「これ、街あるんですか?」

「分からん。とりあえず休憩だ」


あれから4時間歩いたが、街はおろか村すら見えない。魔王領はこんなに広かったのか。

俺たちは適当な場所に腰を下ろし、それぞれ飲み物を飲んだりしている。そうやってくつろいでいると突然前方に魔物が現れた。


名前:アンデッド・ゴブリン

レベル:23

ランク:B

スキル:不死


鑑定してみるとこのように出た。本来のゴブリンは


名前:ゴブリン

レベル:3

ランク:D

スキル:


という感じ。

強すぎん?何でいきなりBランクになってるんだ!?それに物騒なスキルが、、


不死:このスキル保持者は特定の攻撃の仕方じゃないとダメージを受けない


ナニコレコワイ!

幸運なのは倒し方自体は個体によって変わることはないようなので、そこは安心ポイント。

ちなみにその攻撃とは、光属性の攻撃のみ。ちなみに光魔法は勇者(天道)しか持っていない(光属性はエンチャントすれば誰でも使える)。ぶっちゃけ今説明してる暇ないんですけどね。


「ここは俺にやらせてくれ」

「わかりました」

「いいよー」

【いいよ〜】


シオンたちの許可は得た。さてと。


「雫魔法ダミードロップ、冰の剣、ドラゴンドロップ!」


分身と俺、2人でドラゴンドロップを放つ。単純計算で2倍の威力だ。

攻撃が地面とぶつかり砂埃が舞う。


「流石にやりすぎじゃないですかね」

「そうでもないぞ」


砂埃が治ると、ケロッとした顔でアンデッドゴブリンが立っていた。

なんか「え?なんかした?微風しか感じなかったわwwww」という表情までしてる。すごくムカつく。


「光魔法雷の剣、雷鳴抜刀!」


お望み通り光属性でぶった斬ってやったわ!属性武装の光魔法は光属性、雷属性、二つの属性を持っているのでアンデッドゴブリンに通用します。

奴は「そんな馬鹿な」という表情と共に消えていった。


「何だったんですかあいつ」

「アンデッド・ゴブリンというらしい。多分だけどアンデッド系のモンスターは基本光属性じゃないと攻撃通用しないから気をつけてね」

「了解です」

「オッケー」

【わかった〜】


そろそろ出発するか。






「ようやく着きましたね」

「ここまで長い道のりだったよー」

【つかれた〜】

「そうだな。早く宿取って休みたいわ」


あれからまた少し歩くと大きな街が見えてきた。ようやく辿り着いた。まじで疲れた(精神的に)。ちなみにアンデット・ゴブリン以降もアンデット系モンスターにはちょくちょくであった。当たり前のように父子のスキルを持っていたので、雷鳴抜刀しました。


「あぁ〜?人間が何ようだ?」


門の列に並んでいると。鎧を着た魔族が話しかけてきた。おそらく門番の役割をやってる兵隊だろう。


「魔王に会いに来たんですよ」

「っ!まさかお前!勇者か!?魔王を倒しに来たんだろ!」


なんか激しく勘違いされた。まぁ確かに勇者が魔王を倒すためにしか人間は来ないだろうけど。


「おい!誰か!魔王様を呼べ!勇者が来たぞ!」


あっ。魔王呼んでくれるんだ。手間が省ける。などと考えていると、周りの魔族が一斉に杖を構えたり剣を構えたり槍やら武器をかめ始めた。そりゃそうだよな。勇者だと思われてるんだから。


「みんな。絶対に攻撃だけはしないでくれ。あくまで避けるだけ。OK?」

「了解です」

「【わかった〜】」


そしてついに魔族たちが攻撃を仕掛けてきた。意外と全員強く、今の勇者たちだとすぐにやられるだろう。

俺たちはこれでも勇者より強いので余裕です。

迫ってくる件をステップで避け、槍をバレエのように避け、魔法をジャンプして避ける。この時エレガントなポーズと煽るような表情も忘れずに。何が言いたいのかというと、結構余裕あります。


「おいふざけてんじゃねえぞ!」

「なんかイラつくんだよその避け方!」

「その顔やめろ腹が立つ!」


魔族の皆さんには不詳なようです。まあ敵がそんなことをしてたら誰でも腹たつか。

そんなこんなで攻撃を避けていると、


「待たせてすまない。勇者はどこだ!」


という声が聞こえた。おそらくここの魔王がきたのだろう。


「貴様か。俺が魔王カラフトだ」

「どっかにありそうな島の名前だな」

「それを言わないでほしい」


ん?こいつ地球のことを理解しているのか?これはステータスを確認する必要がありそうだ。


名前:カラフト(転成体)

