第2話手
しっかりと繋いだ手と手。
もう離さないというように、手のひらが吸い付くようにそして前を向いて歩いて行くはずだったのに。
少しずつ手は繋がっているのに。
ピッタリと引っ付いていた身体に隙間が出来て腕がだんだん伸びて
「ねぇ。腕が痛いよ。手と手が離れちゃう‼️」
「ねぇってば!」
聞こえてないように前に進む。
目の前に現れた分かれ道。
「えっ!同じ道に行かないの?」
尻込みする私に気づかないようにまえに進む。
別々の道を進む。
そして繋いでいた手と手が離れた。
離れた勢いで思わずよろけて転んでしまった。
泣きながら立ち上がり、繋がっていた手のひらを見つめ不安に思いながら前へ進む。
顔を上げ前を見るとふたつに別れた道がまたつながっている。
繋がっている道の先を見ると彼が微笑んで手を差し出している。
涙をグイッと腕で拭いて彼の元へ走る。
そして「エヘッ」と笑って彼の顔を見上げる。
私の頭をポンポンと叩いて手を繋ぐ。
また、しっかりと繋げられた手と手。
また離れる時はあっても先には差し伸べてくれるてがある。
今度は私が先に手をさし伸ばして待てるように頑張ってみようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます