第48話 心持ち

太陽がもうそろそろで月と交代する時間になっても

お見舞いに来てくれた四人と話し込んでいた。

20時まで病院に入れるとはいえ、

ギリギリまで話していられるほど

この四人は暇ではない


内心ではギリギリまで話していたいと思っているが

それは退院してからまたゆっくり話そうと誓う


「じゃあそろそろ私たちはお暇するわね。」


「本当はギリギリまでいたいけど

これからラジオの収録があるからごめんね」


「退院したらまた桜の家でパーティしよ。」


「次はタコパな!」


「そうだね、もう明日退院だし

予定合わせて霧虎さんもよんでタコパしようね」


確かホットプレート買った時に

一緒にタコパできるようので買ったからあったはずだし。

とりあえず僕は明日の配信切り抜ければ

いつもの日常に戻るわけで


色々心配してくれた水樹さんたちも誘って

ご飯でも一緒に食べたいし

せっかくならあの屋上でしてみたいな


「じゃあ体に気をつけてね」


「うん、じゃあまた」


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みなが帰ってからそこそこの時間がたち

霧虎さんほか水樹さんにバスケチームのみんなに

無事であることを連絡した返事が来たのを

一個一個自分で返し終わった


『なぜ今度は自分で返したのですか?』


「え〜カレン進化してわかんないの?

僕の考えていることわかるんでしょ?」


「感情までは読み取れません。

どのような結果から全員に丁寧に返事をしたのかはわかりますが

それは知識として知るのであって理解することと同義ではありませんから』


難しく言っているけど、返信することについてはわかるけど

カレンが最初にやったみたいに全員に同じの送れば済むのに

わざわざそれをするのが理解できないってことかな?


「お見舞いに来てくれて、本当に心配してくれているんだなって

理解させられて、それに少しでも報いらなくちゃって

この世界にきてから心から信頼できるのはカレンしかいなくて


チートなんてもらったけど結局は僕は普通の人間で

常識外のことばっか起きて、思ったよりきてたんだと思うよ」


『まるで他人事みたいに言いますね』


「まあね〜前世とのずれがあってなんか自分をずっと俯瞰している感じなんだよ

簡単にいうとゲームのTPSみたいにキャラを動かしているみたいにね。

現実味がなさすぎるんだと思うよ。

ま!これからは地に足つけてツクヨミの方を頑張っていこうかなと」


思う存分チートフル活用でどんどん色々やっていこうかな

なんかファン還元できるイベントとかそんなのも企画していきたいな

人脈とかも必要になってくるからそこらへんも

好き嫌いせずにかんばっていきますかな

お金は引くほどあるし、カレンがいれば百人力なんだけど

それだけではいけないのが現実でありますからね


てかそんなことより謎の集団との接触だよ!

この世界に連れてきた神も不穏なこと言ってたし

全部包み隠さず教えて欲しいものだね


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「準備できたカレン?」


『はい、完璧ですね。始めますか?』


「うんお願い」


ちょっと緊張。流石に得体がしれないし

味方なのかなって思うけど、どうだかはまだわかんないし


『コール中です。正常に動いているようです』


カレンがいたからできたけど、

僕一人だったら冷静に対処できたかな?

う〜んそう考えると可憐に頼りまくりだな

優秀な相棒すぎてダメ人間になりそうだぜ!


『久しぶりだね月白桜くん。連絡してきたということは

無事あの状況を切り抜けてくれたということで良いのかな?』


『ええ、おかげさまで。それで単刀直入で悪いんですけど

あなたたちは何者なんですか?それに最後に乗り移ってきた神についても

教えてくれるとありがたいんですけど』


『すべて答えよう。しかしこの通信では少し不便でね。

今君の座標にステラポータルを開く、こちらに移動してから話そうじゃないか』


そういうと病室の中に星空を閉じ込めたような

黒くしかし煌めくどこかに繋がる入り口が開く

流石に怪しいけど、カレン解析できた?


『不可能です。私が知るよりも高次元のものです。

声の主を信じるしかありませんが、罠の可能性があります。

どうしますか、マスター』


いやここは信じてみよう。それしか道はない

あの神が敵なのであれば争う術が必要だ。

それはこのまま停滞していたら手に入らないものだ

一度助けられたんだ分の悪い賭けじゃないさ


『マスターの指示に従います。

何せ私は優秀な相棒ですから』


カレンがいれば怖いものなしさ!

いざゆかん!未知の世界へ!


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ステラポータルと言っていたものを潜ると

そこには大きなモニターが一つとその前に白衣を着た

痩せ型の眼鏡をかけた男が座っている


この男があの時そして先ほどまで話していた男だろうと

確信めいた勘がそう言っている

それにしてもまだ頭がぐわんぐわんする


「それはポータル酔いだね。初めまして

マギ・バルタザールだ、皆には博士と呼ばれている。

歓迎するよ月白桜くん。ようこそ我らが八咫烏のアジトへ」



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