職業:剛力の魔王

レベル:100

体力:9000

魔力:6000

素早さ:6000

スキル:大剣術レベル7:身体強化レベル5:魔王流大剣術レベル6

カース:剛力化

加護:創造神の加護:大魔帝の加護


若干のネタバレがあるがあえて触れないことにしておこう。こいつは大剣を使うタイプの魔王か。

ザ・脳筋って感じのステータスだが、こいつが地球の知識を持っている理由もわかったのでまあよしとしよう。

気になるものがあるな。詳しく見てみようか。


カース:剛力化:剛力の魔王だけが得られるカース。発動中体力、素早さが2倍。1秒につき魔力を60消費する。


続いてカースとは。


カース:創造神が魔王に与えるもの。その魔王の二つ名によってカースは決まっている。


なるほどな。ぶっちゃけそこまで脅威にはならないが、大魔王に会わないといけないのでサクッと倒させてもらおう。


「岩魔法岩石の剣」


重さには重さってね。とりあえず思いっきり振り回す。


「身体強化、魔王流龍王牙。オラァァぁぁっぁぁぁぁぁ!」


一方のカラフトは魔王流とやらを使い攻撃をしてくる。どうやら龍の牙のように上と下から同時に攻撃してるように見える連続攻撃らしい。俺の剣とカラフトの剣がぶつかる。激しく火花を散らしながら剣を振ろうとするが、相手の方が力が強いようで全く動かない。なので


「ブースト・クワドラ」


ブーストさせてもらう。ようやく少し押し返したが、それでも拮抗してる感じだ。しかもブーストはあまり長く効果を保ってられないので、またそのうち不利になるだろう。しかし今はカラフトと会話がしたいのでそれでいい。


「おい。カラフト、俺はお前と少し話したいのだけd「うるさい。問答無用。魔王流奥義獄炎」」


無理なようです。その場で剣を一回転させしかも破壊の魔眼がエンチャントされている。なかなか強力な一撃だと思う。一歩後ろに下がれば回避できるけど。ちょうど隙ができたのでブーストに物を言わせた力技を実行する。封印状態の俺の使える技に中でもかなり上にの破壊力を持つ技だ。

「闘気流気の黄の型雷、黄の陣雷鳴抜刀、ブースト・ディカブル」

ブーストによる超強化で重い岩石の剣で相性が悪い闘気流(黄)を使う。結構力技だ。

カラフトと俺の剣がぶつかる。しばらく拮抗していたがお互いの大剣が粉々に砕けた。

どうやらお互いの技の衝撃に剣が耐えられなかったようだ。

俺はいくらでも作れるが、カラフトはもう剣がないので俺の勝ちで決まりだな。


「くそ!まさかこの剣が壊れるとは。これを使うしかないな。トリガー解放」


なんかどこかのワールドトリなんたらで使われそうなグリップを取り出してなんか叫んだ。結構危ないのでやめてほしい。

カラフトの周りに緑色のオーラを纏って、光の大剣を出現させた。なんか強そう羨ましい。あっ闘気流でもできたか。


「くっくっく。俺に玄武のトリガーまで使わさせるなんて。なかなかじゃないか。だがこれを使った俺は桁違いだ。秒で終わらせる。カース剛力発動!」


というと高速で切り込んできた。なかなか早い。だが、トリガーなんてカラフトのステータスには表示されてなかったけど。持ってたアイテムのおかげか。鑑定!


トリガー(玄武):4神玄武の魂を込めた武装用アイテム。使用すると緑のオーラ(身体強化)を纏い光の剣(月光)を召喚する。

月光:トリガー(玄武)によって召喚される剣。大きさ形をある程度自由に変えられる。


なんということでしょう。完璧とまでは言わないけど、武器の名前が、、、

とか考えている場合ではない鋭い斬撃が俺に迫っている。使いたくなったが、使わせてもらおう。


「俺は創造神を知るものだ。そのことで大魔帝と話がしたい」


俺に剣が当たる寸前剣が止まる。


「なんだと?それは本当か?」

「ああ。本当だ」

「その言葉を信じよう。もし嘘だとわかったら、その首を切る」


なんとか納得してもらえたようだ。


「ついてこい。大魔帝様がいる魔都まで案内しよう。その前に他の魔王にも連絡を取らしてくれ」


こいつ俺が勇者だったら卒倒者の情報をサラッと言いやがった。魔王はやはり複数人いるようだ。


「ああ。是非とも頼む」


いた方が都合がいいからな。


「ああ。助かる。ついてきてくれ。俺の城に案内しよう。連絡が取れ次第魔都に向かうつもりだが大丈夫か?」

「大丈夫だ」


こうして剛力の魔王の城に招待された。

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