黄昏時
ちむちむ
あの人とあの事
私は音羽結奈(おとはねゆな) 今年、高校一年生になった宮城県に住んでる人。私には、人に言えない過去がある。ただ、一人だけ、私の秘密を話した人がいる。
その人は、あの日、突然、いなくなった。
2021/3/27 四葉小学校の卒業式の日。 そして、あの人と出会った日。
あの人は、卒業式にも関わらず一人ぼっちな私に声をかけてくれて、写真まで撮ってくれた。たぶん、誰かの卒業を祝いに来た中学生だろう。制服が、私の通う中学の制服だったのだ。それから、連絡先も交換して、月に一回、27日に会うようになった。次第に仲良くなってきて、恋とかなんとかの気持ちを感じるようにもなった。ただ、その人は名前も、住んでいるところ、兄弟とか、何も教えてくれなかった。
2024/3/27 もう、あの人と出会って3年ぴったり。私の中学は卒業式を終えた。もちろんあの人も来てくれるよね。中学校、教えたもんね。
でも、来なかった。最後にあったのは3/10、コンビニで偶然会った時だ。だから私は、あの人と会えなかった2ヶ月間、とても悲しかった。どうしてかな。
よく考えてみれば、あの人にはところどころおかしいところがあった。制服のネクタイと、校章が今のと違うのだ。「光学園 制服 校章 変わった」
調べてみると、校章は2011年の新学期から変わったそうだ。どうして、あの人はいなくなったのか。
・・・時は過ぎて・・・
今日は3/11 東日本大震災の日 学校でも、さんざん聞かされた。私は宮城に住んでいるから、震源地あたりってことになる。なんかわかってきたかも
部活がなかったから、やっとできた友達とゲーセンに行った帰り。夕方5時ごろ。目の前には、あの人がいた。でも、全身傷だらけで、なにがあったのか。
「俺は、もう君のいる世界には生きていないんだ。東日本大震災で亡くなった。何年前かも、数えられないや。時間が狂っちまう。お前の小学校の卒業式の日、きっと時差が起きたんだ。俺はお前が好きだ。お前の中学卒業見てみたかったな。俺の名前は晴人よろしk」
「え。。?」空を見上げると、太陽が沈んでいた。国語で習った気がする、さっきみたいな時間を黄昏時って言うんだっけ。あの世とこの世の境目がなんちゃらかんちゃって言ってたっけ。
そっか。とっくにいなくなってたのか。私はなぜか素直に受け入れられた。でも、なんか、寂しいな。
私は太陽が沈んだ夜空に向かって叫んだ
「はるとさーーんありがとう!どうかー安らかに!」
黄昏時 ちむちむ @timutimu199500
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