第2話手

しっかりと繋いだ手と手。

もう離さないというように、手のひらが吸い付くようにそして前を向いて歩いて行くはずだったのに。

少しずつ手は繋がっているのに。

ピッタリと引っ付いていた身体に隙間が出来て腕がだんだん伸びて

「ねぇ。腕が痛いよ。手と手が離れちゃう‼️」

「ねぇってば!」

聞こえてないように前に進む。

目の前に現れた分かれ道。

「えっ!同じ道に行かないの?」

尻込みする私に気づかないようにまえに進む。

別々の道を進む。

そして繋いでいた手と手が離れた。

離れた勢いで思わずよろけて転んでしまった。

泣きながら立ち上がり、繋がっていた手のひらを見つめ不安に思いながら前へ進む。

顔を上げ前を見るとふたつに別れた道がまたつながっている。

繋がっている道の先を見ると彼が微笑んで手を差し出している。

涙をグイッと腕で拭いて彼の元へ走る。

そして「エヘッ」と笑って彼の顔を見上げる。

私の頭をポンポンと叩いて手を繋ぐ。

また、しっかりと繋げられた手と手。

また離れる時はあっても先には差し伸べてくれるてがある。

今度は私が先に手をさし伸ばして待てるように頑張ってみようかな。



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