第40話 年越し

目が覚めると、未来も起きていた。

少しイチャイチャした後に、そろそろ食堂に行こうか?と言うと、部屋に戻って着替えるから先に行っててと言われる。

「メイドさん可愛いかったよ、次も期待してるね」

と言って先に食堂へ向かう。

食堂に着くと女性陣から、どうだった?や萌えた?など聞かれたが、良かったよ、とだけ返しソファに座る。

情事の感想を求められても、恥ずかしいので勘弁して下さい!

俺が照れているのがバレバレなのか、女性陣はニヤニヤしている。

朝食を食べながら、訓練の予定を話していく。

全員の術の取得が終わったら、固定していないモンスターと戦ってもらう。

亜季も含めて、連携の練習をしてもらいたい。

遠距離攻撃をする時は、慣れるまで声を掛ける。

怪我の危険を減らすために、保護膜を優先して取って欲しい。

など要望も伝えておく。

これで連携して倒せるようになったら、二体のモンスターを同時に相手してもらおう。

皆が方針を理解した様なので、一階の訓練場へ移動する。

子供達は二階で、お留守番だ。

先ずは銃術と剣術を取得した、志帆の変化を見てみる。

固定したモンスターに、魔力を纏った弾丸で攻撃してもらう。

驚いた事に、モンスターの眉間に命中した弾丸は、頭と体を貫通し、脳を破壊したことによって、一撃で倒してしまった。

え?ヤバくない?詳しく無いけど、交番のお巡りさんが持ってる拳銃で、この威力なの?

あまり威力のない銃だよね?それとも銃自体の威力は、あまり関係ないのか?魔力を纏った事が重要?

とにかく、弾丸を十分に用意出来るなら、皆が銃術で良いのではないだろうか。

至急、警察署などを廻ってみよう。

魔力を纏った弾丸の威力が上がるのなら、他の武器にも出来ないだろうか?もし魔力を纏わせた刀や剣を作れたら、それも凄そうだな。

スキルであるかな?もしくは魔法を合成してなんとか出来るか?夢が広がるな!

スキルや魔法と言えば、このステータスシステムは統一性がないよな。

スキル・魔法ともに漢字だったり、カタカナだったり。

誰かが、何種類かのゲームやラノベを参考にして、適当に作り上げたステータスシステムみたいだ。

たまたまか?

そんな事を、思考加速で瞬時に考えていた訳だが、銃術の威力が、思っていたより高すぎる。

ちょっと皆の意見も聞いてみよう。

「志帆、ヤバい威力だな」

志帆に近づき声を掛けると、志帆が力が抜けたように崩れ落ちる。

慌てて身体を支えて、ゆっくりと寝かせる。

呼吸が荒くなり、苦しそうにしている。

他のメンバーも、心配して集まってくる。

大丈夫なの?と心配するメンバーに、調べてみるから少し待って、と言って解析で調べる。

魔力を急消費したことによる症状で、少し休んでMPが回復してくれば治るらしい。

魔力の急消費?鑑定で志帆のMPを見てみると、残MPが0になっていた。

志帆のMPは最大400あったはず。

それが0ってことは、今の一撃でMP400使ったって事か?威力が高かったのは、MP消費が大きいからか?毎回400?それとも、全MP?それとも調整が出来るのか?検証しなくてはいけないな。

鑑定が、もっと細かい説明を見れれば良いのたが、大まかな説明しか出ないんだよな。

銃術の説明だと

銃の扱いが上手くなる・魔力でコーティングさせた弾丸を撃ち威力を上げる。

剣術の説明では

剣の扱いが上手くなる・技を放ち威力を上げる。

槍術だと

槍の扱いが上手くなる・技を放ち威力を上げる。

こんな説明しか出ないんだよな。

でも銃術がこれなら、剣術と槍術の技ってのも、MP消費次第で、強大な威力の技が出せるのか?そうならカッコいいな。

術系コンプリート目指そうかな。

またまたそんな事を、思考加速で瞬時に考えていた訳だが、志帆が倒れたのはMP切れで、休んでいれば回復すると、皆に説明した。

銃術のMP消費の検証は後でやるとして、志帆を部屋で寝かせてから、皆の訓練を再開しよう。


訓練を再開し、皆には使用武器の選択をしてもらう。

武器が決まったら、術を取得し、使用感を確かめてもらう。

亜季には、刀に魔力を流す練習をしてもらっている。

俺も食料や、特訓用のモンスター捕獲時にレベルアップしているので、術系のスキルを何個か取った。

亜季と一緒に、魔力を武器に流す練習をしていたのだが、簡単に出来てしまった。

たぶん魔力操作のスキルも取ったのが、良かったのだと思う。

魔力を流した武器での攻撃は、MPをどれだけ注ぎ込んだかで決まるらしい。

MP10単位なのだが、基本10消費すると10分間、武器が強化された。

一回の強化時間は、10分と決まっていて、MPを多く入れても延びない。

時間は延びないが、武器の攻撃力や耐久力が強化される。

計測のスキルも取り、解析と合わせ検証した結果、魔力を纏わせた武器の威力は、最低のMP10消費で1.2倍、MP消費を10増やす毎に0.2の倍率が足されるらしい。

志帆は調整出来ずに、9倍に威力を上げた弾丸を、打ち出したって事だな。

銃術は他の術と違い、弾丸に魔力を纏わせて打ち出してしまうため、時間でMP消費でなく、一発毎にMPを消費してしまうので、更にMP消費が多くなりそうだ。

剣術と短剣術の範囲も何となく分かった。

剣術を取得して、魔力を長さの違う剣に流してみたのだが、剣身が50cm以下だと流せなくなった。

50cm以下は短剣術の範囲だと思われる。

短剣術で試してないので、もしかしたら55cmの剣は、どちらの術でも適用範囲だったりするのかもしれない。

たぶん刀術と短刀術も、似たような感じなのだろう。

その後、皆の相談に答えたりしながら、全員が術のスキルを取得した。

少しモンスターとの実戦をやり、今日の訓練は終わりにした。

志帆は途中で目が覚めたが、実戦には参加せず、魔力を流す練習だけしてもらった。


全員にクリーンをかけ、食堂に集まる。

明日は訓練を休みにするので、ゆっくり休んでもらいたいと告げ、皆で夕食を食べる。

皆、ステータスを獲得してスキルも取り、更に実戦も経験したことで、モンスターに怯えるだけの生活から、抜けられるかもしれないと、表情が明るくなっている。

暫く会話の時間を楽しみ、その後部屋に戻った。

明日は何して過ごそうかと考えていると、亜季がノックして声を掛けてきた。

今日は亜季だな。

扉を開けると、ウェディングドレスを着た亜季が立っていた。

あまりの可憐さに言葉が出ない。

動かない俺を押して、亜季は部屋に入り扉を閉める。

「結婚する事なんて無いと思っていたけど、ウェディングドレスは着たかったんだ。

どう?似合ってるかな?」

と恥ずかしそうに微笑む亜季は、とても可愛く、美しかった。

「とても似合ってるよ。

すごく綺麗で、可愛くて…」

その後の言葉が出ない俺に微笑み、キスをする。

ベッドまで手を引かれて行った俺は、亜季をそれはもう可愛がった!はんぱなく愛でた!ウェディングドレス姿のままで。

何かもう最高でした!とても良かったです!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る