俺は今の世界から抜け出し、元の世界に戻る。そこにはアルケミアをはじめ、4魔王がいた。せっかくだし感想を聞こうかなとか思っていたら、シオンが飛び込んできた。
「つーかーさーさーまー!大丈夫でしたかー!」
なんかすっごくうるさい、一番最後に帰って来たんだから勝ったこと明確だと思うんだけどな。そもそもシオンはあの世界の中にいたんだから、わかると思うんだけどな。
「大丈夫だから一回離れて」
「はい!」
とりあえず。これで俺がニンゲンじゃないことはわかってくれたかな。魔王側が使うトリガーは、まだ改善点があるっぽいから俺が改造するか。
「とりあえず、俺の勝ちでいいな?」
「…ああ。こうなったら価値を認めるしかないかな。君の正体についても、僕より強い人間がいる可能性よりも、君が神であると考えたほうが妥当だからね」
「仕方ない」
「まあその通りですね」
「…認める」
「まっ。俺は知ってたけどな。あっ!やべ!」
「やっぱり、カラフトは司君とつながっていたのかな?かな?」
…カラフトが口を滑らせていたがそれを除いていい方向に話が進んでいるようだ。じゃあ次は、
「それより。俺的にはお前たちが使っているトリガーの改良をしたいののだが」
アルケミアが使っているトリガーに関しては特にすることはないが、カラフト達が使っているトリガーに関しては特別悪いというわけではないが、4魔王が使うにしてはスペックが低すぎる。そもそも戦闘スタイルとあっていない人、いや魔族か、もいる。だから、トリガーを一人一人に合わせて調節し、戦力アップを狙おうという魂胆である。他意はない。
「君にその昔の技術で作られたトリガーが改造できるの?」
「…同意」
「そうですね。あなたに改造できるとは思えません。この国の技術でも解析できなかったものです。さらに、だれが作ったのかもわかっていない。一人でできるはずがありません。」
…とりあえず今の会話で分かったことは、
1.トリガーは失われた技術、つまりアーティファクトであること。
2.トリガーの技術は今の魔族では解析不能
3.トリガーを作ったと思われるアルケミアは、記憶を失っている、もしくは自分が転生者で、トリガーを作った張本人であることを話していない
以上の3つのことがわかった。とりあえず、アルケミアと話してみる必要があるみたいだな。だが、その前に、俺がトリガーを改造できることを証明しないといけないな。
「大丈夫だ。論より証拠。とりあえず約束通り。カラフト、トリガーを貸せ」
「約束?何のことかな?カラフト」
「おい!司!今言うな!」
「それはすまなかったな。とりあえず貸せ」
カラフトはしぶしぶトリガーを取り出す。そのまま俺に投げ渡す。そんな粗末に扱っていいものなのか。とりあえず、
「それじゃあ、しばらく潜らせてもらうぞ。アルケミア、詳細はカラフトに聞け。オープン」
いちいち言うのがめんどくさいので、融合魔法を超省略して言う。そうして創造した世界に入る。
「それじゃあ始めるか。管理者権限により時間操作を実行する。」
取り敢えずこれで外の世界よりこの世界のほうが時間の進み方が遅くなった。後は、
「神撃覚醒、神滅覚醒、鬼神覚醒、獣人覚醒、創神覚醒、剣神覚醒、邪神覚醒、神剣覚醒、神葬覚醒、命神覚醒、創造化身」
こうして再び亜神となる。
「分析、錬成」
カラフトが使っているトリガーの構造を分析し、余分な部分を切り離し、必用なものを錬成する。これだけで、軽く5億年かかった。意外と精密にできていて、魔族の技術でも分析できない理由がわかった気がした。ぱっと見、一つ一つの仕組みに意味があるようには見えなかったからだ。だが、その深淵をよくのぞいてみるとその部品が持つ意味が自然とわかる。おそらく技術的には問題なくても、目のせいで何もできなかったのだろう。
「とりあえず戻るか」
そうして俺は現実世界に戻る。
「改造が終わったぞ。とりあえずテストをしたいから俺の世界で模擬戦やるぞ」
そういって魔人側とシオンを呼ぶ。ちなみに俺の世界へは魔法陣で移動する。カラフトは魔法陣に入ろうとするが、呼び止める声が響く。
「ちょっと待ってください!あなたごときにトリガーがどうこうできたと思いません!証拠を見せてください!」
ザシュは何を言っているんだ?そのために模擬戦をするんだけどな。気が動転してるとかか?
