第4話 終わりゆく日常
帰りにスーパーで弁当とチューハイ、つまみとして簡単な惣菜を買って帰宅。
やることもないので、適当にTVのニュースを見ていると、キャスターが慌てた様子で、新しいニュースが入ってきました!と伝えた後に、画面が現場のライブ中継に切り替わった。
画面が切り替わったとたんに聞こえてくる銃撃音。
何処ぞの国の戦地の映像か?と思っていると国内の様だ。
え?日本国内で銃撃戦をやる様な事があるのか?と思っているとキャスターの説明が入る。
「栃木県の◯◯村に凶暴化した動物が群れで押し寄せています!
警察では抑えきれず、自衛隊が出動して現在鎮圧にあたっています!
近隣にお住まいの方は、落ち着いて現場から離れて下さい!
興味本意で山に近づかないで下さい!
命を守る行動をして下さい!」
画面には熊程の大きさの狸と、軽自動車程の大きさの猪が、パトカーを押し潰している映像が流されていた。
あの狸って俺の車の下で潰れていたやつか?何であんなのが一杯いるんだよ、と思いながら見ていく。
自衛隊が銃で攻撃しているが、動物達は血を流しながらも暴れ回っている。
何頭か力尽きて倒れている奴もいるみたいだが、数が多過ぎて車や建物がどんどんと破壊されていく。
ここで画面が切り替わり、スタジオでどこかの大学教授やら警察のOBやらが、物知顔で話していた。
教授は狸や猪の種類や通常の生態等説明し、通常ではこんな狂暴性はないなど話している。
警察OBは、こんな発砲するような事態は通常あり得ない等、今がどれだけ切迫している状況であるのか等を話している。
緊迫した状況を伝えるニュース番組を見ながら、次の仕事着探さないとなぁとTVを消して、スマホで求人情報を検索して眺めていく。
しばらく求人情報を探していたが、割りのいい仕事など簡単には見つからない。
やけに給料の高いものもあるが、怪しいのでパスだ。
世の中に美味しい話が、簡単に転がっている筈がないと思っている。
しばらく求人を探していると、部屋の照明が消えた。
停電か?スマホのライトをつけてブレーカーを確認に向かう。
ブレーカーは落ちていない様だ。
事故か何かで、電線が切れたのだろうか?
しばらくすれば、復旧するだろうと考えていたが、その日のうちに電気が復旧することはなかった。
家にあったランタンタイプの懐中電灯を使って夕食を済ませ、電池が勿体ないので少し早いが就寝することにする。
この時は明日には復旧するだろうと、軽く考えていた。
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