第5話

時は、夕方5時55分頃であった。


ところ変わって、有希子ゆきこの実家の台所にて…


勝手口に近所の奥さまがいた。


奥さまは、ややいらついた声で家の人を呼んだ。


有働うどうさん〜、家の人はいるの〜」

「は〜い…」


家の奥から有希子ゆきこの声が聞こえたあと台所にやって来た。


勝手口の応対は、有希子ゆきこが出た。


「ああ、お向かいの奥さま〜」

「ああ、娘さんだったわね。」

「はい。」

「あんたー、お向かいの盛田もりたさんが回覧板はまだですかと言うてたわよ!!」

「すみません〜」


有希子ゆきこは、大急ぎで回覧板を取りに行った。


それから数秒後であった。


有希子ゆきこは、みどり色の回覧板を奥さまに手渡した。


「どうもすみませんでした~」


回覧板を受け取った奥さまは、変な目つきで有希子ゆきこを見ながら言うた。


「ちょいとあんたー〜」

「はい?」

「あんたーのおとーさんはなにを考えているのよ!?」

「なんのことでしょうか?」

「なんのことでしょうかじゃないでしょ!!…あんたーのおとーさんは計画性がないからダメね!!」

「奥さま、それはどう言う事でしょうか?」

「おととい、家にハウスドゥの人が来ていたよね…」

「それは母から聞きました…奥さまは、うちらに対してなにが言いたいのでしょうか?」

「あんたーのおとーさんは、なんでハウスドゥを利用したのよ?」

「奥さまは、うちらに対して言いがかりをつけるのですか?」

「つけたくなるわよ!!三十数年かけてローンを払い終えた家をバイキャクした…なんでもったいないことをしたのよ!?」

「奥さまは、うちがリースバックを利用したことをヒナンするのですか!?」

「ヒナンするわよ!!あんたーのおとーさんはあとあとのことを考えない性格だからダメオヤジと言うてるのよ!!」

「それはいくらなんでもいいすぎです!!」

「フン、知らないわよ!!」


奥さまは、ものすごく怒った声で有希子ゆきこを攻撃した。


「あんたー!!」

「奥さま〜」

「話かわるけど…あれ、何日か前だったか覚えてないけど…あんたーのおとーさんが3軒どなりのタネダさんカタのご主人から8トラのカラオケ機器を借り入れたことで文句があるのよ!!」

「えっ?父がタネダさんのご主人から8トラのカラオケ機器を借り入れたって…」


奥さまは、ものすごく怒った声で有希子ゆきこを攻撃した。


「しらばっくれてもダメよ!!」

「奥さま、アタシはその時ここにはいなかったので分かりません!!」

「ますますはぐいたらしいわね!!」

「奥さまは、なんでうちを攻撃するのですか!?」

「あんたーの父親が犯したあやまちは、娘であるあんたーがつぐなうのよ!!」

「奥さま!!いくらなんであんまりだわ!!」

「なにいよんであんたーは!!…あんたーのおとーさんは、タネダのご主人に対して『キャンプで使うから貸してくれ〜』と言うた…その後、機器を持ってどこかへ行こうとした…うちはあんたーのおとーさんのあとをつけていったのよ…あんたーのおとーさんは、商店街にある質屋シチに入った…あんたーのおとーさんは、タネダのご主人が大事にしていた8トラのカラオケ機器を質入れしてカネに換えた…その後、朝倉にある舟券フネの売り場へ行った…そのあげくに、スッテンテンになったみたいね…」

「奥さま!!やめてください!!」

「なにがやめてくださいよ!!…他にもあんたーのおとーさんはよぉけ(たくさん)悪いことしているのよ!!」

「やめてください!!」


奥さまは、よりし烈な怒りを込めながら有希子ゆきこを攻撃した。


「あんたーのおかーさんもおかーさんでダメねぇ~」

「奥さま!!それはどう言う事でしょうか!?奥さまはうちの母も攻撃する気ですか!?」

「ええ、そのつもりよ~」


奥さまは、よりし烈な怒りを込めながらともえの悪口を言うた。


「あんたーのおかーさんは、ええとこの家の生まれよね…」

「奥さま!!」

「あんたーのおかーさんは、周りから蝶よ花よとめでられてそだった…だから甘ったれになったのよ…」

「やめてください!!」

「なにがやめてよ…まあいいわ…話かえるけど、タネダのご主人が連休が明けたらサイバンショにテイソすると言うていたわよ〜」

「サイバンショにテイソする…それって、父を訴えると言う事ですか!?」

「言わなくてもわかるでしょ…」

「いくらなんであんまりです!!」


奥さまは、よりし烈な怒りを込めながら有希子ゆきこを攻撃した。


「あんたーね、自分の顔をかがみに写して見たほうがいいわよ~…あんたーのおとーさんがゴクアクニンになった原因を作ったと言うことに気が付きなさいよ~」

「奥さま!!」

「あんたーのおとーさんは、まわりの人間にさんざんきらわれていることがわからないみたいね…あんたーのおとーさんがタネダのご主人にイソンし続けた結果、まわりの人間たちはあんたーのおとーさんをさけるようになった…それが分からないからあんたーのおとーさんはもうダメね~」

「ひどい!!ひどいわよ!!」


奥さまは、さらにツウレツな言葉を有希子ゆきこにぶつけた。


「あんたーのおとーさんは…(要介護度)4だったわね…(要介護度)4と言うことは一刻も早く手を打たないとダメと言うことよ…分かってるのかしら…」

「やめてください!!」

「なにがやめてよ…あんたーね、手遅れにならないうちにあんたーのおとーさんを始末しなさいよ…きのう…お向かいのご主人が(JRの)線路に立ち入った事件を犯したのよ…お向かいのご主人は重度の認知症で(要介護度)4よ〜」

「やめてください!!」

「うちはあんたにチューコクしているのよ~」

「奥さま!!帰ってください!!」


思い切りブチ切れた有希子ゆきこは、奥さまを追い出したあとドアをしめた。


追い出された奥さまは、ものすごく怒った声で言うた。


「あんたー!!チューコクを聞き入れないのね!!どーなっても知らないわよ!!」


思い切りブチ切れた有希子ゆきこは、両手で髪の毛をぐしゃぐしゃとかきむしりながら怒り狂った。


サイアクだわ…


なんでうちの両親をボロクソに攻撃するのよ…


コンキョがないのに父が要介護度4だと決めつけるなんてドサイテーだわ!!


キーッ!!…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る