第74話 正体バレは驚愕につき
やあどうも月白桜でございます。え〜なんか語りかけるのも久しぶりな気がしますが、前はいつだったかな?まあそんなことは置いておいて、みなさんお待ちかねの正体バレのシーンの撮影が近づいてきました。まあ、最後のクライマックスシーンを撮ってからなんですけどね。
監督とは色々話して、月影椿という女装姿の僕の役であるエヴァ・ヴァレンタインはこの映画では死んで幕引きにしようと決まったのです。結局のところは死ななかったというか脱出できたオチになるんだけどね。みなさんには先に言っておこうと思います。ネタバレするな?まあまあ、みんなのリアクションを楽しんでくれってことでよろしくお願いします。ではドラマの方へ行こうと思います。どうぞ!
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特殊捜査班第0係の面々に加えてエヴァも揃い重たい空気の中、本部長の櫟川が喋り始める。
「犯人はわかった。が、爆弾のありかがわからない。暗号は”人々が集い、響き渡る声に耳をすませ。だが、足音に隠されたものに気づけ。昼でも夜でも、絶え間なく輝く場所。『高さ』を求めて進め、そこから見渡せば、お前の目の前に全てが現れる。『迷い』は時を無駄にする。”とある。」
櫟川が、犯人の最後の声明を読み上げる。このような暗号の声明から犯人を捕まえまた犯人の最後の爆弾を処理しなければいけないのには訳があった。
ゼロ係は確かに犯人を捕まえることができた。しかし、それはニュークから逃げてきた犯人であり日本での犯行を行なっていた犯人を取り逃がしたのである。
「すみません本部長。私が犯人を取り逃がしたばっかりに...」
竜胆が自分の責任であると後悔しながら、頭を下げる。
竜胆と宇佐美のペアと、エヴァ単独の2班に分かれてそれぞれの犯人を追った。
エヴァ単独の方は何事も無くスマートに解決したが、竜胆宇佐美ペアの方は犯人を捕まえるのに失敗した。
「輝夜のせいではないわ。あれはああするしかなかったのよ。あの場で市民を見捨ててしまうのは警察官失格だもの。それにあなたが責任を負う必要はないは先輩の私の責任だから」
捕まえる一歩手前までは犯人を追い詰めた。しかし追い詰めた場所が悪かった。犯人は人が多いところに爆弾を仕掛ける傾向があった。爆弾は爆発させずにすんだが、爆発する様を近くで見ようとしていた犯人に直前で気づかれ逃げられてしまう。爆弾が仕掛けられたのは駅構内、行き交う人々がいるため発砲はできず。子供を人質に取られたまま電車に乗られてしまう。そして、そのまま電車で逃すわけもなく追いかけるが監視カメラでの監視も掻い潜り逃げられてしまう。
「は〜そんなにお通夜にならないでくださいまし。そもそも被害はゼロでしょう。しかもこの暗号さえ解ければいいのですから気負わずにいきましょう。」
一人くらい顔をせずに暗号と睨めっこをしていたエヴァが気の抜けた声で言う。周りの面々はそのエヴァの能天気なマイペースなところに呆気に取られる。
しかしこの1ヶ月ほどの短い間だったがこのエヴァ・ヴァレンタインはこう言うやつだったなと緊張が解ける。
「そうだな。まずこの暗号の場所は多分三つぐらいに絞れると思う。この犯人の傾向的に人が密集しているところに爆弾を仕掛けるはず。そして昼でも夜でも明るい場所で人がたくさんいる場所は、病院か遊園地、それともう一度駅の構内に仕掛ける可能性もある。」
如月が自分の考察を言うと皆が考えていることも同じような考えであったためあたりをつけその三つの場所に向かうことにする。この6人で犯人を見つけなくてはならない。見つけることができれば警察官を総動員することができる。
「ではわたくしが遊園地を担当しますわ。行ってみたかったのですよね」
遊園地をエヴァが担当する。その能天気な一言には誰も触れずに。
「では私と宇佐美先輩で病院を担当推します。あるとしたら東都の警察病院でしょうからそこに向かいます。」
「私も現場に出よう。東野木くんサポートは頼む。高さというヒントがあるなら東都タワー駅が濃厚だろう。では武運を祈る。各自犯人を見つけたら連絡し、そこに直ぐに集合できるようにしておいてくれ。」
櫟川本部長がそういい配置が決まる。
それぞれが覚悟を決め現場に急ぐ。しかし如月がエヴァに待ったをかける。
「エヴァ、ニュークの方からあなたに荷物がと解いていたわ。一応こちらで確認したけどあの装備は何?」
