第56話 思いもよらぬラブコール

事件からもう一週間か。意外に日常に戻るのは早かったな。

ゲーム作りも順調に進んでいるし、もう一個の方のシステムもカレンが孤軍奮闘中だし他の面でも僕のいるかわからないサポートはしているから筒がなく進んでいるんだよね。でも誘拐事件の方のニュークにある支部とかは全部押さえて全員逮捕できたってニュースでやていたんだけど加担していた人たちの方があんま芳しくないらしいんだよね。


『そうですね。捜査はしているようですが、なかなかうまくことが進まないようですね。証拠はありますが不十分な点もありますし、言い逃れられる部分が多分にあるようですので、まあ気長に待つしかないでしょうね。

実行犯は捕まっているのですぐに再開されることはないですから』


著名人とか大物政治家的な名前もあったらしいからね。

慎重に事を進めなければいけないのは事実だからな。

頑張れ警察!陰ながら応援しておきます!

配信の方は夏の長時間配信の目処も立ったからこの日常を謳歌するのが今の仕事ですからね僕は。


『マスター、電話が来ています。』


え、誰から?霧虎さんはまだ仕事でこっち帰ってこないって言ってたし、

バスケチームもろもろは今海外遠征って言ってなかった?

カラーズプラス石動さんはまだ色々忙しいらしいし他に誰かいたっけ?


『細枝監督からです。』


まじ?なんだろドラマとかかな?

まあいいや急な電話だし、そのまま聞けばいいだろ

携帯は〜あった!


「もしもし、月白です」


「もしもし、細枝です。急な電話でごめんなさいね。

頼み事があって急に電話したのだけど今時間は大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫ですよ。それで頼み事ってなんですか?」


「ええっとね。NOバディの映画の件の諸々の話ってどのくらい聞いてるかしら」


あ、やっぱその件なんだね。まあそれ以外ないか普通に。

ご飯食べた時も、男性として接しているというよりなんか一線引いているというか男女の何事かにうつつを抜かすよりより面白い映画を撮る!みたいな感じの空気感が伝わってくるぐらいの人だったし


「ええなんとなくわ。今回の事件でまだ映画をどうするかを決めあぐねていてそのまま上映再開して集客を呼ぶべきだという主張と佐武島の部分を全カットで差し替えるべきだという主張で割れていて、今回の映画の興行収入がすごかったから無くすのは勿体無いと全員の主張が揃ってはいるという話は赤星さんと石動さんから聞きました。」


「概ねその通りですね。で、私の主張は今回の映画の出来は素晴らしく思うけど、不快になる人が多くいるのが目に見えている現状そのまま上映を再開するべきではないと思っています。でも、問題部分をカットして取り直しをするべきでもないと思っているのですよ。」


なるほど?まあ映画見たけどすごく面白いものではあったけど問題の人物の部分をカットで取り直しはその場の熱量とかの不一致とか色々の問題があった元の映画に戻ることはないしね。それにそのまま再開しても角が立つと、まあそりゃそうだよな。


「それでキャストをほぼそのままで追加で何人か加えて世界観はNOバディのまま違う話を作るのが1番いいのではないかと私は考えているんです。上映中止したとはいえ興行収入がすごかったので赤字ではなく大幅な黒字であるんですよ。

そこで相談なんですが、私の作品に出てほしいというのが今回のお願いです。」


「う〜ん」


どう思うよカレン。今回の事件でカレン不在かつチート無しになったせいであんなことになったわけじゃん。それで幸か不幸かそれがあったおかげで次にそんなことがあっても無抵抗になることは絶対にないわけじゃん。それに今回の事件では僕の自業自得感も否めないわけじゃないですか。ちょっと負い目があるわけですよ。


『マスターが気にするものではないとは思いますよ被害者ですし。それにあのような稚拙な挑発であそこまでことが大事になるとも思わなかったのも事実です。

それに目立つことでもメリットもあります。あの神に手が出せぬほどになる可能性もありますし、ツクヨミの身バレを防ぐことも容易になるかもしれません。』


そうだよね。僕は受けてもいいんじゃないかと思うんだよ。

この話を受ける前から俳優も機会があったらいいかもとか思っていたわけだし。

なんとなく神様の誘導?みたいなのがなくなって月白の方でもアクティブになっていいんじゃないかと思うようになったしさ。


『そうですね。私の方も思考がクリアになったように感じることがありますね。受けるも受けないもマスターの自由です。私はそれを全力で応援するまでです。』


そっか。じゃあやってみるか!ツクヨミの活動もあるから縁のあるものだけを受けるみたいなことにはなりそうだけど、望んでくれている人がいるなら全力で答えようじゃないか。僕にはカレンもいるのだから。


「え〜と、無理なら潔く断っていいですからね。こちらも無理を通すことはしないですし、今回の事件の被害者の月白くんに負担が大きくなるのは目に見えているし、現場も女性しかいませんから私たちはあなたの意見を尊重しますから」


「はい。色々の問題があってあの映画が上映中止になるのも勿体無いと僕も思いましたし、せっかくの機会ですから拙い演技かもしれませんがお受けします。」


「ほ、本当ですか!ありがとうございます。では追って連絡しますね!

現場で会えるのを楽しみにしておくます」


「はい、よろしくお願いします。」


ふ〜忙しくなりそうだぜ。配信のこともあるし、予定の合わせはカレンに任せます!こういう映画の撮影とかどんくらいの期間かかるんだろうか


『3ヶ月ほどではないですか?』


そっかじゃあ、その撮影とか諸々が終わったぐらいのタイミングで初コラボイベントと洒落込もうじゃないか。時期もいい頃合いなんじゃない?それが終わったらリアルイベントの方を本格的にやっていこうか。


『了解しましたマスター』

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