16:コーヒーは、今日も胸焼けするほどに甘ったるい。 感想

 恋の悩みや恋にまつわる問題ごとを扱う「恋愛科」ですか……。家族や友人はおろか、昨今だと顔や素性の知れなさゆえの気安さを謳っていたはずのSNSで相談することすらどんなトラブルに発展するかわからないので、もしかしたら恋のお悩みについてはこういう「仕事」として対処してくれる人たちに診てもらうという形式の方が相談しやすいのかも知れませんね……社会派なお話かも知れない。

 恋愛相談というと、恋愛相談に乗ってもらうだけだったはずが、相手方の謀略か、あるいは優しかったり時には酷しいけど確かに自分を案じているのだとわかる言葉にほだされてか、徐々にふたりの距離が縮まって淡い思慕に、思慕が恋に、恋が浮気に浮気が本気に……みたいな展開も恋愛ジャンルの王道中の王道として昔から燦然さんぜんと輝いているような気がするのですが、現実でそれを期待して相談に乗っていたりするとたぶん「いい人止まり」が起きるので、恋愛相談に乗るときは純粋に相談者として乗りたいものですね。


 まぁ、とはいえ、もちろん診る側も人間ですからね。毎度毎度同じようなことを延々聞かされて、しかも冒頭の相談者のように自分の世界に入り込みながらだったりすると、作中の先生もまた「恋の悩みを抱える独身」なわけですが、たぶんそういう状況になくてもストレスになりそうではありますよね……。


 と、恋愛科について思うことを述べたところで、患者の相談にあてられつつ自身もある想いを抱えている先生と、そんな彼女を献身的に支える担当看護師(筆者の脳内では武内●輔さんボイスで再生されています)の関係性にね……こう、よさを感じてしまいますよね。

 というか、担当○○っていう概念いいですよね。筆者が慣れ親しんでいる「担当」はプロデューサーとかトレーナーとか(プロデューサーは一部作品のアニメ版のみ)なのですが、なるほど担当看護師……というか仕事面で支えてくれつつ自分への感情を秘めている部下というかサポーターというか……。なんだかシチュエーション系のCDやASMR音声でありそうですよね。あっ、もちろん全年齢のやつですよ!?


 と、あれこれ妄想しつつ……

 『コーヒーは、今日も胸焼けするほどに甘ったるい。』の感想とさせていただきます。

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