「あ〜やっと届いたんですの?ソーナにしては仕事が遅かったですわね。あれはわたくし様に作ってもらっている、突入時とかでの装備ですわ。内容は一応機密事項なので詳しくは聞かないでもらうとありがたいですわ」
をしてその場を離れその装備を着始める。今までエヴァが着ていた服とは違い体のラインが全く出ず特殊部隊の装備に見えなくもないが人混みに紛れても違和感がないような黒い服装で出てくる。
「では行ってきますわ。バイク借りてきますわね」
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そして場面は飛び遊園地の中に爆弾をエヴァが発見するがそこで犯人と鉢会ってしまう。
「動くなよ、動けばこのスイッチでそこにある爆弾を爆発させる。そうなれば私も死んじまうが道連れでここの近くにいる一般人まで巻き込んじまうぜ」
犯人が爆弾のスイッチをちらつかせながらエヴァを脅す。
こちらを脅しながら近づいてくればエヴァの実力ならボタンを押させずに無力化できるが近づいて来ずに話し始める。
「お前ら警察は無能なくせに自分たちは正義であると正義を振り翳してくる。虫唾が走るんだよ!お前らは私の親友を救えなかった!事件性があるのに被害が出てないからと捜査もせずに私の親友を見捨てたんだ。お前らが無能だってことを世間に知らしめてやる!」
話に夢中な犯人にこれ幸いにとゼロ係の面々を遊園地に招集する。
あとはただ時間を稼ぎ皆が来るまで待てばチェックメイトだと思いながら。
「その爆弾は特別製でな、その場所から動かしたりその蓋を取ろうとしたら爆発する仕様になっているんだ。私はここから離れた場所で見ていてやる。お前がこの建物から出てきたり他の奴がここの周りの一般人を避難させればこのスイッチで爆発させる。せいぜいそこで死ぬまでの時間を楽しめよ無能な警察!」
そしてその場から犯人が離れていく。エヴァは追いかけることはなく犯人に何かをなげそれを犯人が踏んで外にそのまま出ていく。犯人を追いかけなかったのはこの部屋に監視カメラと盗聴器が仕掛けられているのが分かったからである。あのまま後ろから犯人を押さえようとすればそれを携帯越しに見ていた犯人がボタンを押していただろう。
「.......万事休すって感じですわね」
そう呟くとポケットの携帯を監視カメラにわからないように操作する。
竜胆に先ほど犯人に踏ませたGPS付きのシールの位置を送る。
またなれた手つきでもう一つのところに何かメッセージを送る。
「水銀式、これは犯人のいう通り下手にさわれませんわね。
......は〜日本には休暇でくるべきでしたわね。まあ、それができればこんな面倒ごとのついでに日本には来ないのですけれどね」
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「犯人確認。先輩、爆弾のスイッチの方をお願いします」
竜胆が宇佐美に告げる。エヴァからの連絡により犯人の方位は済んでおり周りの遊園地にいる客は全て私服の警察官である。また爆弾の近くにいる客も警察官でである。
また爆弾が爆発した際の被害を計算したエヴァから爆発すれば周りのアトラクションにも被害が及ぶと考え犯人を捉える際は一般客をその場にととめ近くに私服の警官を配備し、すぐに避難できる様にしている
「合図は任せるわよ輝夜」
「はい.....3、2、1!」
「な!くそどうして場所がばれているんだ!」
犯人は遊園地を一望できる展望台に一般客の様に紛れていた。
しかしその周りに一般人は居らず完全に包囲されていた。
「確保!!」
「スイッチも押されていないわ!エヴァ!すぐその場から一旦離れなさい。
少しすれば解体班がその場に到着するわ」
「くそ!!あの刑事だけでも!」
犯人は抑えられながらもポケットの中のものを探り何かを押す。
すぐにどこかで爆発音が起きる。
「な!ひ、被害は!どこで爆発しましたか!」
「はっはっは!ざまあみろ無能な警察ども予定通り爆弾は爆発したんだ!被害は莫大なはず....な、なんであの建物以外なんともないんだ!あの爆弾の威力ならそばの観覧車を破壊できる威力だったはずなのに」
「エヴァ!エヴァ!すぐに消防に連絡を!犯人をお願いします。輝夜すぐに向かわなくちゃ!」
「は、はい!無事でいてエヴァ」
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「捜索はしていますが、遺体すら見つからない状況です。爆発の影響で海に落ちてしまいもう....」
「そ、そんな」
