第13話 生存者

由香里は朝、外が少し明るくなってから!スタッフルームに帰って行った。

やっぱり、こういった行為をしてしまうと情がわく。

昨日の時点では、今後関わる事はないと思っていたが、ここまでされては無視できない。

チョロいって?そりゃそうさ。

46年生きてきたが、女性経験はあまり多くない。

そんなおっさんが若くて可愛い人妻に、こんなにも必要とされれば、コロッといってしまうものだ。

とは言えここに残って面倒を見るつもりも、探索に二人を同行させるつもりもない。

食料が尽きる前に、補充にくるくらいだろう。

それも充分な食料が確保出来ている場合に限る。

二人にステータスを獲得させられれば良いのだが、女性がモンスターを倒せる気がしない。

通常の男性でも無理だと思う。

警察や自衛隊の様に、銃器を使えれば可能性はありそうだが、以前ニュースで見た映像では、銃で少々撃たれたくらいではモンスターは倒せないと思われる。

俺がモンスターを瀕死まで弱らせてから、止めをやらせたらステータスは獲得出来るのだろうか?

検証してみる価値はあるかな。

取り敢えず、昨日獲得したスキルポイントを使っていこう。


名前 高遠雅人

性別 男性

年齢 46

レベル 6

解放ツリー 全能樹

スキルポイント 130

HP 800/400+100%

MP 600/300+100%

攻撃力 78+100%

耐久力 81+100%

俊敏性 82+100%

魔法力 69+100%

精神力 73+100%

魅力 27+100%

スキル:獲得経験値アップ(U)・獲得スキルポイントアップ(U)・アイテムボックス(S)・火魔法(1)・水魔法(1)・風魔法(1)・土魔法(1)・光魔法(1)・闇魔法(1)・錬金魔法(1)・時空魔法(1)・気配感知・危機感知・隠密


先ずは強化樹の項目を全て(4)まで振ってみた。

やっぱ素の能力値が大切だよな。

すると各項目の(4)の隣に+表示が追加される。

魅力の+に触れてみると数値を1~10まで選択出来るようだ。

1にして決定すると

スキルポイント10を使用して能力値を10上昇します、実行しますか?YES/NO

と表示される。

NOを選択して2で決定してみると

スキルポイント20を使用して能力値を20上昇します、実行しますか?YES/NO

と表示される。

どうやらスキルポイント10で素の能力値を10、合計100まで上げれる様だ。

魅力をと思ったが、今はやめておく。

まずは生存に役立つスキルを獲得していこう。

ゲームとラノベ知識を元に、必須となるスキルを選んだ結果、6つのスキルを支援樹から獲得した。

クリーン・毒耐性・麻痺耐性・暑寒耐性・精神耐性・性交術

これで生存率が上がるだろう。

クリーンは、使用した物の汚れを落とす事が出来る、とても便利だ。

その後、周辺にクリーンを使用してから眠っていると、接近する気配に目が覚める。

「お兄さん、起きてる?朝ごはん食べよう」

と未来がやって来た。

未来に連れられてスタッフルームに行くと、

アウトドア用の食器に、シチューと缶詰の物と思われるパンが、切って並べられていた。

昨日と同じ席に座ると、由香里が言った。

「お早うございます。

高遠さんに頂いた物なので私が言うのも変ですが、どうぞ召し上がって下さい」

「お早うございます。

準備して頂き、ありがとうございます。

いただきます」

食事の挨拶をしてから朝食を食べる。

誰かと一緒食べる食事は悪くない。

これだけで、また戻って来ても良いかなと思える。

「お兄さんはやっぱり、今日出ていっちゃうの?」

未来が尋ねてきた。

「ああ、もう少し探索の範囲を広げて、物資を集めておきたいからね。

特に食料品を早めに集めないと、賞味期限が過ぎて、食べられなくなってしまうからね。

アイテムボックスに入れておけば、時間が経過しないけど、入れてないものはそうはいかないからね」

「そっか、なら仕方ないよね。

また戻ってくる?」

心配そうに聞いてくる。

「戻ってくるよ。

置いてある食料に、余裕があるうちに戻って来るから、心配しないで食べて良いからね」

「うん、ありがとう」

笑顔で返事をしてくれる。

可愛いな。

昼前まで休んでから出発する。

二人が防火扉まで見送りに来てくれた。

未来はまた制服に着替えている。

何故か聞いてみると、制服が着なれていて楽なのだそうだ。

部屋着の方が楽だと思うが、人それぞれだろう。

「未来ちゃんは、ラノベとかで知ってるかも知れないですが、こんな世の中だから、誰か来ても簡単に開けない方が良いですよ。

人がみんな、善意で動くとは思えないですから。

もし昨日来たのが私ではなく、悪意を持った人間だったら、どうなっていたか分からないですよ」

「分かりました。

警戒するようにします」

由香里もそう言ったので大丈夫だろう。

忠告はしたので、その上で人を招き入れて、何かあったとしてもそれは仕方ない。

無事でいて欲しいが、全ての面倒を見てやるつもりはない。

「じゃあ行ってきます」

「気を付けてください。

無事に戻ってきて下さいね」

「いってらっしゃい。

早く帰ってきてね!」

それぞれから言葉をもらい防火扉を開けて一階に降りていった。

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