第77話 大人な晩酌

タコパもお腹いっぱい食べ終え、案の定女子3人はお腹いっぱいでソファーで横になったり背もたれに寄りかかったり三者三様のくつろぎ方をしている。僕はたこ焼き器を洗っているところです。ちなみにたこ焼きの液は半分くらいしか残らなかった。ホットケーキの方は後半すっごい食べてなくなったよ。あんま作ってなかったとはいえ女子のスイーツは別腹というのをしみじみと見せられましたとも。


これからはゆっくり大人の晩酌タイムです。いい日本酒を買ってきてくれたので、このために色々買っておいたのですよ。イカの塩辛、ホンズワイの蟹塩辛、真鯛の酒盗、鮭とばの豪華セットがあります。やばいくらい豪華でしょう!これをこの間買ったなんかバイキングとかにあるでっかいお皿が小分けになっているものにいい感じに二人分盛る。


「桜、私も欲しい。」


「あれ、ナギお腹は大丈夫なの?さっきまでダウンしてたけど」


「桜が洗い物している間に復活したほか二人も。」


あれいつの間に。20歳は流石に回復が早い。相当たこ焼きにホットケーキミックスのたこ焼きスイーツも食べてたのにすごいな。僕はお酒飲むと胃がバグるタイプだからいっぱい食べれるんだよね。それに燃費が良いのか悪いのかこの体はいっぱい食べて大丈夫な体だから食を楽しめる最高の体なのですよ。


「セブンとスズは紅茶とかにする?クッキーくらいなら買い置きがあるけど」


「「お願いしま〜す。」」


「あなたたち一応体重とかその他諸々気にしなさいね。ライブとかは今過密に入っているわけではないから気にしすぎることはないけどね。」


「大丈夫ですよ社長。トレーニングはサボらずにやってますし、レッスンも休まずに出てますから!それにバラエティも今度の私のNOバディの収録以外でスポーツ系はありませんから」


「まあまあ僕も筋トレくらいなら付き合いますから今日ぐらい許してあげてくださいよ霧虎さん、はいどうぞ」


「ありがとう桜くん。かっこいい男の子にお酌されるなんて一年前の私に言っても信じないでしょうね。映画にも出てますます人気になっちゃうわね。」


僕の人格が入らなかったら絶対に会うことはなかったもんね。この世界の男性とあったことないからなんとなくわかるけど外出るのがそもそもハードル高いっぽいしこんな家に呼ぶこともないだろうな。半年くらいかなこっちの世界に飛ばされて、まだ男性と会ってないってなんぞや。


「ドラマの方はこれから色々出るわけではないですよ。今回は特別って感じですよ。事件のせいで色々頓挫してしまった部分もありましたから。」


「そんな!あの事件は桜くんは完全に被害者ですよ。で、でもでもあんまり良くはないかもしれないけど色々なことがあったおかげで今回一緒に映画が撮れて私的には万々歳ですけど。えへへ」


「あれ?赤星さん、まだ反省が足りないかしら。バレたのが同じメンバーだったからよかったけど違う現場であんなあからさまな態度だったら映画が台無しになるかもしれないのよ。」


「まあまあ霧虎さん、せっかくの楽しい時間ですからお酒飲んで楽しく過ごしましょうよ。映画の話は多分できないでしょうけど。今回も前の映画の時みたいにみんなで見に行くんですか?」


「いくよ。僕も世界で最初に桜の演技が見たいからね。」


うん。すっごいくっついてくるじゃん。煩悩退散煩悩退散!

まあ役得ですね。感謝は忘れませんよ。


「ちょっとナギくっつぎすぎだよ!って!今日いちだんと酔ってない?飲みすぎは良くないってなぎもそこまで酒豪ってわけじゃないんだから。社長と桜くんに合わせずに自分のペースで飲みなね」


「僕、酔ってないし。」


「凪沙さん酔ってま〜す。うちらみたいに紅茶にしなよ。な〜桜!」


「どさくさにまぎれてスズもくっつかない!」


両手に花とはまさにこのことですね。まあこの世界だと女性の両手に男性がいる状態のことだとは思いますけどね。


「ちょっと二人とも僕飲めないし食べれないんですけ〜ど。離して欲しいんですけ〜ど。もう少し遅くまで飲んだりするなら先にお風呂入ってくれば3人で」


「そうしようかな。ほら二人ともくっついてないで一旦お風呂入りに行こ」


「「ぶ〜〜〜」」


「はいはいぶ〜たれない!」


セブンがブウ垂れる二人を引きずってお風呂の方に向かう。嵐が去ったぜ。

ん〜カニの塩辛初めて食べたけど美味すぎて馬になりそう。日本酒も名前知らないやつだったけど美味すぎてやばい。これそマリアージュですね。多分


「ごめんね桜くん3人が騒がしくって。」


「ははは、全然。楽しいですよ以外に一人暮らしは人恋しくなるものですから。毎日だと考えものですけどね。」


風呂の方からバタバタと走ってくる音がする。

3人で楽しそうだことで。お風呂が広いのは毎日が最高ですよ。風呂が面倒だと思う人たちの気持ちは一生わからない気がするよ僕は。体も綺麗になって気分も体もスッキリするし湯船でゆっくり浸かりながらのひと時なんて最高に気持ちいいでしょうよ。最近は携帯持ってって小説読みながら30分くらい入ってるよ。


「桜も一緒にはいろ!!」


「ちょっと凪沙!自分の格好を気にしろばか!」


急にドアが開き一糸纏わぬ姿のナギが勢いよくドアを開ける。



「はい?」


『一旦スリープさせます』


え?なんて....い........


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「桜くん!......は〜気絶しているだけね。あなたたちとりあえずお風呂に入ってきなさい。体が冷えて仕事に支障が出てもいけませんから。お説教はそれからね。」


「「は、はい〜〜」」


「あ〜遅かった。社長うちは無実です!体冷えるんでお風呂ゆっくり入りますけど弁解させてくださ〜い。ほら二人とも行くよ」


「とりあえずソファーの方へ移動しましょうか。待っているのも暇だし残りの洗い物を終わらせますか。」

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