犯人は確保した一般人の被害も無いしかし1ヶ月という短い間だったが確かな信頼をしていた仲間の命がなくなった。ゼロ係は警察のお偉い方には賞賛された。自国のものの被害ゼロなのだ。ニュークの方には尻拭いをさせてしまった事への謝罪と犯人逮捕の感謝が送られた。
遺体がないかつニューク出身のエヴァにお墓を建てるのは違うかもしれないが自分たちのけじめのためにゼロ係の本拠地裏にお墓が建てられる。
そして皆が墓の前に立ち花を添える
「エヴァ、できる事ならあなたと日本の美味しい料理を食べたかったわ」
皆がけじめをつける。その顔は晴れやかではないがエヴァ・ヴァレンタインという一人の仲間を忘れずに進んでいくだろう。
場所は変わり日本国内にあるニューク基地に一台のプライベートジェットが止まっている場所に少々濡れているよく見ていた女性が現れる。
「は〜髪の毛がちょっと燃えてしまいましたわ」
『いつまでその口調と格好なんだよ』
繋がっているスマホから煽られる様に言われる。
「うっせ〜な!俺はプロなんだよ。誰が見てるか判らないだろ」
黒髪の女性が急に口調を変え怒り始めるがめんどくさくなり呆れ始める。
無人のプライベートジェットに座標を入力し、自動操縦でジェットが発進する。
『依頼ご苦労フォーテーセブン』
「禿げてもね〜し、バーコードもついてね〜よ。」
『621の方が良かったかな?』
「.......は〜うざい!こちとら苦しい変装でストレス溜まってんだよ。」
そういい奥の部屋に移動し、少し焦げ臭い服を着替える。
その格好は女性ではなく男性の格好で出てくる。
服装は黒のフォーマルのスーツで髪は白銀に輝いており日本人に見えていた女性の姿とはかけ離れていた。
「大体、なんで女装してわざわざ俺が出なくちゃいけなかったんだ。他にいるだろ捜査員なら。」
『貴方ぐらいじゃないかしら、犯人を捕まえて日本の情報を抜き取るのに何も悟らせない者は?』
「は〜嘆かわしい事だなまったく」
『帰ってきたら慰めてあげようか坊や』
「余計なお世話だよ」
プライベートジェットは止まらずに目的地まで進んでいく。
第0係の重たい空気とは反対に軽口を叩きながらニュークに向かっていく。
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「「「え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」」」
撮影現場にさっきまで邪魔しない様にしていた演者とスタッフの悲鳴が響き渡る。割れんばかりの悲鳴に顔を顰める僕。
「どうでした監督?」
「バッチリよ。本編の方では話している相手側はきちんとした声優さんにやってもらうけど、桜くんの演技は完璧だったよ。それに着替えもナイス早着替えだね。」
「まあ着替えの方は上着だけしか変えていないですし、化粧は水で落ちている設定だったのでかつら取るぐらいしかやる事なかったので我ながら早くできました」
監督と僕だけが撮影のことについて話しているが他の面々は再起動せず固まっている。まああの事件の被害者僕だからね。まさかこの3ヶ月一緒に撮影していたのが事件の被害者だとは思わないよね。これは映画の上映が楽しみだね。
『まあそれより、バラエティで共演した方々の方が驚くんじゃにですか?監督の計らいで上映前の収録のバラエティ番組は出演しますが、上映中の収録などはまったくないですからね。』
そうね、あとは上映前の登壇が最後かな?帰りがパニックになっちゃうから登壇後すぐに家に帰る様にしてもらえるらしいからお客さんの反応はじかに見れないのがちょっと勿体無いよね。
『まあそれはそうですね。そろそろ再起動しそうですよ皆さんが』
「さ、桜くんだったの?い、いつから?ママママってね。私家にあげちゃった?桜くんを?........Oh ジーザス」
「え、最後のシーンだけ月白くんだよね流石に」
「いえこの撮影期間中ずっと僕でしたよ。全然気づかれなくて演技の自信になりましたねほんとに。めっちゃ不安でしたけどね最初の頃は」
最初の1ヶ月くらいはほんとに不安だったな。ずっとカレンに相談してたし、監督にも不自然じゃないか結構聞きながらだったからね。
「最初の頃の桜くんは演技完璧なのにバレないかずっと不安がってたもんね。
いや〜みんなのリアクションが新鮮で監督は満足です。よっし!じゃあみんなで打ち上げ行こうか!あ、その前に澤木助監督!お花を」
「はい、では第ゼロ係の皆さんに月白君クランクアップで〜す」
「ありがとうございました!!」
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