第38話 年越し
クリスマス当日は、皆そのままサンタの衣装で過ごしてくれた。
可愛いサンタさんに、たまにイタズラしてしまったのは良い思い出だ。
クリスマスが終われば、すぐに年越しだな。
今年は大変な年越しになってしまうが、来年はどんな一年になるだろうか?
来年、新たな事を始める為にも、今年中に全員がステータスを獲得しておきたいな。
今日は、ステータスの獲得とレベル上げをやっていこう。
毎度お馴染み、屋上にやって来た。
前回と同じ様に、それぞれが行動する。
今回は、亜季もレベル上げに組に参加する。
穂香がステータスを得たので、彩香と二人でも、モンスターに傷を付けられたからだ。
モンスターを倒し続け、数時間がたった。
勿論、休憩はこまめに取っている。
レベル上げ組は、順調に進んでいるし、ステータスを獲得した者もいる。
ちなみに由香里は、身体強化のスキルを取った。
戦闘をする覚悟は、まだ出来ていないが、今後もレベルアップは必要なので、能力値の底上げを選んだそうだ。
身体強化は、常時発動型のため、上昇率は1.2倍と高くないが、魔力消費もなく攻撃力・耐久力・俊敏性が上がるのは大きい。
俺も取っておこう。
皆、何体のモンスターを倒したか分からないが、夕方前には全員がステータスを獲得した。
獲得までに、100体以上倒した人もいたので、確率とはあてにならない。
ステータスを獲得して、モチベーションが上がったのか、日が落ちるまでレベル上げを続けた。
最終的な皆のレベルと解放ツリーは、ステータス獲得順にこんな感じだ。
藤森亜季子 レベル10 支援樹
安藤由香里 レベル6 支援樹
戸田穂香 レベル4 支援樹
安藤未来 レベル6 魔法樹、支援樹
真宮志帆 レベル5 強化樹
相川沙季 レベル4 強化樹
戸田彩香 レベル2 未定
目黒里見 レベル3 支援樹
水野真理 レベル3 支援樹
小舘和美 レベル2 魔法樹
須藤明美 レベル2 支援樹
やはり支援樹を選択した者が多いな。
スキルは便利だから、間違いではないだろう。
未来と和美は、魔法に興味があるらしく、魔法樹を選んでいた。
元々運動が好きで、体を動かしていた、志帆と沙季は強化樹で素の能力を上げていきたいそうだ。
彩香は途中で寝てしまったので、未定である。
今日は皆ヘトヘトなので、俺が夕食の準備をした。
と言っても、肉と野菜を切って、焼肉にしたので楽なものだったが。
野菜は以前、畑から取った物だが、アイテムボックスに入れていたから新鮮だった。
野菜の在庫はあまり無いので、今後は生産できないかも考えるとしよう。
ホームセンターにあった種は回収してるが、今度、畑にも種の回収に行った方が良いな。
収穫されずにいた野菜から、種が採れるものもあるだろう。
そんな事を考えながら夕食を終え、明日の予定を話す。
全員が一度は経験してみたい、と言うので明日は全員参加となった。
子供達用に、空間固定の壁で囲った応援席でも作ろう。
その後は、これからステータスを、どう育てていくかなど、楽しく話し合った。
今日は明日に備えて、早めに就寝とし、それぞれの部屋へと戻っていった。
そして次の日、俺は朝から作業をしていた。
一階にいたモンスターを、次元空間に入れてから、売場の棚などを全てアイテムボックスに収納する。
そして建物の周りを、土魔法で作った壁で覆い、強化で補強する。
これで外部からの侵入は、ほぼ出来ないだろう。
次にモンスターが足りないので、外から捕獲してくる。
狸、猪、後は群れでいた犬を捕まえてきた。
準備が出来たので、皆を連れてくる。
売場の真ん中に集まり、亜季以外に魔法で作った槍を渡す。
これで大きいモンスターへ、攻撃する事に慣れてもらう。
攻撃する事に恐怖がなくなってきたら、自身にあった武器を、探してもらおうと思う。
