20:ひいらぎの詩 感想

 年下の男の子からの告白ですか……地元への帰省のたびに目にする柊ちゃんの変化や、柊ちゃんからの手紙と共に過ごす時間が経つと共に、ただ驚きや地元を離れる心細さだとかいうのだけでなく確かな好意へと変わり、数年越しでお互いの想いが実るこの感じ……いいですよね。

 この話、長編で何話かかけてじっくり読みたいタイプのお話かも知れませんね。筆者は成人漫画ばかり愛読しているのでそういう喩えになってしまうのですが、1話1話じっくりした歩みでストーリーが進みつつ、そして紆余曲折を経ながらも、着々とふたりの距離が縮まるのを仄めかすような展開で進んでいくような、しっとりする漫画ってけっこうあるんですよね。まぁその紆余曲折というのは大体、当初からの想い人以外の異性(寝取られとかそういうのでなく、離れているうち世界も隔たれた結果としてごく当然のように出会い、惹かれ、そして普通のふたりとして恋をしたりするやつですね)とかそういうものなんですけれどもね。

 そういう紆余曲折を経て、というよりそうした新しい恋をしているなかでも最初の想いを忘れることなく持ち続けていたりとかして、やがて最初の恋に立ち帰ったりしていくんですよね……いや個人的にはそういうのロマンチックでいいよねと思うタイプだったりするのですが、皆様はいかがでしょうか?


 3年の月日は決して短くないものの、柊ちゃん関連のことしか語られていませんからね……。本編の合間合間、書かれていないところまで考えてニマニマしてしまう、筆者のオタク気質がこれでもかと掻き立てられるようなお話に感服しながら、『ひいらぎの詩』の感想とさせていただきます。

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