第28話 ラブホテル
他人視点
目が覚める。
頭が重く、思考が上手く纏まらない。
それでも徐々に覚醒してきて、状況を確認して、驚く。
服を着ていない?なんで?混乱する私に声をかける者がいた。
「真宮さん、目が覚めた様ですね。
気分はいかがですか?
まだ気持ち良さが残ってるんじゃないですか?」
声を掛けてきたのは、一年後輩の警察官の同僚だ。
私は慌てて身体を隠し尋ねる。
「この状況はなに?
なんで私は裸にされてるのよ!?」
「なにって、分かるでしょ?
真宮さんの事は前から気になっていたのですよ?
全然相手にしてもらえなかったので、今回は楽しませて頂きましたよ」
嫌らしい視線で身体中を見てくる。
自分の身体に意識を向けてみると、私のあそこから液体の垂れ出る感覚がする。
最悪だ、私はこいつに犯されたらしい。
「最初は譲ってもらいましたが、真宮さんには今後は皆の相手をしてもらいますからね。
これからも宜しくお願いしますよ、でも先ずは、意識のある状態でもう一度お願いしますね」
そう言って覆い被さってきた。
必死に抵抗したが腕力で男性には敵わず、好き放題された。
その後は毎日、男どもの相手をさせられた。
別の部屋には、他にも女性が監禁されているそうで、私と同じ様な状況なのだろう。
あれから何日経過したのか分からないが、他の部屋の女性とは会える様になっていた。
私達の気が狂わないように、息抜きでも、させているつもりなのかもしれない。
私達のいる場所は、どこかのラブホテルらしく、一つのフロアにいくつかの部屋がある。
一人一部屋与えられているが、そこに男が訪れて行為を強要される。
男が去ったあとは、部屋の片付けをさせられ、また別の男がやってくる。
日中、男達が外に出ている間だけ、このフロア内は自由に行き来出来る。
エレベーターは、電気がきていないので動かないし、階段の扉は閉じられて開かない。
電池式の照明しかないが、最近の照明は明るいので、薄暗いラブホテルでもそれなりに生活出来ている。
そんな奴隷の様な生活を送って、どれだけの日が流れたか。
そんなある日、男達は言い争いをしている。
どうやら予備の武器が、全部無くなったそうだ。
お互いに責任を押し付けあっていて、アホらしい。
武器が無くなったからかは分からないが、何人か動物に殺されたらしい。
今では六人に減っていた。
また数日後、やけに喧しく男達が帰って来た。
全員腕に大怪我をおっていて、まともに動かせない様だ。
出かける前は六人いたが、戻って来たのは三人だった。
次の日の昼前に、一緒に閉じ込められている女性が、二人で部屋にやってきた。
二人とも生理が来ないらしく、少し前から悩んでいた。
そんな彼女達は男達の人数が減り、腕を怪我している今、復讐をして、その後に死にたいという。
説得を試みたが、決意は固いようだ。
彼女達は、病院もないのに、出産をまともに出来るわけがないし、仮に無事出産出来ても、あんな奴らの子供を、苦労して育てたくないそうだ。
そもそもお腹が大きくなり、男達の相手が出来なくなれば、生かしてはくれないだろう、と言う。
たぶん殺されるだろう。
それならば、怪我で弱っているあいつらを殺して、自分達も死にたいのだそうだ。
私も男達には恨みしかない。
殺すのも反対しない。
でも彼女達が死ぬのは嫌だった。
でも、まともな医療を受けられない現状、彼女達を助け、出産させる知識もない。
彼女達の要望を、受け入れる事にした。
武器になりそうな物を探したが、良いものは無かった。
仕方なく、消火器や大きな灰皿等を集めた。
かなり不安はあるが、相手は利き腕が使えないのだから、なんとかなるだろう。
昼も過ぎて暫くたった頃、腕が使えず食事も出来ないと、男達が世話を強要してきた。
適当な理由を付けて、一人を別の部屋に連れ出す。
怪我をした男一人なら、三人で協力して、簡単に殺すことが出来た。
次も一人を連れ出したいが、乗ってこない。
覚悟を決めて三人で襲いかかる。
男達も必死に抵抗するので、私達も無傷ではないが、なんとか全員を殺せた。
時間が掛かってしまったが、目的を達成し安堵している私に、二人はお礼と別れを言って、出ていった。
一緒に行って死ぬ勇気のない私は動けない。
一人残された私は、暫く放心状態だった。
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