どうやら俺は悪役らしい〜超ど級初心者のカードゲーム世界の生き抜き方〜

黒鉛(旧俺は弟二代目)

プロローグ

『転生』と聞かれても誰だって空想の産物だと一瞥する。よくライトノベルで転生ものは人気を博してるがそれはされどフィクションだ。現実に起こることなど絶対に無い……そう思っていた……


☆☆☆

「烈火様! 」少女の声で目を覚ました俺は見たことも無い景色に困惑していた。豪華なシャンデリラに洋風の机 ……

俺が暮らしてたはずの地球ではない別の世界……もしかして転生? そんな風に考えていると、俺の頭を激しい頭痛が襲った。俺の今までの記憶が無くなるかのような痛み……


「此処はどこだ……」痛みが収まった後、俺はそう呟いていた。あの痛みのせいだろう。さっきまで思い出せた筈の地球の事が空洞が空いたかのように思い出せなくなっている。俺の記憶にあるのは急に現れたこの世界がカードゲームの世界という情報と俺が悪役であるという情報だけ……


「すまない……記憶喪失になってしまったみたいだ……失礼だが俺に此処が何処だか教えてもらってもよいだろうか」


「記憶喪失に…… はい、分かりました。私は烈火様のそば付きメイドである西園寺鏡花と申します。貴方様は御剣財閥の

御曹司であられる御剣烈火様です。」


御剣財閥か…… なにか頭の奥に引っかかるようなものを覚えるがそれは形にはならない。

「鏡花さん……すまないけれどKWのルールを教えてもらえないだろうか……」俺の頭の中にあるゲーム。『カードウォーズ』通称KW。このゲームの名前とカードを使って行うゲームなのは分かっているが詳しいルールは全くといっていいほど忘れてしまっている。いや、覚えてないといったほうが正しいか……


「烈火様……本当にすべて忘れてしまったのですね…… 1週間後には命様との親善試合もありますのに…… 分かりました……一旦ルールを一緒に確認していきましょう」

そう言って一区切り置くと鏡花さんは再び話し始めた。


「カードウォーズ通称KWの勝利条件は3つある領域を全て制覇することです。領域には3つのガードポータルが存在し、プレイヤーはクリーチャーを召喚することで3つあるガードポータルを破壊することができます。ですが、話してるだけだと分からないですよね。一回実践してみましょう。私のあとに通じて喋ってください」


領域起動フォートレス


鏡花さんのあとに続いて俺も言葉を放った。「領域起動」その瞬間、俺と鏡花さんとの間にボードのような空間が現れた。

そのボードは俺の眼の前に3つほど展開されると光を放ち固定される。


「さあ、チュートリアルを始めましょうか……」鏡花さんのその言葉で俺にとって初めてのKWデュエルが始まるのだった……

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