第5話
「聞いていないのは当然、今初めて言ったんだから」
「そうですけど、私には、無理ですわ」
「大丈夫!私が手取り足取り教えてあげるからさ、アイラさん、ふっふっふ」
何やら怪しい手の動きしている。
「マリア、怖いですわ」
「後藤さんがこの会社をこの先、引っ張っていくんだから頼むよ」
「そんなにわたしを評価していただけるのはありがたいですけど、副社長や他の幹部もいますし」
「さっき社長にも伝えたけど社長以外の上層部は、経営不振の責任をとって辞任してもらう予定だよ」
「思い切ったことをしますわね」
「けじめをつけないと社員に示しはつかないからね、それで、後藤さんには副社長に推薦しといたよ」
「なっ!なんてことですの!いきなり副社長ってそんな大役は無理ですわ!まだCMに出た方がマシですわよ!」
「ではCM出演オッケーということで」
「あっ!」
ふと、何かに気がついたアイラ。
「ぐぬぬぬ、計りましたわね、分かりました出演しますわ、ですが副社長はやらないですからね」
「わかった、わかった、でも最終的に決めるのは社長だから」
「うまく行ったな、マリア」
敬は小さな声でマリアに喋りかけた。
「策士、敬」
「2人とも何かいいましたか?」
「なんにも」
「なんでもないよー、じゃ後藤さんCM収録しに行くよ」
「はぁー、大変なことになりましたわ」とマリアについていくアイラ。
◇
撮影現場
監督「はーいカット、2人とも良かったよ」
「あー、疲れましたわ」
「はははっ、アイラさんお疲れ様ー、初めてにしては上手だったよ♩」
「どうもありがとう、お世辞でもうれしいですわ」
◇
完成したCMはこちら
〜🎵
軽快な音楽とともに、会社の前でスーツ姿のアイラとマリアが売れ筋ベスト5を持って登場。
マリア「海外から国内商品まで何でもあなたのもとに届く‥」
アイラ&マリア「「白川カンパニー!」」
◇
社長室
社長「原田くんと後藤くんのおかげで少しずつ経営状況が改善して来たよ」
「よかったですわ」
社長「それでだね、後藤くんを副社長に会議で決定したことを報告しとくよ」
「なんでですの!原田さんにあれほど無理と言ったのに」
社長「あれ?原田くんから後藤くんが副社長をやりたいと強く要望があったと聞いていたが」
「あの男!またまた私を欺きましたわね!」
地団駄を踏むアイラなのでした。
◇
一方その頃、敬の会社
「敬、もしこれだけやって会社の経営が上手くいかなかったらどうするの?」
「後藤さんがいるから大丈夫だと思うけど、そうなったら‥‥ふふっ」
不敵な笑みを浮かべる敬なのでした。
「やだ、何する気?敬、こわーーいよー」
終。
赤字の会社を黒字にする方法 もっちゃん(元貴) @moChaN315
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます