第42話 異能バトルは勘弁願いたい
体感で起きてから1時間ほど経って初めて
ドアが開きそこから光が漏れて
部屋全体が鮮明に見える
小さいランプの光しかなくほの暗い地下が
ドアからの光で全体が見え、隠れられる場所を探す
地下は6畳くらいで左端に階段で上がった所に鉄のドア
チートがある万全の状態で蹴破るのはほぼ不可能
行けるとしたら破壊できるだけの武器を作る他ない
段ボールがいくつか置いてあるが多分だが
この状況を打開できるような物が都合よくあるわけもない
結局はチート頼りってわけだが
使えない原因がわからない。
神様からのギフトだからカレンが言ってた監視していた
上位存在みたいなやつが何かしてきているか
僕以外にギフトをもらってギフトを封じるギフトをもらっている可能性
それか僕じゃ思いつかないような何かが起きているか
「あら、目を覚ましていらっしゃったのですね。
なかなか頑丈な体をしておりますのね。」
「あんたら誰でここはどこなんだ」
「言うと思いまして?依頼者が明日の昼頃に着くそうですから
それまでこの地下で気が狂わないように正気を保っててくださいね。
ほらご飯ですよ。まあその縄を解きませんからわたくしが食べさせますけど」
「目を覚ましていない可能性だってあったんだろ?
なんでわざわざここにきた?」
「そんなもの、捕縛チームが取り逃すほどの身体能力があるのですもの
そこらの男ほどやわではないでしょう。
まあ、起きていなくても明日の朝まで我慢してもらうだけですけどね」
は〜少しでも情報があるに越した事ないな。
明日の昼に俺を捕まえろと言ったやつが来て、
朝にもあそこの扉が開くならその時が抜け出すチャンスだ
このご飯は食べるしかないが、もし朝まで眠らされたら元も子もない。
状態異常無効さえ復活すればどうにかなるが....
そんな保証も何もない、万事休すか......
『あ〜あ〜あ〜、聞こえるか月白君。
聞こえているなら、心の中で返事をしてくれ。
くれぐれも目の前のやつに悟られないように頼むよ』
頭の中に直接声が響く。
いつも僕とカレンが話しているように
だが、声はカレンとは似つかわしくない年上の大人の男性の声が
「どうしましたか、ほら食べてくださいまし。」
「流石に食べずらいから体を起こしてくれ
壁際に運んでくれると嬉しいんだが?」
「ええそのくらいならいいですわよ。
あら、なかなかの筋肉をしておりますのね。
あの依頼者には勿体無いくらいの男性ですね」
「そりゃどうも」
僕がここから抜け出すにはこの声の人に頼るしかない。
どのみちここで頼らずに明日を迎えても抵抗できないのなら
かけるしかないんだけどね
『そちらは誰で今の状況を端的に頼む』
『ほう、これほど澱みなく会話ができ尚且つ
最初の言葉がそれとは有望株なんじゃないか?
..................わかっている時間がないのは
無駄話をしている暇がないらしい。
君に宿っている異能を全て解放するから
その状況を自力でどうにかしてくれ。
私たちが何者なのかは君の危機的状況を脱してから
君が望むならこちらから連絡しようでは
健闘を祈るよ。..........わかっている!ではまた』
『あ。おいちょっと!』
クソ何が何だかわからんが、異能?って多分ギフトのことだよな
それならこの状況をどうにか.....くそやっぱり睡眠薬入りかよ
眠く...なって....
『そのまま、眠るふりをしてください。
状態異常を無効化します。』
『おかえりカレン。短い家出だったね』
「ふむ、寝ましたか。明日の朝まで様子見ですね。
仕方なくはありますがこれほどの男性が自分のものになるなんて
あのゴミみたいな依頼主でも羨ましいですね。
彼が眠っている間に襲われて傷物にされるのも困りますから
特にあの駄犬は要注意ですね」
ずいぶん長い独り言だこと。
油断しているとはいえぽんぽん情報を出しすぎだと思うけどね
扉のすぐそばにさっきの女ともう一人
2階で寝ているのが二人、外で見回りしている二人で
計6人今ならどうにでもなるがどう思うカレン
『装備を整えましょう。依頼人が誰かわかればそこから追えます。
このまま逃げるのは可能だと思いますが、
逃げたところでもう一度捕縛に来るでしょう。
大元を立ち全てを排除するべきだと考えます。』
『危険じゃないか?』
『ええですが、このような状況がもう一度起こる可能性があるなら
潰すべきだと思います。その力は今し方取り戻しましたから』
まあそうだな、もう一回鬼ごっこかつまたギフトが急に消えるかもしれないしな
あの声の人たちがなんなのかは今は置いておこう
ギフトさえ戻ったのならいくらでもやりようはある
『わかった。じゃあ朝に来るやつをどうにかして
依頼人とやらが来る前にここを制圧するのを目標に作戦を立てよう。』
『了解しました。ではまずその縄をインベントリ内に入れてください。
それから服を防刃、防弾仕様にしてください。
靴には安全靴のように頑丈なものへ変えてください』
『顔はどうする』
『相手に特殊能力のようなものがないとも限りません。
こちらから判断することはできませんがこちらに
そう言う能力があると悟らせない方が良いでしょう。
なので服装はほぼそのままで中身だけ変えましょう』
『そうだな。急にファンタジー味が増したがなくもないよな。
は〜異能バトルとか勘弁願いたいんだけど』
まったり配信してゲームして、
美味しいご飯食べてゆっくりまったりする予定だったんだけど
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