まずは空気に慣れてもらうため、亜季に実戦してもらおう。
亜季の了承も取れたので、皆には少し下がってもらい、次元空間からモンスターを一体取り出す。
亜季は即座に斬りかかる。
流石に慣れたもので、モンスターの正面には立たない様に、気を付けながら攻撃していく。
モンスターが突進してきたら、かわして横を斬り付け、モンスターが警戒して止まれば、俊足を使い、横や後ろに回り込んで斬り付ける。
危なげなく、20分程でモンスターは力尽きた。
戦い方が上手いな。
俺はゴリ押しだから、参考にするなら亜季だな。
死体はアイテムボックスに収納して、次を取り出す。
すぐに足を空間固定で固め動けなくする。
未来が取得した水魔法を試してもらおう。
未来に魔法を促すと、緊張しながら水球の魔法を撃った。
見事に着弾した水球は、中々の威力で、足が固定されていなければ、倒れていたかもしれない。
皆は拍手し、未来は初魔法に感動している様だ。
そのまま次も撃ってもらったが、初級魔法では、致命傷を与えるのは厳しそうだ。
次は他のメンバーに、槍で突いてもらう。
未来も、これに参加してもらい、暫くするとモンスターが力尽きた。
未来と和美と明美のレベルが、上がったそうだ。
経験値配分は、最終攻撃者のみって訳では無いようだ。
これなら皆で協力して、刈ることが出来るのでありがたい。
死体を収納して、次も同じ様に槍で突いてもらう。
これを繰り返してもらおう。
こっちのモンスターは、固定しているので問題ないな。
亜季用に、少し離れた所にモンスターを出し、戦ってもらおう。
こっちにモンスターを逃がしてしまった時の為、俺が間に待機する。
暫くは休憩を挟みつつ、この流れを繰り返してもらう。
昼食の時間になったので、一旦終わりにしよう。
食堂に移動して、皆に感触を聞いてみる。
誰もモンスター討伐に、嫌悪感はない様で、続けたいそうだ。
それぞれレベルアップしているので、スキルポイントの使い道を考えている様だ。
そんな中、亜季から興味深い話を聞いた。
モンスターが、強くなっている気がするそうだ。
俺は、いまだに一撃必殺なので、よく分からないのだが、皆のレベルで、ここまで攻撃を加えないと倒せないのは、変だと言う。
思い出してみれは、以前、木のモンスターを鑑定した時、レベルがあった。
モンスター達はお互いを補食するので、モンスター同士の殺し合いで、経験値を獲得できるのかもしれないな。
次元空間の中に転移し、モンスターを鑑定する。
確かにレベルが4~6のモンスターが大半だ。
高い奴は、8まで上がっている。
道理で皆のレベルアップが早いわけだ。
俺の様に、獲得経験値増加のスキルのない皆が、8人で経験値を分けているのに、簡単にレベルアップしていたのは、モンスターが強くなっていて、経験値が多くなっていたからなんだな。
襲い掛かってくるモンスターを、かわしながら考える。
亜季がレベル8の時に、安全にモンスターを狩れていたから、そこまで上げれば、安心だろうと思っていたが、こうなると、どこまで上げれば安全なんだ?
取り敢えず、モンスターがウザいので、食堂に戻ってきた。
いきなり消えるな!と皆に怒られた。
ごめん、と謝り、モンスターのステータスを確認してきたと伝える。
午後は、希望者には違う武器を渡し、自身に合った武器選びもやってもらう。
亜季には刀術のスキルを取ってもらい、どのくらい、変わるのかを試してもらった。
かなり使えるようになるらしい。
確かに動きも、攻撃の威力もまるで違う。
これは方針を変えて、先ずは支援樹から何かしらの、術系スキルを選んだ方が良いのかもしれないな。
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