第73話 初バラエティは緊張しますって(変装中)
「では本日の撮影は以上になります。また、石動さん、赤星さん、月影さんはこのあと収録がありますので打ち合わせのために局の方へ移動しますから急ぎ目でお願いします。」
朝から撮影で昼挟んでバラエティの収録なんてハードすぎない?
今回は二作品目だけど一作品目がトラブルがあって上映中止になったから、すごい勢いで色々撮影含め進んで行っているらしいから。
このハードスケジュールでも納得できなくはないけど精神的にきついですね。
体力的には全然大丈夫なんですけど。今日の収録はそこまでハードなものじゃないって言ってたし3人だけのやつだから何とかなるかな。
「では3人ともロケバスで移動しますから乗ってください。あっち行って打ち合わせ、化粧直し、衣装替えして16時ごろから2時間ほど収録の予定なのでよろしくお願いします。楽屋は全員一緒なのですみませんがよろしくお願いします。」
「はいわかりました。仮眠とかって取れますかね?」
「今が11時ですから移動して12時半1時間ほどなら仮眠が取れると思います。」
「セブン今日は収録で終わりでしょ?飲みにでも行く?月影さんはどうする?」
「いいですねわたくしは大丈夫ですわ」
「今日の収録確かクイズ正解でご飯食べれるのがあった気がするので、外で飲みだとあんま食べれないんじゃないですか?私の部屋でいいなら全然ウェルカムですよ」
「じゃあそうしましょうか。そしたら泊まっていいかしら。私明日仕事休みだから急いで家帰ることもないし」
「全然いいですよ。椿ちゃんはどうします?」
「私は歩いて帰りますわ。そこまで遠くないですし、泥酔するわけでもないと思いますから」
「OK〜」
ん?そんな飲みとか言って大丈夫とか思ってます?
大丈夫ですよ撮影開始から2ヶ月、一切バレる気配が無いですから。
カレンの言っていた通りでしたよ本当に。
何回か石動さんの家もセブンの家も行っているから心配することもないし。
家に帰る時はどうしているんだ?そんなの普通に変装解除で堂々と帰っていますとも。不自然?いやいやそんな事件も何も起こってないのに監視カメラの確認なんてするわけないじゃないですか。マジの緊急事態が起きたらカレンが何とかします!他力本願?そうでしょう、僕はそこそこポンコツですから。
------------------------------------------------------------------------
台本の確認よし、不測の事態はカレンの指示を仰ぐでよし。
は〜緊張する〜撮影はだいぶ慣れてきたんだけどバラエティは初だし、気負わないで大丈夫と言われたけど空気感がわからないから緊張するよね〜
今日のバラエティはアイドルと芸人さんのトークバラエティみたいなやつで最初にトークでその後のコーナーでクイズって言ってたし台本にも書いてたな。
ご飯は楽しみです。クイズは自力で頑張ります。
「では本日のゲスト、石動沙也加さん、赤星菜々子さん、月影椿さんの3人です」
「よろしくお願いしま〜す。」
セブンを先頭にスタジオのはじから登場する。
テレビからしか見たことのない光景に気分が高揚するが、やっぱり不安である。
「いや〜NOバディが二作品目をやるなんて最高ですね。私も映画館に観にいきましたけど面白かったですね〜まだ撮影開始から2ヶ月ほどしか経ってないようですけどどうですか感触とかは?」
MCの芸人さんが慣れた感じで喋り始める。
「好調ですね!前回の作品に負けないくらいのものに仕上がってます。新メンバーの椿ちゃんも初演技とは思えないくらいの迫真の演技でこっちも頑張らなきゃって毎回思ってます」
セブンが慣れた感じで喋り返す。こうやってみるとやっぱ芸能人なんだなと改めて実感する。テレビで見てたセブンだってなるね。
「細枝監督の作品というだけでハードルがあがっちゃうのに初の女優でしかも結構な配役なんですよね月影さん。」
「そうですわね。今回の作品だと0係の方達との絡みが多いですから日々学びですわね。先輩方にサポートしてもらいながらではありますが必死についていっている感じですね。あんまり喋りすぎるとネタバレしてしまいそうなので作品の方の説明は石動さんに任せます。」
最初から打ち合わせしていた通り最初に作品の告知をするために石動さんに話をふる。無難に返せたよね?
