ファンタジー特典もりもりで来たのに、貞操逆転世界ってまじかよ！

第49話 八咫烏

ポータル酔い？なのかこの急な展開で頭がついていかないのか

定かではないが、頭痛が治り始めた頃

その男”マギ・バルタザール”なる人物が喋り始める

「そろそろいいかい？

君の状況と、ここがどこなのかを説明したいのだが

少々長くなると思うからそっちの椅子に座ってくれ」

「ええ、大丈夫です。お願いします」

「まず君の状況だが、君の世界の創造主に妨害をされていた状況になる。

それを我々が世界から創造主を切り離している状況になっている。

それがどこまで続くかは相手次第なのだが」

世界の創造主？って僕のデータがどうこう言ってたあいつで

昨日の佐武島に乗り移っていたやつなんだろうか。

それに妨害って、被害に遭ったのは今回だけだよな

「具体的に妨害って何をされてたんですか？」

「思考操作だ。君に付与された異能を通して行われていた。

典型的なものだったがね。

創造主が思い描く展開にするために君の異能が没収された。」

「思い描くって？そもそも創造主ってなんなんですか？」

「ああ、そこから説明すべきだったか。

創造主とは私たちより上位の存在だ。神などと呼ばれているが

ただ単に私たちより位階が上なだけで普通の人間だ。

私たちはそれらを”クリエイター”と呼んでいる。

君の世界以外にも数多くの世界があるのだが少し前に変革が起こったらしい。」

何が何だか、クリエイターとか他の世界とか

難しい話は全部カレンに任せよう。

僕は肉体担当だし、頼んだ！

『話が通じる程度には理解してくれると助かりますが、

お任せくださいマスター。それにしてもここの施設はすごそうですよ。

私たちの世界の科学より発展していますし、

私でも何かわからないようなものがありますね。

明確な敵でないのなら極力協力することをお勧めします』

すっげ、カレンもう情報収集ですか。

バレたりしないの？

科学が発展しているならカレンみたいなAIがいたりとかありそうだけど

『問題ありません。

先ほど彼が言っていたように私はクリエイターに作られた存在です。

彼らとは位階が違います。

特別なことをしない限り干渉されることはありません。」

なるほど、まあ大体わかった。

話を戻そうか

「その変革により資格がない者達が世界を作れるようになってしまった。

自分の全てを注ぎ込んで一つの世界を隅から隅までこだわって作って

世界の傍観者である”クリエイター”になるのではなく、

世界を自分の意のままに作り変える”クリエイター”が生まれてしまった。

自分が作るテンプレートのままに主人公を操作する娯楽へと変わってしまったのだよ。」

じゃあ思考の操作はテンプレート通りに動かすためのものかな。

他人の人生を娯楽か....随分と傲慢なことで

今は大丈夫って言ってたけどまた干渉してくるなら

その対策もカレンと考えなきゃだな

「そういう奴らから世界を切り離し、元ある形にするのが我々八咫烏の使命だ。

そこで相談なんだが、私たちの仲間にならないか？

他の世界も救うために君の力を貸してほしい」

そうなるか、ここまで呼んだんなら。

どう思うよカレン。

『マギ・バルタザールなるものが嘘をついているような気配もありません。

協力関係なら良いのではないですか？

また神が干渉してき得るのですからその情報や兆しなどがわかれば良いのではないですか。協力して損になることはあまりないと思いますよ』

「ええ、できる範囲なら協力します。

その代わり僕の世界への神からの干渉などを教えてください」

「ああ、そのくらいお安い御用だよ。

これが通信用のリングだ、それとこれが説明書だ。」

箱に入った幅五センチくらいの縁が青色の黒い腕輪が入っていて

その隣に形はUSBだが先が無いものがある

USBっぽいものが説明書だろう。

「ようこそ八咫烏へ。歓迎するよ月白桜くん」

「ええ、これからお願いします。

それにしてもここは誰が作ったんですか？」

「ふむ。もっともな疑問だね。

ここはクリエイターに干渉された世界の人間が

上位者となって作った場所だよ。そしてその人に救われたもの達が

各々の分野を活かして発展させたのがここだ」

上位者になった？それってほぼ神になるってことだよな

.......やめよう、宗教関係は色々怖いから。

まあ”カレンを作ったのが神だから位階が違う”

みたいに最初から位階が違ったのか、はたまた

その世界のイレギュラーなのかまあ定かではないが

「マギさんはどうなんですか？

その人？と遭ったこととかあるんですか？」

「博士でいいよ。私というかここにいるものであったことがある人はいないよ。

君に最初に干渉したみたいに声だけの対話だがね。

そこで私みたいに救われたものが君にあげたリングのプロトタイプをもらい、

ここに来て他の世界への干渉の仕方を教えてもらい

今に至るというわけだ、八咫烏という名はその人にもらったものだ。

”ピッタリだろ、案内役として”と言われたよ」

『八咫烏、日本神話で神の使いとして登場する三本足のカラスですね。

ここを作った神になったものの使いで、マスターのような人たちの

案内人という意味ではぴったりですね』

説明してくれてありがとうカレン。

情報収集でなんか使えそうなものとかあった？

『ええ、大いに。八割方武器の情報でしたが。

八咫烏の仕事についてはそう重く考えなくて良いですよマスター

私が全てサポートしますから』

ありがとうカレン。

一人じゃ無いんだ、なんとかなる！と思う

「どのくらいの人数がここにいるんですか？」

「常駐しているのは私ともう三人だね。

協力してくれているのは十人程度だったはずだよ」

意外と少ない？もっといるのかと思った。

僕みたいに救われて〜みたいな成り行きで入る人もいると思ったけど

「少ないと思ったかい？そもそも君みたいなのは稀だよ。

自分の世界だけで手一杯であったり、協力するメリットがない

みたいに、それに優秀で無いものも中に入るからね。

世界によって色々あったりそもそも性格に難があったりするのだよ」

そんなもんか。グループの中に変なのが混ざると

そこから問題が起こるのなんて目に見えているからね