「そのために行くんだ。とりあえずこい」
そういうとザシュはおとなしくついてきた。ほかのメンバーもそれに続いて入ってきた。
「それじゃあ始めるか。とりあえず暴走してもいいように1回目は俺が改造トリガーを使わせてもらうぞ。予備のトリガーとかあるか?」
「いや。予備はないが俺たちが使っているトリガーはほかのトリガーと同じだからな。とってくるわ」
そういってカラフトは元の世界に戻った。時間にして5分後。カラフトが戻ってきた。意外と時間がかかったなと思ったら、どうやら警備体制についての相談を受けていたらしい。にしては早いな。こいつ、意外と優秀なのか?
それはともかく、始めるとするか。
「それじゃ、テストを始める。準備はいいか?」
「おう!ばっちりだ!」
「「トリガー起動(!)」」
俺とカラフトは、魔力体に換装された。その手には、それぞれ月光と月光(改)が握られていた。もちろん。俺が月光(改)を持っている。
「先手必勝!旋空!」
カラフトが早速攻撃をしてきた。早速なので俺も使うか。
「旋空・神速」
俺のほうが後に技を使ったが、先に切られたのは、カラフトだった。
今使ったのは、俺が改造したことで使えるようになった、名付けるなら、『旋空シリーズ』。旋空の派生形の技を使えるようになったわけだ。今回のは、単純に素早く打てるようになった旋空だ。
それはともかく、カラフトは、旋空をキャンセルして、回避をする。完全にはよけられず、左腕を深く切られた。だが、カラフトは気にすることなく再び旋空を放つ。的確に右腕を狙った旋空だったが、再び俺が放った旋空・神速の前にねじ伏せられた。今度はよけずに孤月で防いだ。そのまま勢いをうまくかわし、再び旋空を放つ、まあ孤月にはこれしかないからな。しょうがないっちゃしょうがないけどワンパターンになるからな。そこをカバーするために改を作ったのだが。とりあえず神速はもういいか。次は、
「旋空・刺突、旋空・十文字!」
旋空シリーズ、唯一の突き技、刺突。一瞬のうちに十字に切る、十文字。今回はこの二つを連続して使った。カラフトは突きをぎりぎりかわすと、旋空を放ち、十文字をわずかに遅らせる。再び旋空を放つ。今度は十文字に当てるわけでなく。俺に対してはなってきた。この状態で攻撃をしてくるか。最後に一回でも、というわけか。だが届かない。
「旋空・円之舞」
旋空孤月を自分を中心にして、円状に放つ。360度をカバーできる。最強の守り(笑)だ。
同時に、あくまで旋空なので、攻撃もできる。一石二鳥の技。ちなみに縦versionもある。ついでに使うか。
「旋空・縦円之舞」
こうして十字に360度カバーできる技となる。まあ、隙も多いが。実際、カラフトはすきをついて旋空を放ちながら間を詰めてくる。俺は旋空を交わしながら、最後の技を発動する。
「旋空・終之型・神・円・十・縦・突!」
最後の技というが、単純に今まで使った旋空シリーズを次々に使っただけだ。だが終之型を使うとためがいらない。つまり、短時間で旋空を素早く放てるということだ。カラフトは、最初は旋空を利用しいなし、かわしてきたが、そのうち対応できずにその身に技を受けた。どうにか耐えきったものの。体を動かすだけで消滅しそうになっている。魔力的にも、体の耐久力的にも限界だということだ。まあ、あくまで魔力体なので攻撃はしてくるだろう。
「まだまだぁ!せん、くぅう!」
カラフトは、最後の旋空を放つ。それは気持ち素早く、威力も上がっていた。
「さすがだ。一定の威力しか出せないトリガーを使い、技を一段階強力にして放つとは。お前の剣術は桁外れなのだろうな。だがまだ届かない。旋空・終之型・神・神・神・神・神。複合!旋空・カムイ!」
ちなみに、終之型は旋空シリーズを好きなように組み合わせて、連続して放つ技だ。今回は、神速を連続して放つ。これにより、神速の5連撃を放つ。別にこれがカムイというわけではない。同じ技を5回連続で放つとカムイと呼ぶ。カラフトはもちろんよけきることができずに強制的にトリガーを解除させられた。
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