しやつれた感じはあるが、可愛いままだな。
鑑定で見てみると先生もステータスを持っている!
レベルは4と高くないが、支援樹を解放して医術と短刀術を取得している。
メスも短刀に入るのか?
医術は俺も取っているが、医療に詳しくなり、医療行為の技術も向上するというスキルだ。
元の経験と知識も合わせれば、従来の名医なんて者を越えているだろう。
他のメンバーは患者なのかスタッフなのか分からないが、全部で32人、男12人に女20人だな。
女性もあと二人ステータスを持っている。
男性は物資回収に出ていた5人と見張りをしていた中の1人が持っている。
ステータス持ちも多いので、そこそこ安全に暮らせている様だな。
特に手助けの必要も無いだろうし、接触する事なく拠点に帰還した。
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