第18話 スリー勝負

「おはよう桜君。朝以来ね」


「霧虎さんおはようです。まさか一緒のイベントだと思いませんでしたよ」


「そうねビックリよ。それでちょっと桜君に話があって....」


「私東京アンバーの広報担当の渡辺と申します」


「これはご丁寧に、月白ですよろしくお願いします」


まあ、十中八九撮影許可だろうな。

それ以外ないだろ。俺はそれより後ろの人たちの方が気になるんだけど

絶対プロの人だろ、チームジャージ着てるし


「今回のイベント用で何枚か写真を撮ったり、

動画を回しても良いでしょうか?」


「僕を中心に撮るってことですか?」


「はい、そうなります」


「それはちょっと...撮っていて自分が映るのはいいんですけど

自分中心の撮影はやめてもらえるとありがたいです」


「そうよね、でも今日はテレビの取材とかで映っちゃうと思うけど

そこら辺は大丈夫なの?」


「ええ、そのくらいは覚悟してきてますから。

今度の日曜もあって目立たないのは無理かなと思って

諦めましたよ。」


「わかったわ、そんな感じでよろしく頼むわね。

それよりこの二人の紹介を早くした方がいいわね。」


まあ、ウズウズしすぎでそわそわしちゃっているしね。

そろそろ九時になりそうだけど

中高生たちがゾロゾロ入ってきて

観客席の方にもゾロゾロと入ってきてるね。


「東京アンバーのシューティングガードの

九十九美奈です!よろしくお願いします!!」


「同じくセンターの桐生舞です」


「月白桜ですよろしくお願いします」


「月白君ってバスケやってたの?めっちゃうまかったけど」


「ええ、少し」


「へ〜少しか、ねえ開会式の後時間もらってスリー勝負しない?

私に勝ったらそうだな、何か欲しいものある?」


「ちょっと美奈!ごめんね月白君無視していいから」


面白そうだな。どんな内容にもよるけど

やっていいと思う?カレン


『もうやればいいのではないでしょうか。

どのみち写真は撮られてもそこまで声をかけてこないでしょうし』


『その心は?』


『この間外に出てわかったでしょう。

変なやつ以外は、通報されるのが怖くて声をかけてきませんから』


なるほど。

そういえば、アウトレットの時も声はかけられなかったよな

店の店員くらいだもんな話しかけてきたのは


「いいですよ。じゃあ僕が勝ったらそのチームジャージください」


「ほんと!全然いいよ!!じゃあちょっと聞きに行くから!!!」


「本当にいいの桜君。別に断ってもいいのよ」


「いえ、楽しそうなんで。せっかくですし」


もういいだろう。目立って

なんか色々考えるのも面倒だし、どうせツクヨミの方で

顔出さないんだからバレないだろう

カレンもいるしどうにかなると予想するぜ!


『色々言いたいことはありますが。

絶対にバレないように、徹底しますね』


『よろしく』


「あの、その様子を映すのはアリですか?」


「まあ、はい。流石に時間ももらって映すなとはいえないですよ」


「ありがとうございます」


「月白君!開会式始まるからこっちの席に!」


「あ!はいわかりました千紗兎さん」

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やはり年配者の話は長い、がめっちゃいいこと言ってる。

中高生は飽きてきたっぽいけど、なんか年取ったなって自覚してしまうね。

まだ二十歳なのに。前世合してもそんな変わらんのにね。


「ここで特別に九十九美奈選手と、ゲストの月白桜君による

スリーポイント勝負をしてもらいます!

勝負は簡単二分間で何本決められるかの勝負になります。

ではお二人前の方にどうぞ、先行は九十九選手からお願いします」


あ、俺後攻なのね。まあいいか。

流石にプロに勝つのはやばいから、ギリギリ負けよう

勝つのがやばいくらい目立つのは俺でもわかるからな。

意見が食い違ってる?やりすぎは良くないことぐらいバカでもわかるよな

そういうことだよ。


「月白君本気で行くからね!」


「ええ、全力で僕もやりますよ」


ピーーーーーー

おお、どんどん入る

うめ〜3本目!マジですごいな

全然外さないしめっちゃ打つの早いな

残り一分でもう10本も入ってる。


これ普通にやっても負けるだろ。

六秒に一本だろ?無理だろ

あ〜マジでやろ、火がついちまったぜ


ピーーーーーーーー

「21本!!さすが日本代表スリーポイントシューター

圧倒的な本数です!月白君にも頑張って欲しいですね」


「すごいですね。てか、日本代表だったんですか?」


「ええそうよ!どう?惚れた?」


「ははは、じゃあ次僕の番なんで行きますね」


目標は15本越えかな。いけっかな?

よっしゃ!気合い入れてがんばろ


ピーーーーーーーー


まず一本!8秒に一本だよな

このまま行けたら16本!

筋トレしててよかった〜体が軽いぜ


あと1分今9本

これは目標まで行けそうかな


ピーーーーーー


「月白君惜しくも19本、大健闘です!!

二人に大きな拍手をお送りください!

これからはプログラム通り進めていこうと思います」


く〜大健闘、流石に無理だぜ

どんだけ体がチートでも本物には負けるね

これはアップ参加しなくていいかな。

思ったより緊張して疲れたぜ


「お疲れさま、月白君。

はいこれ、チームジャージ」


「え!いいんですか?

負けたのにもらっちゃって」


「ええ、参加してくれただけでありがたいわ。

ものすごい盛り上がりだもん。それに19本なんて結構すごいわよ

だからはい!この後のアップとかはどうするの?」


「ちょっと疲れちゃったので、休憩ですかね。

ジャージありがとうございます。」


早速きちゃお。体冷やすの良くないしね。

いいね!マジのチームジャージだよ!!レア物だよ

一生大事にしよ


「月白君、休憩します?後これスポドリとタオルです

休憩するならあっちの方でお願いしますね」


「じゃあ休憩しますね千紗兎さん。

じゃあ九十九さんまた」


「ええ、楽しかったわ」


まだ始まったばっかだけど

さっきプログラム見たら、関係者チームの出場は

午後しかないんだよね。午前は中高生中心で

試合は午後に一回とフリースロー大会があるんだよね

結構景品が豪華でチームのメンバのサイン入り6号ボール

が狙いで頑張ろうかな。ちなみに3位の景品ね

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