「ええ、先に告知になってしまいますが今回の作品はニュークから凶悪犯が日本に来てしまいそれに第0係が立ち向かうものになっていて月影さんはニュークから来た捜査員役で私たちと協力していくようなお話になっています。ちなみにまだ撮影中なので最後どうなるかは私たちも台本で読んでますがギリギリまでわからないのでネタバレの心配はあんまりありません」
「あ〜そういえば細枝監督は場の雰囲気とか作品をそこまで撮ってみてから変更があるかもしれないような俳優泣かせの取り方をするってインタビューで聞いた気がしますね。尚のこと初主演の月影さんは頑張ってもらわないとって感じですね。」
知らなかったというか僕は最後の場面で正体バラすからってのは知っているけど他のメンバーは知らないんだもんね。最後の場面は空白だったし。
「はい、ある程度はこうと決まっていると言われましたが初演技ですので不安でいっぱいですわ。」
「ちなみにそのエセお嬢様みたいな口調は素ですか?」
いや〜やっぱ言われるよね〜まあちゃんと監督と相談してどう答えるのがいいか聞いてきているんだけどね。
「いえ、役を抜かないように日頃から意識してしゃべっておりますわ。監督に役とのスイッチをするのは心配だからと日頃から心がけよとお達しがありましたのでこの喋り口調なのですわ」
「なるほど色々な苦労があるんですね。では最初のコーナに参りましょう。
日本料理デスマッチーーー!!!」
憧れていたあの企画!あっちの世界だと全然違う感じの番組のワンコーナーだったけど、どっかでテレビの企画はほぼ昔のものの焼き増しだって見たことあるけどどの世界でもおんなじ感じの番組があるのかな?
「このコーナーではクイズに正解することで名店の料理を食べることができますが、5人分しかなのでこの中の一人は食べることができません。ちなみに私は味見済みですおいしかったと言っておきます!」
芸人のMCの人がゲームの説明をし始める
どこかで見たことがあるな〜とやっぱり思います。
「いつもながらずるいぞ!」
「「そうだそうだ」」
モデルさんでバラエティ番組によく出ている人と元アイドルでバラエティに本腰?を入れてよく出ているらしい人がいつものお約束よろしくヤジを飛ばす。
「役得です。では第一問!一品目のものはあの行列ができる名店『雅-MIYABI-』の江戸前天丼です。」
お見えのVTRが流れる。うわ〜めっちゃうまそう。そもそも天ぷらがでけえよ。
外食とかあんまりできないから嬉しいぞこういう企画。
並んで食べるのも乙だけどこの世界だと軽いパニックになる気がするしな〜
「では問題です!日本の民間伝承で最も多くの種類が存在するとされる妖怪は何でしょう!」
うわ知らん。カレンを頼らず正々堂々頑張りますとも。
「おに!」ブー
はや!まずいまだあんまり空気感把握してないよ
「え〜と狐?」ブー
セブンも負けじと答える。種類がいっぱいいるのでしょう?
何だ雪女とかは違う気がするし泥田坊?ないな
いやここは無難に
「はい!かっぱ!」ピンポンピンポン
あ、当たっちゃった。さすが僕、やればできるこYDKですね。
尺?逆に最初に当てておけば他の皆さんが頑張ってくれるでしょう。
それよりも食レポが不安ですよ。ボキャ貧にならないように頑張らないと。
「正解した月影さんには『雅-MIYABI-』の江戸前天丼で〜す。
いや〜早かったですね。まあ簡単な問題ではあったんですけど、どうですかバラエティは!」
「難しいですわね。尺を稼ぐのは先輩に任せます。初食レポが心配で味がわからなくなりそうで心配です。」
「それは頑張ってとしかいえません。ではどうぞ」
「いただきます!...........」
「綺麗な所作でどんどん口に入っていきます。食レポするには詰め込みすぎでしょう。おい!バカなのか!先輩方どうにかしてくださいこの新人を!」
「は〜月影さんは美味しいものには目がないんです許してあげてください。
あの満面の笑みで大体わかるでしょう。」
「とっても美味しいです。特に天丼のタレが天ぷらもサクサクで最高です」
「ああ急に食レポを...自由かよこの新人」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます