第1話 VS鏡花 ! KW魂のチュートリアル!

「烈火様。先行の私から行かせていただきます。先行のターンに出来ることは大きく分けて2つです。まずは40枚あるデッキから1枚ドローします。 そして自分の手札の中に出せるカードがあれば出すことができます。」


そう言うと鏡花さんはカードについても説明を始めた。


「カードの左上に数字が書いてますよね?その数字はソウルと言ってクリーチャーを召喚する時に必要になるアイテムとなります。ソウルは基本的に毎ターン一つずつ増えるのですがカードの能力によっては一つじゃなく4つも増やす事もできます。」


「さて、これで私はターンエンドです。烈火様次はあなたのターンですよ」


画面の上の砂時計の向きが変わり俺のターンになった。俺は鏡花さんの教えの通りにカードを引く。俺の手札は今は6枚。ソウルの数は1か…… 俺はソウルを1支払い『闘争少年』をフィールドへと召喚した。


俺が出したそのカードは俺の指示通り真ん中の領域へと進んでいく。そしてカードが領域に着いた頃、クリーチャーがフィールドに実体化したのだ。俺が驚いてるのもつかの間、鏡花さんは俺に分かるように説明してくれる。


「クリーチャーを召喚しましたね。クリーチャーの召喚には自身の領域の3つある内のどちらを守らせるかを決めることができます。出したばかりのクリーチャーは領域に攻めることはできないですが相手の侵攻を防ぐことはできますよ。

次のターンに向けて戦う方法もお教えします。フィールドに進行させる場合センターかライト、レフトを選びクリーチャーを攻撃させます。

特殊な能力がない場合一回の攻撃につき一つカードポータルを破壊することができますよ。」


「成程……それでは俺はターンエンドだ」


「それでは私のターンですね。まずはドローします。そしてソウル2を支払って『霊魂探偵』を召喚です。」

鏡花さんが出したクリーチャーは彼女の右側の領域へと着地した。


「このクリーチャーの能力『霊感再生ソウルリトライ』発動です。 今回、使用したソウル分、ソウルを回復します。そしてターンエンドです」

霊感再生か…… 流石カードゲームの経験者といった所か…… 現在の状況は鏡花さんがフィールドモンスター一体。そしてソウルが変らず2と結構俺にとって不利な状況だ。


「俺のターンドロー。」俺の今の所有ソウルは2。さぁ、ここからどうやって巻き返そうか……


俺はまず、ソウル2を支払い『真宵花』をライトフィールドへと召喚する。

「真宵花の能力『困惑の魔光』の効果で次の鏡花さんのターン、霊魂探偵の動きを封じる。そして闘争少年でライトフィールドに攻撃!」 俺のその言葉に頷くように闘争少年は鏡花さんのライトフィールドに切り込んでいった。

「これでターンエンドだ。」


[鏡花 制圧領域 0 烈火 制圧領域 0]


画面の右上に現在の状況がリアルタイムで流れてきている。まだまだ、2ターン目の終わりだというのに俺の心は未だかつて無い程に高揚していた。


「烈火様。そろそろ動かさせて頂きます。私のターンドロー。霊魂探偵を生贄にし、クリーチャー一体を召喚します! 来てください私の相棒! 『聖獣 白夜』」

鏡花さんのその声と同時に鏡花さんのセンターフィールドがけたたましい獣声で包まれる。


一言で言うなら壮大な……それでいて威圧感もある獣が俺の眼の前に立っていた。


「白夜の聖獣魂の効果で出したばかりでも侵攻できます。行って、 白夜! 『蒼天霞海原』」鏡花さんのクリーチャー白夜から放たれた攻撃はセンターフィールド以外の カードポータルを星の如く消し去った。

「次のターンで終わりですね。私はターンエンドです」


[鏡花 制圧領域 2 烈火 制圧領域 0]


どうする…… 鏡花さんの白夜は今まで出てきたクリーチャーとは比べ物にならない存在だ。


このまま負けるのか? ルールを知らなかったからと逃げる言い訳を作って……いやそんな事あってたまるか。負けるかもしれない。だが、負けるかもしれないからと諦める道理はない! なんでも良いのだ。この状況を少しでも打開できる何かがあれば……


「汝、我を求むるか…… 願いたるならば我が力を共に授かん……」そんな声が聞こえた。何故だろう。全ての記憶を忘れてる筈なのにその声だけはなぜだか懐かしい。

俺はその声に導かれるままデッキからカードを引いた。


『よく我を再び見つけ出した。さあ、共に闘おうぞ』その声と共に俺は言い放つ。


「クリーチャー一体を生贄にいでよ! 『邪霊龍 七楽』」 名前なんて知らない筈……なのに俺は前からずっと一緒にいたかのようなそんな気分を味わっていた。


俺が出した七楽はセンターフィールドへと飛び乗ると俺に聞こえるように言葉を放った。

『主よ。我は汝と共にある。さぁ、共に勝つのじゃ』


七楽は普通のカードじゃないのだろうか。七楽と会話した後、俺の眼の前には見たこともない景色が広がっていた。これは七楽が観ている景色か? これが七楽が言っていた共に闘うってことなのか……


行くぞ七楽……


「鏡花さん。すまないが逆転させてもらう! まずは七楽の効果でこいつは出したターンに攻撃できる! そして行くぞ七楽、魂を踏み倒せ! 『魂食い《ソウルイーター》』! まずは鏡花さんのレフト

フィールドに攻撃!」その攻撃でレフトフィールドのカードポータルは消滅する。

だがまだまだ終わりでは無い。


「七楽の能力『魂食い』の効果発動! ソウルを1支払い再び攻撃可能な状態にする! 次はレフトフィールドに攻撃だ!」


『承知』そんな声が聞こえるように七楽は鏡花さんに攻撃を仕掛けていく。


「ソウルがある限り、やまない螺旋攻撃ですか……けど、簡単にはやられませんよ!

呪文発動! 『桜吹雪 往々の舞』 七楽の動きを止めさせて頂きます!」 呪文なんてあるのか……だが無駄だ。


「ソウル1を支払ってもう一度攻撃する。これで終いだ、鏡花さん。『魂霊跋扈』」


「やっぱり…烈火様は記憶をなくしても烈火様ですね……」鏡花さんのその声は七楽の一声によってかき消された。


そして……『西園寺鏡花の領域消滅を確認。KW勝者 御剣烈火』そんな機会音声とともに初めての試合は終了するのだった……


☆☆☆

「よっしゃァァァァ! 」 初めてのカードゲームに初めての勝利……俺は今、シンプルに楽しさに心を躍らされていた。 こんなにKWって楽しいものなんだな……


「鏡花! 俺にKW教えてくれてありがと! あっ、すまない……鏡花さんだったな。」その言葉に少し驚いた顔をした鏡花さんは笑みを浮かべてこう言った。


「烈火様。どうか私のことは鏡花とお呼びください。」

鏡花さん、いや鏡花がこう言った日のことを俺は絶対に忘れないだろう……


★★★★★★


『さて、次回のKWは?』


『生まれて初めての場所で初めてのゲームに勝利した烈火。ゲームの面白さに目覚めもっとゲームしたいと思った束の間今度は幼馴染?!』


『私は……記憶が戻った後のあなたの方が好きよ……』


次回! 第2話 VS命! 強強幼馴染現る!



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