第45話 身から出た錆

山道からこちらの山の中にあるコテージに

一台の車が向かってくる


「やっと来たか、とりあえずこの

狙撃銃かっこ、改造麻酔銃バージョンで依頼人以外は

速無力化と行こうか」


てか、こっから帰るのどうしよう

まあ普通に誘拐事件だからパトカーでブーンって帰るか

通報はカレンにお願いすればいいし

どのくらいで警察来るかな


『山奥ではありますが、天候が荒れていたり

土砂で道が塞がるなどもないため1時間ほどで

到着すると思われますが、男性を誘拐した事件ですので

相当の数の警察官が来ると思われます。』


そんな来るのかな?

そんなに警察が動いたら、マスコミがなんかしてくるかな?

何か起こったと思ってマスゴミ根性でついてきそうだけど


『その可能性はありますね』


だよね〜

っとついた感じかな。

黒いセダン?だったかあの車

まあ良く見るそういう人たちが乗るイメージの車だな


数はやっぱ3人

あれ?あいつってもしかしなくても

そうだよな、依頼人って....


は〜身から出た錆かな

この状況は、反省しよ

まあ、全てが終わってからだけど

さっさと終わらせて帰りたいけど何時間も拘束されるんだろうな

と言いつつまずボスっぽいゴツい方を一人


『そちらは多分運転手ですよ。集中して下さい

細身の女性の方がボスである可能性が高いですよ

助手席の方から降りてきましたから』


あれ逆?左ハンドルかよ

知らね〜よ車、あ〜気づかれて隠れられちった

仕方ないプランBだ


カレンは顔見たから色々あ〜だこ〜だして

誘拐犯の犯罪者グループの証拠の確保を頼むわ


『了解しました。この場面は録画していますので

少しでも情報を取り出して下さい』


無茶を言う。まあできる限り頑張りますか

今はコテージの屋上に陣取っているぞ!

こう言うのは高所を取るのがいいって相場が決まっているのさ

とりあえず、車をパンクさせるために

捕まえた奴らの拳銃でほほいのほい!


「お〜い、聞こえているかい、そこの犯罪者二人。

少しお話ししようじゃないか」


「私の部下はどうした!」


「それなら僕が寝ていた地下でぐっすり寝ているさ。

こちらにも強力な助っ人がいるんだ。

で、君らの目的はなんだい?」


まあ依頼者の顔を見てなんとなく想像は付くが

それにしてもあんなんでこれを引き起こすとは

初犯じゃないだろ絶対


「お前みたいな!生意気なガキを

お灸を据えてやろうってことさ!

どうせお前一人じゃ何もできないんだ!

さっさと終わらせて時間をかけて調教してやるよ!」


あ〜ご紹介します。

いつぞやのカスみたいな女こと

そう!特別上映の時にいたカスの佐武島ナンタラさんです

いや〜芸能界は魔界ですか?


こんなプロ集団、まあチートの前ではかたなしだったけど

普通こう言う伝とかないよな

俳優進出はこういうのも警戒しなくちゃいけないなら

考えものなんだけど

てか僕助っ人がいるって言ったよな?


「あ〜佐武島だったか?お前これが初めてじゃないだろ

普通、一般人に少し恥かかされた程度でここまでの大事に

行動を起こせるわけないよな?」


「っは!芸能界ってのは魔窟なんだこんなのは当たり前に

蔓延っているんだよ!お前も私のコレクションに加えてやるよ!」


おっと問題発言。

こりゃ誘拐犯から他の芸能関係者も芋蔓式に色々わかるんじゃないか?

これで隠蔽でもしようものなら


我らが天下のツクヨミ様に取り上げてもらおうかな

700万人も登録者がいて動画の方も1日で300万回再生は当たり前なんだ

告知からの緊急生配信で証拠と一緒に突きつけてやるぜ


「お断りさせてもらうよ。もう捕まる気もないしね。」


『全ての証拠を押さえました。そろそろ終わりにしましょう

警察への通報も終わりました。1時間かからずに到着しそうです

他の付随するゴミが多そうではありますが』


あ〜まあ予想通りだね。

まあしょうがないか、ここから颯爽と逃げるわけにもいかないしね

どう終わらせるか、ここからじゃ麻酔銃が当たんないんだよね車で


『インベントリで即殺しましょう。』


いや殺さないって、まあ多少なら何が起こったか分からずに

気絶したから記憶が朦朧として〜とかで誤魔化せるか

いやに静かなボスが気になりはするけど

じゃあさっさと終わらせますか。


黒い車が最初からなかったように、忽然と姿を消す。

流石のプロもこれには驚き一瞬反応が遅れる

それを逃さずに麻酔銃を撃ち意識を刈り取る


「さあ、フィナーレだ!」


寸分の狂いもなく佐武島の首に麻酔銃の弾が当たる。

これで終わりか、まああっけなかったな

車も戻しておくかな

どうやって警察に報告しようかな


『私が名無しの協力者として証拠などを集めたことにしましょう。

それが一番の言い訳であると思います。』


そうすればいいか。犯罪者の証言と噛み合わないとかあるかな?

全部僕が制圧しちゃったけど


『いえ、捕まっている間に入れ替わっていたことにしましょう。

あそこは暗かったので誤魔化せるとでも言えばいいでしょう。

警戒して下さい!佐武島の様子がおかしいです!』


佐武島が、吊られた人形のように起き上がる。

目には何も写っておらず、何かに取り憑かれている様に思える。

すかさず銃を構える。カレン!状況を頼む


「あんた誰だ?佐武島じゃあないだろ」


『予想通り何かに取り憑かれています。

1番確率が高いのは.....』


「君にとっての神だ。私の計画が台無しじゃないか。

この結末はつまらないから、君を削除したかったのだけどドドド

アアあのゴミども!ここまでのようだ

ではまた会おう、私のイレギュラー」


糸が切れたように、佐武島の体が倒れる

これで終わりの様だが後味が悪いし謎が増えた。

早く助けてくれた人たちに連絡を取るのが先決か


少し遠くの方でパトカーのサイレンが鳴り響いている

静かな森に似つかわしくないけたたましい音が近づいてくる

あれ?なんか音の数おかしくね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る