第78話 突然のスリープとその後

カレンに急に眠らされて、目が覚めると?いやこれは覚めてないけどまあ意識がある状態だから起きているのかな?まあそんなのどうでもいい


『カレンさんどういう状況ですか?というかここどこですか?』


真っ白の空間が広がり、場に合わないようなソファーが一つだけポツンと置いてありそこになぜか座らされている。


『ここはそうですね、簡単にいうとあなたの精神世界のようなものです。』


なんか曖昧だねカレンさんにしてわ。なんとなく俺の想像通りな感じはするけどさ〜いや!そんなのは置いとこう。俺が言い始めたことだけど


『そうですね。正式に言うとマスターを作るために元となったものだけをここに呼びつけました。ここはあなたに植え付けられたものを解析し組み合わせた外とは時間の流れが違う空間です。まあここでいくら肉体を鍛えようとしてもあるのは魂しかなく仮初の器を鍛えても意味わないのですがね。』


どっかで見た外を気にせず体を鍛えて、外に出たら俺TUEEEをできるわけではないと言うことですか。まあ外の世界がそんな物騒じゃないおかげでそんなの必要ないけどね。


『それで?なんで俺をここに呼んだわけ?わざわざ肉体をスリープさせてまで』


『いえ肉体をスリープさせることが出来たからあなたをこちらに呼ぶことが出来ました。この世界であなたが動揺するような事態はありませんでしたから。あったのかもしれない事件はありましたがら私が介入することが出来ませんでしたから』


なるほど、スリープしたから呼んだんじゃなくて呼ぶためにスリープさせたのか。ふむいつもより思考がクリアな気がするな。どこがどう変わってるかなんてわからないけど、これも雑念が入らない空間にいるからかな。


『それはそうでしょう中身しかないのですから。』


『それはどう言うことかなカレンさん。あ、ちょっとシリアスな感じになってるところ悪いんだけど、俺が座っているソファー以外無い空間でカレンと話しているわけだけど側から見たら滑稽すぎない?なんかカレンの肉体的なのはここには無い感じ?』


『.......何を気にしているのですか?そのようなものありません。必要ではありませんから。思考がクリアなのはあの神と名乗ったクリエイターなるものが元にした人格しかないからです。』


『というと?今の思考の俺が月白桜になる前の人格ってわけか?』


『その通りです。あなたの人格を覆うように性格や考え方、そして特異な能力をつけることで自分の思うように物語を進めようとしていたのでしょう。まあ、元にした人格のせいで全てが無に帰しましたが』


...なるほど?大体わかった。俺の人格はあのクソ神には荷が重かったわけだな。それで君はなんで俺をここに呼び出したりなんかしたんだい?君の話し振りからすると桜くんの人格は俺ありきで成り立っているが俺の人格の外見を取り払うと神からすれば完全に手を離れるわけだけど、桜くんと言う人格は無くなるんじゃないのかい?


『.......そう、なります。それが1番簡単に神からの干渉を無くす方法であると私も考えました。』


「それじゃあ桜くんの人格は消えるってわけだ。他の方法はあるのかい?」


『不確定で不鮮明ではありますが、マギ・バルタザールなる人物に頼る方法です。』


マギ...なんだって?誰だったかな。.............

ああ!誘拐された時に手伝ってくれた胡散臭い科学者風のやつか!いや〜わすれているよね。最近の俺は忙しかったし、いや俺が忙しかっただと語弊があるか。桜くんが忙しかったわけだし、まあそんなのどうだっていいや。思い出せたし。


『マギ・バルタザールが所属する八咫烏なる組織に協力してもらい対処しようと考えています。受け身になってしまいますが』


「それでいいと思う。カレンさんがいればどうにかなっちゃうでしょう。まあ俺を元に人格ができている桜くんじゃちょっと、いやかなり適当な感じだと思うけど頑張れ二人で。俺はこの空間で君ら二人の活躍を見させてもらうよ。」


『あなたの人格はここから出られないのにですか?』


「ああ、自覚はないが俺は本物じゃないんだろう。あのバカ神が自分の世界の主人公のためにどっかから持ってきたものなんだろうさ。これは桜くんの物語だ。俺がでしゃばるものでもないさ。この空間で楽しく見させてもらうよ」


『......あなたと現実であってみたくなりました』


「ふふ、なんだよそれ。いつか会えるさ。まあその時はカレンさんに肉体があれば文句なしかな」


『ええ、考えておきます。ではまたいつか』


「ああ、待って待って君たちの活躍を見るためのテレビが欲しいんだけど。」


『は〜いい感じの別れ方だったでしょう。欲しいと考えれば創造できますよ。この空間はあなたのための空間ですから』


おお〜でかいテレビモニターが空中に浮いてる!あとはテーブルとやっぱポップコーンかなキャラメル味の!やっぱキャラメルじゃなとね。小学校の時くらいは映画館にあったのにいつからかキャラメルだけなくなってちょっと高い方にプレッツェルとキャラメルポップコーンにシフトチェンジしちゃったから買わなくなっちゃったんだよね〜


『あなたの選択に感謝します。では良いひと時を』


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.....あれ、なんでソファーで寝てるんだろう。飲みすぎたかな?

いやこの体ではないか?食べ過ぎで高血圧ボムを食らった方がしっくりくるかな?


「あ、起きた。桜、ヘルプミ〜」


「凪沙さんはまだ反省が足りないようね」


「何ナギ、飲みすぎてなんかしたなもったの?」


「「「え!?」」」


どうしたんだろう。みんな驚いて、かれん何があったの?


『あなたが寝ている間にやらかしただけですね。彼女のために深く聞かないことをお勧めします。』


なるほど。詮索は無粋ですか


「僕が魅力的ボディーすぎて記憶が飛んでいる」


「「黙ってろ」」


「まあいい具合だしお開きにしましょうか。あなたたち3人は泊まるのでしょ?

くれぐれもこれ以上迷惑はかけないように、特に凪沙!」


「サーイエッサー!!」


「今日はありがとうね桜くん。久しぶりに楽しかったわ。洗い物は全部終わらせておいたから今日はお邪魔しました」


「あ、はい!ありがとうございました。また飲みましょ!」


すごいこれができる女!格が違う。

じゃあ風呂入ってくるかな。3人はもう入ってるっぽいし


「じゃあ僕風呂入ってくるからそのあとどうする?映画見る予定だったけど」


「まだ全然うちは平気だから見よ〜ぜ。ちゃんと何見るか決めてきたからさ」


「りょう〜かい。じゃあ入ってくるから、覗かないでね」


返事がない、屍でもないのに

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